Teller

ドイツ在住大学院生のTellerです。ドイツ人の夫と二匹の猫様と一緒に暮らしています。 ここでは私の経験(不妊治療、パニック障害など)や、本の話、ドイツ生活や、ドイツ語、京都で暮らしたときのことなど色々なことを書きたいと思います。よろしくお願いします。

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ドイツ在住大学院生のTellerです。ドイツ人の夫と二匹の猫様と一緒に暮らしています。 ここでは私の経験(不妊治療、パニック障害など)や、本の話、ドイツ生活や、ドイツ語、京都で暮らしたときのことなど色々なことを書きたいと思います。よろしくお願いします。

最近の記事

ドイツ語と日本語の間で~具体的で具体的でない大げさな数字たち~

皆様お久しぶりです。まだnoteを読んでくださる人がいるのだろうか、というのは分からないのですが、それでも「記事を読みました」というようなご連絡を最近いただいたこともあって久々にこのサイトを開くと、いくつか書きかけになっていたものがあることに気づきました。なので、久々にそういった私のふと思い浮かんだものたちをインターネットの世界へ送り出してみようと思います。 具体的な数字なはずなのに具体的じゃない数字 幼い頃、母に怒られた時によく言われたことばの中に「何百万回言わせんのよ

    • 日本語とドイツ語の間で ~der, die, das Nutella論争(?)とメトニミー~

      最後に書いてからまた時間が経ってしまい、気づくともうすぐ1年のうち半分が過ぎてしまったんですね。やばい。 今日はドイツ人の中でも議論が白熱すると噂のテーマ「ヌテラの性は何か問題」を取り上げてみたいと思います。というのも、朝食や夜食に夫がヌテラを使うたびに彼とこの議論をするからです。 今回はまず皆様への質問から始めたいと思います。ズバリ、読者の皆様はder, die, dasのどれを使いますか?そして、皆様の身の回りのネイティブの方はどれを使って表現していますか?さらに、ネ

      • ドイツ語と日本語の間で 〜複数の言語と共に生きる〜

        ずっと積読本となっていたKübra Gümüşay執筆のドイツ語の本"Sprache und Sein"を2日ほど前から読み始めて、まだ3章に入ったところなのですが、2章がとても良かったので、この2章に書かれていたことを自分と重ねて考えてみたいと思います。 まずこの作品についてですが、作者のGümüşay氏はトルコ系ドイツ人ジャーナリストで、この本ではそのタイトル通りことばとアイデンティティや社会、フェミニズムなど多様なテーマを取り扱っていますが、文体自体はとても詩的で美し

        • ドイツ語と日本語の間で 番外編 〜Hochdeutschという呼び方〜

          またも久しぶりにnoteを書くこととなりました。今日は日常の話、というよりはドイツ語の中で使われるHochdeutschという語について、ドイツ語言語学に関わる者として少しお話をしていきたいと思います。 そもそもなぜ突然こんな話をするかというと、とあるドイツ語学習者の方で、ドイツ語学習をされる方々の中ではそれなりに影響力がある方が発信しているYouTubeの動画の中に、これに関して誤った情報があったため、このまま間違った情報が出てしまうのは良くないのかな、という思いがあった

        • ドイツ語と日本語の間で~具体的で具体的でない大げさな数字たち~

        • 日本語とドイツ語の間で ~der, die, das Nutella論争(?)とメトニミー~

        • ドイツ語と日本語の間で 〜複数の言語と共に生きる〜

        • ドイツ語と日本語の間で 番外編 〜Hochdeutschという呼び方〜

          ドイツ語と日本語の間で 〜若者ことばのsafe〜

          まずは新年明けましておめでとうございます。昨年は「私とドイツ語」というシリーズや「私と京都生活」というシリーズを始めてみましたが、三日坊主となってしまいました。が、めげずにこの「ドイツ語と日本語の間で」とともに気の向くままに自由に書いてみようと思います。長い独り言のようなものですが、興味を持ってくださる方がいるなら嬉しいです。 色々と書いてみたいトピックはあるのですが、2023年最初のテーマはドイツ語の若者ことばで最近、本当に1年くらい前から聞くようになった"safe"を取

          ドイツ語と日本語の間で 〜若者ことばのsafe〜

          私とドイツ語② 私とドイツ語の発音

          言語を勉強する時、もちろん色々なモチベーションがあると思うのだけど、私は「ドイペラになりたい!!!!!!」という強い思いがあったため、大学に入って最初の頃はもう毎日ドイツ語のアルファベットの音をiPodで再生して聴いていたし、ネイティブの先生の授業の時はずっと口元を見て耳をダンボにして参加していました。 ペラペラになりたい、できるだけ日本語のアクセントを除いて、ドイツ語らしい音を身につけたい。それが私の目標ですし、今もずっとその目標を持っています。日本語のアクセントが悪い、

          私とドイツ語② 私とドイツ語の発音

          私とドイツ語① きっかけと自分語り・これからこのシリーズで書きたいこと

          もうnoteをほったらかしにし、最近は友達に「ハマり方えぐくない?」といわれるくらいスプラトゥーンにハマってしまい、ちみちみと本を読みちみちみと韓国語の勉強を再開し、そしてちみちみと博論を書いている、そんなTellerです。11月から暖房つけるって言ったのに、寒さはどこに行ってしまったんでしょうか?(暖房代節約できるから良いのですが) 最近語学学習や語学学習のためのサービスについて、私なりに思うことが良くも悪くも増えてきて、「じゃあ自分はどんな風にドイツ語と向き合ってきたの

          私とドイツ語① きっかけと自分語り・これからこのシリーズで書きたいこと

          本の感想 - Sophie Passmann: "Alte weiße Männer. Ein Schlichtungsversuch"

