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睡眠が不規則だと糖尿病リスクが34%増大する


📖 文献情報 と 抄録和訳

加速度計で測定した不規則な睡眠時間と2型糖尿病リスクとの関連:英国バイオバンクの前向きコホート研究

📕Kianersi, Sina, et al. "Association Between Accelerometer-Measured Irregular Sleep Duration and Type 2 Diabetes Risk: A Prospective Cohort Study in the UK Biobank." Diabetes care 47.9 (2024): 1647-1655. https://doi.org/10.2337/dc24-0213
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[背景・目的] 7年間の追跡期間における英国の集団を対象に、不規則な睡眠時間と糖尿病発症との関連を評価する。

[方法] 2013年から2015年の加速度計データの提供時に糖尿病を発症しておらず、2022年5月まで前向きに追跡された英国バイオバンクの参加者84,421人(平均年齢62歳)を対象に、睡眠時間のばらつきを、加速度計で測定した7日間の睡眠時間の個人内標準偏差で定量化した。睡眠時間のSDのカテゴリー別に、新規糖尿病(医療記録、死亡登録、および/または自己申告による診断から特定)のハザード比(HR)を推定するために、Cox比例ハザードモデルを使用した。

[結果] 622,080人年間の追跡期間中に、2,058件の糖尿病発症例が認められた。睡眠時間の変動(睡眠の不規則性)が30分以下の場合と比較したHR(95% CI)は、31~45分では1.15(0.99、1.33)、4 61~90分では1.54(1.32、1.80)、91分以上では1.59(1.33、1.90)であった。

年齢、性別、人種を調整した後の値である。非線形の関係が見られ(P非線形性 0.0002)、睡眠時間の標準偏差が60分を超える人と60分以下の人を比較すると、糖尿病リスクが34%高いことが分かった(95% CI 1.22、1.47)。さらに、生活習慣、併存疾患、環境要因、肥満度を調整すると、その関連性は弱まった(睡眠時間の標準偏差が60分超と60分以下の比較におけるHR:1.11;95%CI 1.01、1.22)。この関連性は、糖尿病多因子リスクスコア(PRS)が低い人(P相互作用:0.0264以下)や睡眠時間が長い人(P相互作用:0.0009以下)の間でより強く見られた。

[結論] 睡眠時間が不規則な人は糖尿病リスクが高い傾向にあり、特に糖尿病PRSが低く睡眠時間が長い人においてその傾向が顕著でした。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

以前、睡眠の規則性は死亡リスクに対して、睡眠時間よりも関連が強いことを示した論文を抄読した(関連note参照)。
今回の抄読研究は、アウトカムが「糖尿病リスク」だった場合に、睡眠の規則性がどの程度関連するかを調査した。
その結果として、睡眠の規則性は糖尿病リスクと関連しており、60分間を閾値として捉えた場合、そのリスクは34%も増大するらしい。
やはり、絶対量として多い少ないも大切であろうが、そこに波が存在するかどうか、も身体適応にとって重要なのだろうと思う。
習慣的な人間に近づいていきたい。

自分のリズムを大切にしろよ。...
いつもいってるけどさ、
いちばん大切なのはリズムなんだ。

リズム 森絵都

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