【参加レポート】BtoB×SaaS×CS担当者のためのLT大会(第5回)【スライド大量】
『BtoB×SaaS×CS担当者のためのLT大会(第5回)』に参加してきましたー!
実際にカスタマーサクセスに取り組んでいる方々の魂のアウトプットは、とてもとてもとても勉強になりました。ので!私もアウトプットで還元していきたいと思います!
「勉強になりました」では終わらせませんよ!!!!!!
タイムスケジュール
当日のタイムスケジュールはこんな感じでした(イベントページより抜粋)。
ひたすらに高濃度なLTが展開されまくる高密度なタイムスケジュール、聴衆の姿勢も試されます。
18:30- 受付
19:00- イベント趣旨説明
19:10- LT1~4
20:10- 休憩
20:20- LT4~7
21:20- まとめ&懇親会
22:20- 解散
『イベント趣旨説明』 Repro株式会社 CustomerSuccessManager 駒谷徹さん
まず最初に、イベント趣旨説明。発表者は主催者でもあるRepro株式会社の駒谷徹さん。
Reproさんで運用されているSlackコミュニティの参加人数が1000人(!)を超え、ユーザさんがイベントを主催するという最高のコミュニティを作られていることを教えてくれました。
そして、その上で今回の会に参加するにあたって「Co-Growth」を意識するよう強く訴えかけていました。Reproさんのユーザー会みたく、皆で成長しようね!という姿勢です。
この「本日のゴール」は、どのセミナーに参加するにあたって忘れてはいけないことだなと思いました。
ただ気合で耳を傾けるのではなく、インタラクティブ性を出すように合いの手を入れるといった面白い試みもありました!
1.『入社&立ち上げ3ヶ月、高速でキャッチアップと施策実行をしていくための3つの方法』
株式会社カヤックLiving カスタマーサクセス 高垣陽子さん
一番手は株式会社カヤックLivingの高垣陽子さん!
移住マッチングサービスの『SMOUT』のカスタマーサクセスチームを立ち上げ回されてきた施策についてシェアしてくれました!
入社してからすぐカスタマーサクセスの立ち上げを始め、LT時点で入社からちょうど3ヶ月!そしてその3ヶ月の間で学ばれたことと言うことで鮮度も量も凄まじい内容でした。「カスタマーサクセスってどこから手を付ければいいの?」という方にはとても参考になる内容だと思います!
1ヶ月目…自社サービス/社内ツールを実際に使ってみて『自分ごと化』
2ヶ月目…課題を引っ張り出し、チームや社内外の人たちを巻き込んで『ブレストブレストブレスト』
3ヶ月目…施策の目的マップを作成して全体を『俯瞰』、他チームとも共有
といった、カスタマーサクセスの立ち上げ時にやらなければいけないことを3ヶ月で一気に取り組んでこられたという状態です。入社して間もない時期からこんなにグイグイ施策を引っ張ってくるなんて凄い…。
運用結果についてはまだまだこれからという事なので、今後どういった施策を運用されていくのか、とてもとても気になります!
最終的にはカスタマーサクセスを会社へ浸透させることが目標!ということで、大きく羽ばたいていってほしいなと思いました!
詳細記事はこちら↓
2.『カスタマードリブンCSのフレームと実践ケース』
株式会社ビービット エクスペリエンスデザイン支援事業部 カスタマーサクセス担当 礒野亘さん
2人目は株式会社ビービットの礒野亘さん!
UX企画支援クラウドサービス『USERGRAM』のカスタマーサクセス担当として、日々顧客と向き合う中で得た「顧客を理解する」ための知見およびフレームワークをシェアしてくれました!
『顧客を理解すること=顧客の声に真摯に耳を傾けることでは全く無い!!』という力強いメッセージから幕が上がりました。最初から激アツです。
当初は顧客の声に応じた施策に取り組まれていたそうですが、成果が全く出ず…。原因を追求していくと、顧客の真の声は「顧客の声の2ステップ前」にあるということに気づかれたそうです。
その気付きから『顧客の真の声』に応じたアクションが取れるようになるフレームワークまで落とし込まれたそう!それがこちら↓
顧客の発言の裏(=顧客の真の声・状況)を汲み上げ、理想の体験を想定することでクリティカルなアクションを取れるということ!
顧客が自分たちのあるべき姿を把握していることは必ずしもありませんし、こうして顧客の声を噛み砕く『咀嚼力』もカスタマーサクセスを実現する上で重要なスキルになってくるのでしょうね。
具体的なアクションにまで落とし込まれており、かつすぐにでも行動に移せる汎用性の高さですごかったです。
あと、顧客の声を真に咀嚼した上で行ったワークショップのポイントが参考になりすぎだったので、ワークショップを行われる方は参考にされると良いかもです。特に「上長参加」についての説明については気合が入っていました。上長がいると気合の入り方が違うんですよね…分かる…
礒野さんの全スライドはSlideShareでも確認できますので、具体的な体験も含めて知りたい方は是非読んでみてください!↓
3.『チャットボットのキャラクターが生み出す顧客とのエンゲージメント』
りらいあデジタル株式会社 VA事業本部 カスタマーサクセスマネージャー 齋藤有登さん
3人目はりらいあデジタル株式会社の齋藤有登さん!