          今年の誕生日、お祝いをしてくださるという方々に、主に本で埋め尽くされる私のアマゾンのウィッシュリストをシェアしたところ、たくさんの本をいただいた。ということで、ポチポチと読んでいるのだけど、その中で特に目を引いたTaschenbuchであった "Alte weiße Männer. Ein Schlichtungsversuch"(私訳:年寄りの白人男たち - 和談の試み)という本を読んでみたので、忘れないようにここにメモしておこうと思う。 何が私の興味をそそったのかという

          本の感想 - Sophie Passmann: "Alte weiße Männer. Ein Schlichtungsversuch"

          ありがとうとさようなら

          一週間前、父が亡くなった。急なことだった。妹から朝早くに厳しそうということで連絡が来て、その日のうちにこの世を去ってしまった。心の準備も何もできておらず、何が何だかわからず、ただ「お父さんにはもう会えない」ということを考えると涙が出た。一種の自然な反応のようだった。もう話すことはできない、会えない、悲しい。この考えの結果としての涙だった。実感はないのに。 そして、父と対面した。そこにもう、父の生の影はなかった。亡骸という言葉がその時どういう状態を指すのか初めて理解したように

          ありがとうとさようなら

          ドイツ語と日本語の間で 〜外国の地名の話〜

          大それたタイトルをつけてしまいましたが、内容はそんなに大したことじゃないです。 言語学に携わる身である私は、世界で何かがあればもちろんその情勢にも目はいくけれど、どうしてもことばの方に意識が向く。ロシア語もウクライナ語も初級レベルで、本当に一部の違いしかわからないのだけど、表記をキエフとするかウクライナ語に近いキーウにするか問題が近いうちに発生するだろうなと思っていたら案の定昨日Twitterはこれがテーマとなっていた。ウクライナ語に近い表記にするべき!というのに対し、「そ

          ドイツ語と日本語の間で 〜外国の地名の話〜

          私の京都生活 〜カンフォーラは出会いの場〜

          こちらもせっかく始めようと意気込んだのに、結局全然書かず、ネタだけが溜まっていったのでちょっとずつ消化しようと思う。それに京都めっちゃ行きたい。そろそろ京都ロスが半端ない。 カンフォーラは京大吉田キャンパス正門の入ってすぐ左手にあるカフェテリアだ。おしゃれな感じがするところで、たまに研究室での食事会や出版社や業者との食事会に使う先生なんかもいる。それでいて価格帯はとても良心的…だと思う。もちろん学食よりはちょっと高いけど。 カンフォーラは私にとってはある意味での「出会いの

          私の京都生活 〜カンフォーラは出会いの場〜

          ドイツ語と日本語の間で 〜日本語でなんて言うの?〜

          まずは新年明けましておめでとうございます。noteで書きたいことはたくさんあるのに、なかなか重い腕を上げることができませんでした。でも、そもそも私のnote読んでいる人なんているのだろうか?「みんな更新遅れてごめんね★Tellerがんばるっ!」とか人気ブロガーみたいなこと書けるほど世の中の目に晒されているものでもないと思うんですけど、見てくれている奇特な方がいらっしゃいましたら、いつも読んでくださりありがとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。 仕事ではドイツ語を

          ドイツ語と日本語の間で 〜日本語でなんて言うの?〜

          LGBTQAI+の難民たちの抱える困難

          今日は今までとはちょっと違うテーマで、読み切り的な備忘録です。うまく書けるかわからないのですが、とりあえず書いてみます。 先週の水曜日、ケルンにある映画館ODEONでFutur Dreiという映画を観てきました。この日はただ映画を観るだけではなく、その後緑の党の議員さんが司会かつこのテーマに関連する方をスピーカーに呼んでディスカッションや意見交換をするというような会が開かれるということで、spontanで観に行くことに。 この映画はベルリン映画祭でも数々の賞をとる快挙を遂

          LGBTQAI+の難民たちの抱える困難

          不妊治療のこと②

          しばらくまた不妊治療のことを書いておりませんでしたが、色々なことがまたこの1ヶ月の間で起こったのでまとめてみたいと思います。 この間書いた時は確か不妊治療のうち、ICSI(顕微授精)にあたって、採卵(Eientnahme, Punktion)の前の準備をしていた時だったのだと思います。そうそうホルモン漬け(なんか意味違うけど)で心身の調子がぐわんぐわんだった時です。 ホルモン注射の期間を経て、ベルリンの病院にて超音波検査(Ultraschaluntersuchung)を受

          不妊治療のこと②

          ブッククラブについて 〜これまでとこれからと〜

          しばらくnoteを書いていなかったのですが、今日はTwitterに書くには少し長くなってしまいそうなので、これまでのブッククラブとこれからのブッククラブについて書こうと思います。 この記事でいう「ブッククラブ」とは、私がこれまで最初の方は毎週、最近は不定期で土曜日の11:00(中央ヨーロッパ時間)/ 18:00(日本時間)にclubhouse上で開いている「外国語大歓迎!おすすめブッククラブ 朗読付き」のことです。初回がいつだったのかもう覚えていないのですが、多分今年の3月

          ブッククラブについて 〜これまでとこれからと〜

          不妊治療のこと

          久々に不妊治療のことを書いてみたいと思います。しばらく書いていなかったし、ちょうど今結構しんどいなと思っていた時だったので、色々と記録も兼ねて。 今まで行なっていた体内での受精を目指す方法。実は今年に入り、コロナ後最初の月経が来て再スタートするも、1月の時点ではまだまだコロナでボケボケだったのか「全然排卵起こらなそうね」と言われてしまい中止になり、それからはちょっと高いけれどホルモン注射を打って卵子の成長を促し、排卵剤などを使ってこれまでの方法を今年に入って多分2回しました

          不妊治療のこと