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「光る君へ」第43回「輝きののちに」暴走する道長?
前回、宇治川で輝く川面のもと、まひろに弱音を吐き、涙した道長は、カタルシスがすんだからかすっかり回復し、もはや暴走しているように見える。
妍子が出産するも女児だったことにあからさまにがっかりし、内裏の火事を理由に三条天皇に譲位を迫る。
大鏡によれば、桓算という僧侶がもののけとなって、左右の翼で三条天皇の目を覆っていてその羽を動かすときには少しだけ見えるのだ、と書いてある。
実は、かなり昔、児
「光る君へ」第39回「とだえぬ絆」親子の物語
彰子さまに第二皇子誕生から始まった第39回。
まひろは、源氏物語の構想を練っているのか、宿世とつぶやく。
「宿世」ということばは。源氏物語に何度も出てくるのである。
場面は、藤原為時邸へ。道長から正月用の賜り物に加えて、賢子の裳着の祝いの品も届いている。
ここで惟規によって、為時に賢子の父が道長であることが伝えられる。
そうか、気づいていなかったのか。
気づいていないと言えば、道長もまた気づ
「光る君へ」第37回「波紋」〜教科書に載っている紫式部日記って?
第37回は紫式部日記の記述に従って進んでいく。
「紫式部日記」で教科書に載っているのは、
・「秋のけはひ入りたつままに」で始まる冒頭
・前回描かれた一条天皇が敦成親王に会うために土御門邸に行幸する日に向けた準備をする場面。
・清少納言を始めとする女房達への批評
この三つがほとんどである。
今回のドラマで描かれた、大晦日に盗人が入る場面もたまに載っていることがある。
まずはこの盗人が入る場面から。
「光る君へ」第34回「目覚め」現実世界では叶わないことでも、物語の中なら叶えられる。
1007年、まひろは宮中で源氏物語を書き進めている。
前回、里に下がって書いたのが巻二「帚木」。
今回、公任(町田啓太)や行成(渡辺大知)、斉信(金田哲)、女房たちが読んでいたのは、「人違い」・「方違え」という言葉から「帚木」の後半から巻三「空蝉」だとわかる。
さて、いつもの
【ざっくりあらすじ】
巻二「帚木」の雨夜の品定めの翌日、光源氏(この時17歳)は方違え(陰陽道の方角占いで、目的地の方角
「光る君へ」第33回「式部誕生」 まひろの人生の中に源氏物語のモチーフがある
いきなりラストのところからで申し訳ないが、道長から贈られた檜扇に感動。まさか二人の出会いの場面が描かれているとは!
「鳥が逃げてしまったの」と、幼いまひろが言うあの場面、源氏物語の若紫の巻によく似た場面がある。
「雀の子を犬君(召使いの女の子)がかごから逃してしまったの」と言って泣く少女を18歳の光源氏が垣間見(今風に言うと垣根の向こうから覗き見ですね)する場面である。これは教科書では定番の教材。
「光る君へ」登場人物考〜安倍晴明 第32回
安倍晴明が死んだ。
私にとって、初めての安倍晴明との出会いは、稲垣吾郎演じる晴明であった。
NHKのドラマ「陰陽師」。2001年、原作は夢枕獏氏の『陰陽師』シリーズ。
私はすっかり夢中になった。
以来、私の中の安倍晴明は稲垣吾郎なのであった。
(残念ながら、山崎賢人君はまだ見ていない。)
若く美しい安倍晴明から、おっさん安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)へ。
最初はかなり戸惑ったが、いやこれ
「光る君へ」登場人物考〜藤原道長 第31回
とうとうまひろが源氏物語を執筆し始めた。
源氏物語の成立には諸説あり、若紫の巻からではないかというのが最近の定説のようだが、ドラマでは桐壺の巻から、つまり源氏物語冒頭から執筆している。
これは、道長が実は中宮彰子様をなくさめるためではなく、一条帝に読ませるためにという目的があったのだとすれば、まさに納得。
源氏物語のはじまりは次のような話から始まる。
とある御代、帝が桐壺更衣という女性だけ