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たま子
2023年6月24日 01:26
夜、ベッドで本を読んでいると、シピがお腹の上にやってきて眠りだした。安心する匂いとあたたかさにつつまれて、わたしも本を片手にうとうとと気づけば眠っていた。隣のキッチンから、ぐぉんぐぉんの後に、ぽっぽっぽっぽっ、カランカラン、という音が順番に聞こえて目を覚ます。23時30分。同居人が夜な夜な電動ミルで豆を挽き、アイスコーヒーを淹れる音。「わたしもー」とすこし声をはるも届かない。仕方なくシピをおろ
2023年4月16日 21:47
朝、窓からそよそよと風が入りこみ、きもちのいい薄い青空に雲が浮かんでいた。昨日買ったプレーンとくるみのデニッシュを両方とも薄く切って軽めに焼き、アールグレイの紅茶をとぽぽと注ぐ。デニッシュはかりっふわっと口の中でうれしい。同居人と日がな一日、窓際のソファの肘掛けの両側にもたれて向かい合わせに座り、本を読んだり、映画を観たり、音楽を聴いたり、おかしな踊りを披露したり、ときどき猫を愛でて過ごす。ベ
2023年3月5日 13:30
先週にひきつづき、音の方へ。GEZAN LIVE。美しいことも、汚いことも、いろんなことを背負わせてきた彼の声は、前日に襲撃にあったのだという。いつもの声以上の嗄れ声でなんども頭を叩きながら苦しそうに歌う姿。「でも、不都合なこととか、人に隠したいようなこととか、そういうものもぜんぶ見せていきたいと思っているから」いつもの声で歌う彼を思い出しながら、その日の彼を見る。聴く。これが LI
2023年3月3日 00:04
先週、神戸の太陽と虎へ下津光史さんの弾き語りLIVEへ行ってきた。LIVEハウスまでの道中「次なに聴きたい?」とLIVE中に言われたらというようなことを妄想し、今日は迷いなく「美しい春」って言うなぁ。などと考えていたものだから、その曲のイントロが弾かれはじめた瞬間、細胞がぶわあと湧き立ち、たまらず涙があふれていた。たぶんその瞬間、武庫川の水面はきらめき、魚は踊り、鳥は歌っていたはずだし、自
2022年12月22日 23:44
すっかり冷えたカイロを握りしめて、充電の切れたイヤフォンを耳からはずし、残り10%のiPhoneにかじかんだ指をあてて打つ言葉。海。山。踏切。去年の夏ぶりに塩屋の街へきた。グッゲンハイム邸で行われるLIVEアリオト。演奏、マヒトゥ・ザ・ピーポーと寺尾紗穂。はあ………余韻。余韻。余韻。このiPhoneの充電がこと切れる前に残しておきたいきもちとかうんたらかんたら。前の座席