AIチャットボットプラットフォームの『バーチャルエージェント』のカスタマーサクセスを担当する中で得たサクセスのための秘訣を共有してくれました。
チャットボットは親しみやすさの向上(=利用率向上)のためにキャラクターを設定することが多いらしいのですが、そのキャラクターをどう育てていくか=ゴール設定が大事だということ。
そのためにオンボーディングをガッツリ実施されているそうです。
チャットボットは会話の内容を覚えさせるという意味で「育成する」という表現を使われるそうなのですが、ゴール設定をしないと間違った方向に向かってしまい利用もされず…という事になってしまうそうです。
それだとサクセスできなくなってしまいますよね…。
「サポートセンターの効率化の予定で導入したはずが、いつの間にかセールスやマーケの部分も担わせようとさせてなんだかよく分からないシステムに…」ということも例として挙げられていました。
序盤で握り切る、要件定義の重要性は身に沁みているので、カスタマーサクセスとしてもそこ大事だよなぁ…と思いながらお話を伺っておりました。
4.『CS創世記におけるヘルススコア設計の理想と現実』
Hamee株式会社 アカウントマネジメント部 マーケティングチーム 甲斐愛佳さん
4人目はHamee株式会社の甲斐愛佳さん!
ECサイト在庫・受注・発注管理といったバックヤード業務の一元管理ツール『ネクストエンジン』のカスタマーサクセスにおけるヘルススコア設計を行う上でのあれこれについてシェアしてくれました。
事業の伸長とともに受け身なサポート体制に限界が来てしまったため、能動的なカスタマーサクセス部隊を設置されたそうです。今こうした背景でカスタマーサクセスの導入を検討されている所も多いのではないでしょうか。
サポートがパンクしたときに見えた課題のスライドは、読むだけで視界がにじみます…大変だったんだろうな…
そして、カスタマーサクセス部隊が設置され、ヘルススコアを具現化する中での苦しみもたくさんあったそう。言葉の定義は特に面倒だったかと思いますが、最も大事なんですよね…言葉がすべてを規定するので。
また、ヘルススコアの設定はあくまで「ユーザの選別」であるということで、あまりこだりすぎないことも大事とのこと。
スコアリングの目的は「ユーザの行動を完璧に理解する」のではなく、「ユーザのステータスの把握」であり、目的を見失わないようにしないといけませんね。
データ連携図については以下の通り。TreasureDataにデータを全部突っ込んで、そこからAWS経由でHiCustomerに繋いでいるとのこと。こうした環境構築は大きな課題になると思うので、ひtつの参考に。
また、最後のスライドは全私が首がちぎれんばかりに頷いておりました。みんなで成功しよう!その気持ち、プライスレス!
甲斐さんのバックグラウンドがエンジニアということもあってか、定量評価のスコアリング設計をゴリゴリ進められているそうです。定性データも定量データに置き換える(定性データにタグ付けし、タグ情報を定量データとして活用など)までの徹底ぶり。凄い…
「これがデータ・ドリブンってやつか!」と感嘆しながらお話しを伺っていました。私もここまでデータをガッツリ使えるようになりたいなぁ。
5.『Highタッチ施策を汎用性のあるLowタッチ施策へ展開した話』
株式会社ロックオン カスタマーサクセスマネージャー 渡部真子さん
5人目は株式会社ロックオンの渡部真子さん!
広告の効果計測やユーザ行動フローの確認等が行えるマーケティングプラットフォーム『アドエビス(AD EBiS)』のHighタッチ施策をLowタッチ施策に展開した取り組みについてシェアしてくれました!
HighタッチやLowタッチって何…?という方はこちらをどうぞ↓
Highタッチと比較してLowタッチは解約率が低く、かつカスタマーサクセスメンバーの立ち上げにも時間がかかるという課題に対し、成果が出ていたHighタッチ施策を一部Low領域でも実行できるよう落とし込まれたとのこと。
具体的に何をされたかというと、人力で行っていた導入支援の汎用コンテンツ化!ユーザが自力で立ち上げられるような仕組みを整えられたそうです!
コンテンツに落とし込むのも相当大変だったでしょうが、こうすると貴重な人的リソースも他に回せるようになりますね!
このコンテンツ化は功を奏したようで、Lowタッチの方もうまく回り始めたそうです!
