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詩の学び

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#現代詩

【詩】詩を書くということ

【詩】詩を書くということ

もともと
詩を書くという行為は
流れていく時間を
絶え間なく動く生命を
無理矢理止めて
定着させて
永遠にしようとすること

それだけでもう立派に
人間の生に対する
反逆なのです
自然ではないのです

その覚悟を
持つ者だけが
詩人と呼ばれるに
値するのです

たとえば
五月の山々の
樹々の緑の美しさは
言葉になりません

もしも言葉に
しようとするなら
ここに
山を持ってくるしかありません

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【エッセイ】詩を読むこと・書くことをもっと楽しくするために~詩人になりたい皆さんへ~

【エッセイ】詩を読むこと・書くことをもっと楽しくするために~詩人になりたい皆さんへ~

こんにちは。長尾早苗です。
わたしは小説からスタートしたので、将来詩人になって詩を書き続けていくことなど思いもよらなかったのですが、今こうして機会をもらって詩を書いていることを誇りに思います。

わたしの話より説得力があると思うので、ぜひ参考にしてほしいのが、松下育男さんの『これから詩を読み、書くひとのための詩の教室』(思潮社)です。わたしもサイン入りで持っています。ぜひ!

それでは、詩歴15年

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【断章】詩として表現したいこと

生きることの残酷さ。
生きることの苦しさ。
生きることの悲しさ。
生きることのせつなさ。
生きることのやりきれなさ。

生きることの美しさ。

やがては死んでしまう人間という生きもの。
その強さ、儚さ、健気さ。

生きることのすべて。

【詩】自由

【詩】自由

自由

陽光と土埃に汗ばむ空気が
昼下がりに捩れている
寒天を通して透かし見るような
コルカタ郊外の住宅街
豪邸の門で生真面目に番をする
いつもの男の姿が見えない
留守宅の敷地内は静けさが満ちる

あるじの趣味は魚釣り
色とりどりの亜熱帯植物がまどろむ庭園に
大きな丸い池が佇んでいる
橙色のさざ波の下で
大河から連れ出された魚たちがうごめく
釣られては戻され あるいは食され
あるじの気紛れに翻弄さ

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それでも投稿したい詩人への【詩の投稿先まとめ】〆切別・月間年間スケジュール付

それでも投稿したい詩人への【詩の投稿先まとめ】〆切別・月間年間スケジュール付

本格的に詩作を始めてから1年半ほどですが、書きはじめの頃に「詩の投稿先」についての情報が欲しかったので、今回まとめてみることにしました。

「詩のようなものを書いてみたけれど、これは詩なのだろうか」「どこかに送って誰かに読んでもらいたい」詩をはじめた頃にそんな気持ちになり、自作の詩を応募できるところについて色々調べたりしました。

けれど、情報によっては古いものだったり、現在は受付を締め切ってしま

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■「現代詩」のマーケティング

■「現代詩」のマーケティング

現代散文自由詩人の独り言(29)現在60歳のぼくが、「現代詩」を、それとして認識し、読むようになったのが昨年2020年11月のことだ。
たまたま、日経新聞夕刊で詩人、北村太郎について書かれた記事を読んだことがきっかけ。北村が詩を書いていた同人誌「荒地」、その中核となった田村隆一らとの人間関係、北村の恋愛遍歴を織り込んだ、ねじめ正一の小説「荒地の恋」を原作とした同タイトルのWOWOWのドラマをAma

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