鮫島卓臣 / Takuomi Samejima

慶応義塾大学ラドヴィッチ研/イェール大学建築修士課程卒業/2019年度フルブライト奨学生/2022年よりニューヨークで建築デザイナーとして働いています。お仕事のご依頼はこちらまで: sametaro1995@gmail.com

鮫島卓臣 / Takuomi Samejima

慶応義塾大学ラドヴィッチ研/イェール大学建築修士課程卒業/2019年度フルブライト奨学生/2022年よりニューヨークで建築デザイナーとして働いています。お仕事のご依頼はこちらまで: sametaro1995@gmail.com

マガジン

  • #建築 記事まとめ

    • 566本

    建築系の記事を収集してまとめるマガジン。主にハッシュタグ #建築 のついた記事などをチェックしています。

  • 建築持論

    建築やその周辺領域に関する個人的な観察や、建物を見て考えたことなどについて書いた記事をまとめたマガジンです。記事を4つ以上購読する場合はマガジンの購入がお得です。新しい記事も随時追加していく予定です。

  • 形態分析シリーズ

    ルネサンス以降の建築家による作品の特徴やコンセプト、デザイン上の発明を、建物の「形態」に着目して分析した記事をまとめています。現在の記事(ブルネレスキ、アルベルティ、ブラマンテ、ラファエロ)に加えて、ゆくゆくはミケランジェロやパラディオといった建築家の作品についても随時追加していく予定です。

最近の記事

  • 固定された記事

自己紹介と今後の更新について

初めまして、ニューヨークの建築設計事務所で建築デザイナーとして働いている鮫島卓臣と申します。 これまで約4年ほど、建築関連の記事を気が向いたら散発的に色々書いてきましたが、これからはもう少し定期的に記事を更新していきたいなと思い、一度これまで書いてきたものを整理することにしました。それに伴い、マガジンをいくつか作成して、これから書いていくものももう少し体系立てて更新していこうと思っています。 建築について思ったことや感じたこと、建物を見て考えたことなどは『建築持論』、ルネ

    • 建築は世界と接続し、世界を構築するためのひとつの概念体系である(建築批評に関する覚書)

      先日映画監督で脚本家のクエンティン・タランティーノによるCinema Speculationという本を読んだ。この本は映画の作り手でもあるタランティーノが、1970-80年代のアメリカン・ニューシネマを代表する映画をいくつか取り上げて、それぞれを独自の目線で批評していくという構成をとる。ホラーやスリラー、刑事物からドラマまで、多様なジャンルから幅広く作品を抜粋しており、タクシードライバー(1976)以外見たことのなかった僕は、基本的に夜に映画を見て、次の日の通勤時間にその批評

      ¥300〜
      • イタリア旅行記①:ルネサンス建築の本質

        8月中旬からローマ、フィレンツェ、マントヴァ、ミラノを巡る約2週間のイタリア旅行に行ってきた。ヴェネチアには昔一度行ったことがあるが、これほど本格的にイタリアの各都市を巡る旅は初めてだ。 僕が通っていたイェール大学大学院のカリキュラムには、2年次の夏に1ヶ月間ローマに滞在する「ローマ研修」なるものがあるのだが、僕の代はコロナのためあいにく中止になってしまった。その苦い思い出を抱えたまま卒業して2年半、なぜか今年に入って古代ローマの浴場空間やルネサンス以降のドーム建築などを働

        ¥300〜
        • キンベル美術館に見るルイスカーン建築の魅力

          0. 建築の宝庫、ダラス-フォートワースを訪れる 5月の初めに休みをいただいたので、4日間だけテキサス州にあるダラスに行ってきた。ニューヨークから飛行機で4時間ほどの旅だったが、州を越えるとまるで違う国に来たような印象を受ける。共和党支持者が多いだけあって、東海岸ではなかなか見ない「Make America Great Again」のバナーをよく見るし、テキサス州自体完全な車社会なので、ダラスのダウンタウンと言えども歩行者はほとんどおらずとにかく閑散としている。人で溢れて賑わ

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          4本
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        記事