また、カスタマーサクセスメンバーの教育にも工夫を凝らし、トップダウン型(マネジメント目線の知識インプット)とボトムアップ型(現場目線の知識インプット)を組み合わせたことで、戦力化までの期間が約半分になったり…と目覚ましい成果を挙げられておられます。凄い…。
個人的に凄いなと思ったのは、カスタマーサクセス体制の厚さです。
前線・後方支援と部隊編成がしっかり行われており、効率的に動きやすくかつ必要な要素は全部整えているような印象を受けました。新卒社員の配属も多いそうで、最初からこの体制の中でサクセスマインドを意識しながら日々を過ごせるのは超いいなって思いました。
2019年9月末時点で解約率0.5%を目指されているということで、かなり意欲的な取り組みをされているようです。現時点では「あとちょっと」だそうで、最終的にどうなったか、また改めてお話をお伺いしたいですね!
6.『大企業で新規サービスを活用してもらうために実践した事』
株式会社Synamon VP, Business Development 武井勇樹さん
6人目は株式会社Synamonの武井勇樹さん!
VR技術を活用したビジネス向けコラボレーションツール『NEUTRANS BIZ』の大企業に向けた利活用促進施策をシェアしてくれました!『NEUTRANS BIZ』はVR版ビジネスチャットみたいなツールのようで、非常に気になります!
コア技術であるVRは普及はまだまだこれからであるため、「総合格闘技」と形容されるレベルの全力のハイタッチ施策を行われているそう。
ソフトウェアの使い方の前にハードウェアの使い方をお伝えしたり、顧客とのミーティングは実際に『NEUTRANS BIZ』を使って有効性を体感してもらったり、手軽なチュートリアルを作ったり…。これを専任1名・兼任2名という少人数で行われているというのだからすごい。
結局、VRは体験してもらって「居場所に関わらずコミュニケーションがスムーズに行える」という価値を感じてもらわなければいけないので、こうしたハイタッチ施策が最も有効なんだろうなと思いました。
「VR技術」が欲しいのではなくて、VR技術を使って得られる「価値」の部分が欲しいわけですからね。マーケティングではよく見かけるドリルと穴の例えですが、カスタマーサクセスでも活かせますね!
新技術を使った新事業を広めていく上での苦労はなみなみならぬものだろうと思います。その一方で、最新技術のアーリーアダプターとして取り組みを回していくのは顧客もワクワクするであろう素敵な事業だよなぁと思いながら伺っておりました。今後の動向も気になります!
7.『チームで顧客を成功に導くペルソナ作りとKPI設計』
株式会社ベーシック カスタマーサクセス部カスタマーサクセスグループ マネージャー 塚本雄介さん
大トリは株式会社ベーシックの塚本雄介さん!
CMSやCRMなどマーケティングに必要な機能が詰まったWebマーケティング支援ツール『ferret One』での顧客スコアリング設計・運用についてシェアしてくれました!
既存顧客からペルソナ像を組み立てをされたとのことで、非常にマーケティング企業らしい動き方ですね!
顧客スコアについては定性的に見ていらっしゃるそうで、先にLTをされていたHameeさんとはまた少し違ったテイストの組み立て方です。
最初からガチガチに数字の定義をしてしまうと後から修正が大変という側面もありますから、こうした考え方もありですね!
顧客スコアを運用すると、同じ方向を向けるようになったり施策も考えられるようになったり、事業部にも顧客の方を向いた施策の有効性をアピールできたり…と非常にポジティブな影響が出てきたそうです。顧客スコアという同じ物差しがあると足並みを揃えやすくなりますね!
ただ、スコアはあくまでスコアであって、その先にいるのは顧客。これからも顧客の解像度を上げながら、どんどん改善を図っていかれるそう。
カスタマーサクセス施策に取り組む上で、というよりも事業を営む上で顧客の事を知るというのは非常に大事ですよね!顧客の顔が見えたほうがやりやすいし、なによりも具体的な方がよりやる気になります。「あの人のために頑張ろう!」ってね。
そして、ベーシックさんはカスタマーサクセス体制が凄い!
目標も業務内容も明瞭。カスタマーサクセス体制を拡充していく上での組織づくりにとても参考になりそうです。
まとめ
ということで、『BtoB×SaaS×CS担当者のためのLT大会(第5回)』の参加レポートを書きました!
製品サービス・体制が全く違い、ベストプラクティスが存在しない中で色んな施策を試されているのは本当にスゴい。しかもその取り組みをガンガン共有して頂ける…。なんてありがたいことなのでしょうか!
そして、今回のLTで共有頂いた内容は、切り口やきっかけは少しずつ違えどすべて「顧客」に軸足が置かれていますよね。顧客に「価値」を届けるためのアクティビティばかりで、やっぱりカスタマーサクセスの取り組みって素敵だなぁと思いました!
それでは!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?