テニス上達メモ054.“have to”か“want to”か? 「今の人生」の横に走っている「別の人生」がある(諦める力)
▶なぜ「動かなきゃ!」の義務になるのか?
プレー中の感じ方は、「動きたい!」「打ちたい!」でしょうか?
それとも「動かなきゃ!」「打たなきゃ!」でしょうか?
結論から言うと、つねに「動きたい!」「打ちたい!」でいるのが、テニス上級者です。
「動かなきゃ!」「打たなきゃ!」でいるのが、テニス初中級者です。
つまりテニス上級者は、「したい」の“want to”モード。
テニス初中級者は、「しなければならない」の“have to”モードです。
この違いは、どこから生じるのでしょうか?
▶誰でも「テニス上級者」になれる
これも結論から言うと、「ボールにだけ集中しているか」、あるいは「いろいろなものに意識が分散しているか」の違いです。
テニス上級者はつねにボールにだけ集中しているから、「動きたい!」「打ちたい!」の“want to”であり、テニス初中級者はいろんなものに意識が分散しているから、「動かなきゃ!」「打たなきゃ!」の“have to”である。
そうなる理由を理解することで、誰でも「動きたい!」「打ちたい!」の“want to”を感じるテニス上級者になれます。
いえテニスだけではなく人生も、日々の生活が「やりたい」の“want to”で満たされるQOLの向上をかなえる話を後述します。
▶「やりたくなる」“want to”モードの出番
仕事でも、いろんなものに意識が分散していると、途端に「やらなきゃ」の“have to”モードに陥ります。
たとえばプレゼン用の資料を作って、クライアントにアポイントも取って、溜まっているメールの返信もして、交通費の精算もして、となると、「今日中に、こんなにものタスクをこなさなければ!」の“have to”モードになる。
一方で、スマホでもいじれるのであれば話は別ですが、「やることがなくてひま」すぎるのも、仕事のつらいところ。
そんなときにひとつだけタスクがあると、「やりたくなる」“want to”モードの出番です。
プレゼンの資料を作る、たったひとつのタスクに取り組むのみ。
「作らなきゃ!」から「作りたい!」へとモードチェンジするから、集中力が上がるし、その結果、仕事の完成度も上がるに違いありません。
▶テニスが「楽しみ」から「義務」へ変わるとき
つまりテニスでいえば、ボールにだけ集中すると「動きたくなる!」「打ちたくなる!」の“want to”モードだから、集中力は上がるし、その結果、プレーパフォーマンスも上がるというわけなのです。
本来テニスは、「動きたい!」「打ちたい!」の“want to”なはず、ですよね?
なぜなら、楽しむために始めたテニスなのですから。
義務でやらされているわけではありません。
なのに、なぜ、本来の“want to”モードから“have to”モードへ、いつのころからか切り替わってしまったのでしょうか?
▶「フォーム矯正の強制」は“have to”モード
フォームを矯正&強制されるからです。
いわゆる「ヒザを曲げろ!」「手首を固めろ!」「腰を回せ!」のタスクで、やることだらけになります。
これらに皆さんは、「やりたい」の“want to”を感じるでしょうか?
「ヒザを曲げたい?」「手首を固めたい?」「腰を回したい?」
いやいやいや、いやいやいや。
本音は「ヒザを曲げなきゃ!」「手首を固めなきゃ!」「腰を回さなきゃ!」の“have to”になっているはずです。
そうすると、やることが多くなりすぎて、「動きたい!」「打ちたい!」本来の思いは、どこへやら?
ボールに対する集中力が下がって、その結果、パフォーマンスも下がるというわけなのです。
▶やりたくないことは「やらなくていい」理由
テニスを“want to”でプレーする場合、このようなフォーム矯正の話は、絶対に出てきません。
ご自身の“want to”は決して、「ヒザを曲げたい!」「手首を固めたい!」「腰を回したい!」ではないはずだからです。
ですからプレゼンもアポも交通費精算もとタスクが多くなりすぎて嫌になるのと同様に、本来の「動きたい!」「打ちたい!」が、「動かなきゃ!」「打たなきゃ!」の義務になった。
人生もそうですけれども、“want to”で日々を満たすとQOL(Quality of life「生活の質」)が上がります。
そのためには、やりたくない“have to”は、全部やめればいいのです。
「いや、人生はそんなに甘くない。やりたくないこともやるのが社会人だ」などという人も、なかにはいるかもしれません。
だけど、そういう人は、大いなる勘違いをしているから、人生が“have to”モードになって、しんどくなっているはずです。
では、この大いなる人生の勘違いを、打破していきます。
▶「社会性」を身につければ人生は「好循環」する
自分のやりたくないことは、それをやりたい得意なだれかが、やってくれるのです。
それがいわゆる、「社会性」です。
モノを作るのが好きであれば作ればいいのに、苦手な販売まで担う必要はありません。
逆にモノを作るのが苦手という人もいます。
そういう人は得意であれば、モノは人に作らせて、自分は売りさばけばいいのです。
▶私が書くのを「やめる」とき
私も『テニス上達メモ』等の執筆は、「人のため」ではありません。
「人のため」になることくらいは分かっているけれど、そのように恩着せがましくやるのはまさに“have to”モードだから、「人のため」などと感じたならば、それは私が「書くのをやめるとき」だと思います。
「情けは人の為ならず」
人に与えていると、よく解釈されるような「巡り巡って自分に返って来る」というよりも、与えるとき、同時に(リアルタイムで)「自分が癒される温かな気持ち」になるのです。
自分がやりたいからやっている“want to”モードです。
▶人生もつねに「やりたい」を感じる
何も全部が全部を、自分ひとりだけで抱え込む必要はありません。
そうするとタスクが多くなりすぎて、「やりたい!」の“want to”モードではなく、「やらなきゃ!」の“have to”モードになり、義務感を背負って人生がしんどくなります。
それはそうです。
やりたくもないことを、たくさん抱えて、我慢、不満もたくさん抱えて、それで幸せになれる道理はありません。
テニスでは、つねに「動きたい!」「打ちたい!」の“want to”を感じていると、パフォーマンスが上がるご説明をしました。
人生も、つねに「やりたい」を感じていれば、QOLが上がるのは必然です。
▶嫌なことは「全部やめる勇気」
私たちは何も、義務で生きているのではありません。
楽しむために、一度切りの人生を生きています。
それがいつのころから、か「やらなきゃ!」だらけのつらい“have to”人生に切り替わった!?
繰り返しますが、まず「やらなければならない」と感じている“have to”の嫌なことを、全部やめる。
それは、得意な誰かが担ってくれます。
そうして社会は成り立っているのですから、他人の得意を、不得意な自分が、手柄を全部が全部手に入れようとして奪ってしまうのは、「盗み」であり、社会にとって有り体に言えば「迷惑」なのですね。
逆に言えば、自分が不得意でやりたくないことを他人に任せるのは、「施し」であり、社会にとって「恩恵」です。
▶周りのみんなも「幸せができる」
そういうわけで、やりたい“want to”で人生を満たせば、みんなが幸せをできます。
「やらなきゃ」の“have to”人生から、「やりたい」“want to”人生へスイッチ。
こちらでご紹介している『諦める力』には、次のフレーズがあります。
集中力が上がって、テニスのパフォーマンスも、人生のQOLも、上がります。
自分だけではなく、周りのみんなも幸せをできます。
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