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団地の遊び 電車の線路

電車の線路  最近、鉄道関係のことで、いろいろ問題が起きてるが、今回の話は、あくまでも昭和の時代の事なので。  子供の頃、電車が、ストライキで全線停まったことが、記憶する限り三回あった。  で、どうするかというと、線路を歩くのである。滅多に歩けるものではない。  これは、すさまじく楽しかった。とことんおもしろかった。線路の上を歩けるのである。  線路の上は、歩きにくい。まず、当たり前だが、線路がある。そして、たくさんの石が敷き詰められている。  どこを歩いても、歩きづらかっ

    • 団地の遊び ホットケーキ

      ホットケーキ  「ちびくろサンボ」という有名な童話がある。差別的表現とか言われてるようだが、差し当たり、これから書くことは、差別的とはまるで関係ないので。  ストーリー的なものは、とりあえず省略させていただく。それから、ネタバレな内容なので。  問題は、トラにあった。トラとは、虎のことである。あの猫科の大きいシマシマのヤツである。  コイツがグルグル回って体が溶けてバターになってしまう、というわけである。これだけ書くと、ものすごく問題のある物語に聞こえる。  トラがバター?

      • なんでもない日々 猫

         時々見かける顔見知りの猫である。写真撮るからジッとしてて、と言ったら、ホントに動かずおとなしくしてくれた。単に怖がってただけかもしれない。

        • 団地の遊び テレビ三昧

          テレビ三昧  土曜日の夜だった。理由は忘れたが、親がいなかった。ウチの親は子供を信用していない、つまり自分を信用してなかったわけだが、そのため、一人で過ごさせないようにした。  自分の子供より信用している学級委員Rと、女学級委員山岡が来ることになった。この二人なら安心。これはいつも言われていた。  だが、なんらかの事情で、学級委員Rがいなかった。山岡だけだった。  確か夕食は、カレーであった。すでに作り置きのやつを山岡が温めたものを食べた。ジャワカレーである。  そして、テ

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          団地の遊び 夜のサービスエリア

          夜のサービスエリア  多分、小五か小六のとき。多分、社会科見学の帰りのとき。はっきり記憶してるのは、冬の時。  ずっとバスに乗っていた。そして、予定より遅れ、窓の外は、すっかり暗くなっていた。冬の夜は早かった。  バスは、とこかのサービスエリアに停まった。K先生が大きな声で、これが最後の休憩だぞ。もうどこも停まらないで学校まで行くからな。トイレは今のうちにすませておけ。  何人もの児童たちが降りた。自分もバスから出た。  いったいここはどこなんだろう?と思った。まだ埼玉のど

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          なんでもない日々 たまピー

           ここの大きな店は、トイレと煙草でしか行かない。  にもかかわらず、ものすごい昔から顔見知りの美人スタッフに、写真撮ります?ツーショットもいいですよ、と言われた。  そんなわけで撮った、たまピーちゃんです。人気があって、何月何日来店!!と布告が出る程である。

          なんでもない日々 たまピー

          団地の遊び アブダクション

          アブダクション  七歳のとき、MM2(仮名)はUFOにさらわれたーーー本人談。つまり、アブダクションというものである。  MM2は、日頃から、超常現象的なものを研究していた。特に、UFOと宇宙については、かなり勉強していた。  団地の西南の空に、大きな雲がある。そのへんでの、UFOの目撃情報は、結構あった。MM2に言わせると、雲の中に、母船の葉巻型UFOが停まっているということだった。 「俺は芝生で寝転んでいたんだ」アブダクション帰りのMM2が、真剣な顔で、昔の話をしだした

          団地の遊び アブダクション

          団地の遊び 五百円札

          五百円札  さすがに、百円札は使ったことがない。まともに見たことすらなかった。自分の子供時代でも、流通はしていなかったのだろう、と思う。  しかし、五百円札は、日常的に使った。調べればわかるのだが、五百円札が、いつなくなったのかの、記憶がハッキリしない。  五百円札というのは、良かった。ともかく札である。子供時代は、そんなに持つことはなかったが、中学高校と歳をとるにつれ、五百円札が財布に入ってることは、多くなった。  小学生の頃の、五百円の価値はどのくらいかと考え、一日の生