          形態分析④:ラファエロの〈手法〉とマニエリスムの夜明け

          0. 後期ルネサンスとマニエリスムまた長らくこの形態分析シリーズから遠ざかってしまったが、いよいよ今回から後期ルネサンスにおける「マニエリスム」という現代建築を考える上でもとても重要な様式の分析に入っていく。今回は盛期ルネサンスから後期ルネサンスへの移行を考える上でとても重要な画家・建築家、ラファエロに焦点を当てるが、その前にマニエリスムという様式の簡単な概説と、その土台となるこれまでの分析の総括をしておきたい。 マニエリスムとはイタリア語で「手法」を意味する「マニエラ」を

          ¥300〜

          形態分析④:ラファエロの〈手法〉とマニエリスムの夜明け

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          形態分析②:アルベルティによる概念としての〈建築〉の自律

          0. レオン・バティスタ・アルベルティ新年最初の記事は、ルネサンス期の建築を語る上で最も重要な人物の一人と言っても過言では無い、レオン・バティスタ・アルベルティ(1404-1472)について書いてみようと思う。建築に限らず数学・法律・絵画・彫刻・詩、さらには運動にも長けていたという、いわゆる「なんでもできちゃう人」だったアルベルティは、後述する「建築十書(De re aedificatoria)」という著作において、ルネサンス期の包括的な建築理論を確立した人物として知られてい

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          形態分析②:アルベルティによる概念としての〈建築〉の自律

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          形態分析③:ブラマンテの有機体とレトリック

          0.ドナト・ブラマンテ久しぶりにnoteを更新する今回は、ルネサンスの建築家ドナト・ブラマンテ(1444-1514)について書いてみようと思う。メニカンでのトークが決まったおかげで、形態分析の授業を一通りおさらいする口実ができ、ようやく止まっていたシリーズが書けそうというわけである。当初ブラマンテはトークに入れていたのだが、残念ながら時間と内容の関係で外さなければいけなくなったので、当日紹介するアルベルティに先んじてnoteで更新しておこうと思った次第である。個人的にブラマン

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          形態分析③:ブラマンテの有機体とレトリック

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          生き物のための建築

          1. Every Living Beings最近長らく遠ざかっていた「生き物のための建築」というテーマについて自然と考える時間が増えてきた。きっかけは、2学期のスタジオが始まって最初の課題で、マークフォスターゲージ(MFG)に課せられた「建築をやるモチベーション、どういうものを作りたいのかウケ狙いの嘘なく正直に答えろ」というエクササイズの時だ。その時に僕はポロッと "I want to make an Architecture that has room for every

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          生き物のための建築

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          虫を探したくなるような建築

          1. マークフォスターゲージの建築最近マークフォスターゲージの建築と彼が言っていることにすごく興味があり、色々考えさせられている。マークフォスターゲージとは、僕の通うイェール大学建築学科の卒業生でニューヨークを拠点に活動する若手建築家の一人だ。現在は准教授としてイェールで教壇にも立っており、生徒の間では親しみを込めてMFGなどとも呼ばれている(なので以下MFGとする)。 彼の作品は基本的にオブジェクト指向存在論(Object Oriented Ontology:以下OOO)

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          形態分析①:ブルネレスキに見る主体と客体の分裂

          0. 建築とアーキテクチャ長らくnoteを放置してしまったが、セメスターも終わり、一ヶ月以上も在宅してるとそろそろやる事も無くなってきたので、今日から復習の意味も込めてピーターアイゼンマンの形態分析(Formal Analysis)の授業で学んだ事や、そこから僕が考えた事などについて少しずつ紹介していきたいと思う。まずは世界最初の建築家とも言われているブルネレスキの建物の分析を紹介しようと思うのだが、その前にこの授業で僕が最も痛感したと言うか、目から鱗だった気づき「建築とア

          ¥300〜

          形態分析①:ブルネレスキに見る主体と客体の分裂

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          イェール大学建築学科(YSoA)について

          0. はじめに昨年9月からアメリカの建築修士課程での留学を始めて、早いもので半年近くが経った。英語のみの環境に身を置いて、常々どこかで日本語をせめて「書かなきゃ」まずいと思いnoteのアカウントを作ってはみたものの、なかなか重い腰が上がらず、箇条書きの下書きを貯め続ける日々を送ってきた。いよいよ一稿投稿できそうなわけだが、noteを始めようと思ったもう一つの大きな理由として、アメリカの建築教育、もっと正確に言えば私の通うイェール大学建築学科(通称:YSoA)の教育やカリキュラ

          イェール大学建築学科(YSoA)について