          団地の遊び 五百円札

          なんでもない日々 オレンジ 2

           オレンジは毎日食べる。またしても、美しいオレンジに出会った。オレンジのたくさん入ったダンボール箱を抱えた店員(元ヤンおばさん)に、こっちから選んでいい?と聞いたら、いいと言うので、選んだ。客がさわってないオレンジである。  そしてそれは美しかった。  一個税込150円です。

          なんでもない日々 オレンジ 2

          団地の遊び 雪だるま

          雪だるま  楠の木の下にも雪が積もっていた。横の公園では、幼稚園児ぐらいの子たちが、砂場の所で雪ダルマを作っている。  高橋が、雪の積もった長方形のグラウンドで、ボール投げをしている。壁に当たったボールは、当然雪の上を弾まない。  楠の木の下の、芝生は雪だらけだが、大きな石やら縁石やらに、みんな座っていた。  団地は雪に埋もれていた。雪の新鮮なにおいが十全と漂っている。  今年の冬は寒いなぁ、まだ小学生のクセして、年寄りみたいな言い方を、学級委員Rがした。息が白い。  息を

          団地の遊び 雪だるま

          なんでもない日々 ベンチ

           このベンチ、有名なモノなのか、そうでないのか、全く知らない。  これは、エビ反りベンチといえる。もたれると、自然とエビ反ることになる。なんのために、エビ反るのか、きっと健康にいいのだろう。  だが、実際、エビ反ってる人は、一度も見たことがない。  自分は、エビ反る気はなかった。

          なんでもない日々 ベンチ

          団地の遊び スクールバス

          スクールバス  高校からは電車通学になった。この電車は駅ごとに高校があり、学生ばかり乗っていた。終点の駅で降りる。そこから学校までスクールバスで通っていた。高三あたりから路線バスになった。  スクールバス代というのがあったのかなかったのか、思い出せない。その場では払わなかった。あったとしても、微々たるものだと思うのだが。五キロの道のりである。  このスクールバスが、なぜ印象深く記憶してるかというと、運転がすさまじく乱暴だった。荒かった。  今の時代だったら、まずクレームの出

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          なんでもない日々 神社の物

           神社にあるこれはなんですか?有名な物なのでしょうか?中にあるのは水です。雨水です。底はまるで深くありません。カラスがとまり、少し飲んだあと、まずそうな顔して、飛んで行きました。  自分はバカなので、何かまるでわかりません。

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          団地の遊び 恋と本

          恋と本  ムーちゃんが、突然言った。 「俺、目黒先輩のこと好きかもしれない」「そうか」  特にどうとも思わなかったので、フツーに答えた。  コイツは、以前、クラスメイトの三村夏子を好きになり、フラれた過去がある。今度は、二歳年上の先輩である。なかなか恋多き男であった。  ある日、例によって、団地内公園あたりで、なんかみんなで集まりダラダラしていた。まるで小学生気分が抜けてない中一の五月。  高橋はボール投げをし、その横の狭い芝生の大きな楠の木の下にいた。公園では、子供たちが

          団地の遊び 恋と本

          なんでもない日々 壁

           高橋(仮名)は、この壁にボールを投げる。ぶつかったボールは高橋のもとに戻る。  子供の頃から高橋は、一人、この壁でボール投げをしていた。大人になっても、投げている。かれこれ、五十年、高橋はこの壁でボール投げをしている。  この壁は築六十年である。  ただ、それだけのことだった。

          なんでもない日々 壁

          団地の遊び 学級閉鎖

          学級閉鎖  記憶する限り、一回だけ学級閉鎖があった。小五か小六のとき。  冬だった。ところで、すごいバカなので、学級閉鎖、というものの、意味がよくわかっていなかった。  なので、学年一位の成績優秀者であり、学級委員でもある、山岡しおりに聞いたところ、クラスの何人以上かの子が風邪などで欠席した場合、学級閉鎖になるという。つまり休みになる。  何人以上なのか、忘れた。山岡は確実に人数を言ったと思うが、まるで覚えていない。  多分、クラスの五分の一、六人ぐらいではないか?昭和の話

          団地の遊び 学級閉鎖