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それでも投稿したい詩人への【詩の投稿先まとめ】〆切別・月間年間スケジュール付

本格的に詩作を始めてから1年半ほどですが、書きはじめの頃に「詩の投稿先」についての情報が欲しかったので、今回まとめてみることにしました。

「詩のようなものを書いてみたけれど、これは詩なのだろうか」「どこかに送って誰かに読んでもらいたい」詩をはじめた頃にそんな気持ちになり、自作の詩を応募できるところについて色々調べたりしました。

けれど、情報によっては古いものだったり、現在は受付を締め切ってしまっているものもあったりするなど、なかなかすんなりいかず苦労したことを覚えています。

なにかと忘れっぽいので備忘録として自分のためにもわかったことをまとめておこうと思いました。不備等ありましたらコメントやプロフィールページの連絡先よりご連絡ください。


<〆切別>詩の投稿先まとめ

私個人が1年半の経験から得た投稿先の情報ですので、すべての投稿先や賞は網羅できておりません(膨大すぎて…)。
そして投稿したことのないものも含めてあります。

2022年秋現在の情報ですが、追加の情報がありましたら随時更新予定です。

詩を書いてみて、どこかに送ってみたいけれどどんなところがあるのかわからない…そんな方の参考になりましたら幸いです。

なお、入選作の掲載時期はわかるものだけ記載しています。

☆毎月20日〆切

・詩誌 現代詩手帖 (思潮社)

【投稿方法】郵送
【投稿規定詳細】詩誌に掲載
【入選作掲載号】翌月末発売の翌々月号
  (例:1/20〆→2月末頃発売の3月号に掲載)
【HP】

【コメント】
選者は2名。2022年度の選者は小笠原鳥類さんと森本孝徳さん。辛口選評と評され一部で話題を集めましたが、たしかに毎回選評も面白いです。入選の掲載詩は、噛めば噛むほど味が出る…噛みごたえのある詩に出会えるところだと感じています。まるで歯が立たない…なんてことも多々ありますが、それはそれで面白いです。
・2023年度の選者は峯沢典子さんと山田亮太さん
・2024年度の選者は川口晴美さんと杉本徹さん

→年間の投稿欄より現代詩手帖賞の受賞者を選出

☆毎月月末〆切

・詩誌 ユリイカ  (青土社)

【投稿方法】郵送
【投稿規定詳細】詩誌に掲載
【入選作掲載号】翌々月末発売の翌翌々月号
   (例:1月末〆→3月末頃発売の4月号)
※ユリイカの掲載時期はすこし微妙で、〆切ギリギリの月末に送ると翌翌々月号掲載でしたが、月初や半ばあたりまでに送ることができると翌々月号掲載の時もありました。(例:1月半ばまでに送る→2月末頃発売の3月号掲載の可能性も有)

【HP】


【コメント】選者が1名。2022〜2023年は大崎清夏さん。2024年から井坂洋子さん。

→年間の投稿を通じて約1名ユリイカの新人を選出。

・詩誌 詩と思想 (土曜美術社出版販売)

【投稿方法】郵送
【投稿規定詳細】詩誌に掲載
【入選作掲載号】翌々月末発売の翌翌々月号
   (例:1月末〆→3月末頃発売の4月号)
【HP】


【コメント】選者は2名。2022年は尾世川正明さんと清岳こうさん。
詩と思想新人賞は別応募にての募集。後述の年間募集部分に記載します。

・詩誌 ココア共和国 (あきは詩書工房)

【投稿方法】web
【投稿規定詳細】以下リンクのwebに掲載
【入選作掲載号】翌月末発売の翌々月号
  (例:1月末〆→2月末頃発売の3月号に掲載)
【HP】

【コメント】選者も4名ほどと多く、なんといっても掲載数(紙版・電子版で約150作品毎月掲載)が多い!書き始めの頃に掲載していただけてものすごく励みになりました。

→投稿作品は自動的に年に一度開催の「いがらしみきお賞」「秋吉久美子賞」「YS賞(20歳以下部門)」の対象となります。

☆その他

・日本現代詩人会 

【〆切】四半期ごと
【投稿方法】web
【投稿規定詳細】以下リンクのwebに掲載
【入選作掲載】各〆切月の翌月末付近
  (例:12月末〆→1月末頃以降webにて掲載)
【HP】

【コメント】
→年間の投稿欄より新人賞1名・新人数名を選出

・季刊 びーぐる (澪標) ※終刊

【投稿方法】郵送・mail
【投稿規定詳細】詩誌に掲載
【HP】

【コメント】おそらく年に一度びーぐるの新人を選出

(※追記: 詩誌「びーぐる」は2023年4月20日発行の59号にて終刊)

・月刊 望星 (東海教育研究所)

【〆切】募集時期ごと
【投稿方法】郵送
【投稿規定詳細】Twitterの募集要項
【HP】

☆年間:年に一度の〆切

以下のものは2022年の〆切で記載しています。

今後、締切日が変わる可能性もありますので、その都度各賞のページで最新情報をご確認ください。

・永瀬清子現代詩賞

【〆切】5/17
【投稿方法】郵送
【HP・応募規定】


・文芸思潮 現代詩賞

【〆切】5/31
【投稿方法】郵送
【HP・応募規定】

・資生堂 花椿 今月の詩

【〆切】6/10
【投稿方法】web
【HP・応募規定】

・詩と思想新人賞

【〆切】8/31
【投稿方法】郵送
【HP・応募規定】

・伊東静雄賞

【〆切】8/31
【投稿方法】郵送
【HP・応募規定】

(追記)大変ありがたいことに、第三十三回伊東静雄賞奨励賞をいただきました!ありがとうございます。


・西脇順三郎賞 新人賞

【〆切】8/1〜10/31
【投稿方法】郵送
【HP・応募規定】

・白鳥省吾賞

【〆切】7/1〜11/1
【投稿方法】郵送
【HP・応募規定】

詩集で応募できる賞

出版や私家版などで詩集をつくると以下の賞に応募ができます。

実際詩を書きはじめるまで、中原中也賞が詩集でしか応募できないことを私は知りませんでした…!

紙本での詩集、憧れます。2年後くらいには出したいです。
参照URLだけ載せておきます。

中原中也賞

H氏賞 (公募ではなく推薦形式)

萩原朔太郎賞  (公募ではなく推薦形式)

小野十三郎賞

富田砕花賞

西脇順三郎賞 詩集部門


その他にももっとあるのですが…ひとまず詩集をつくりたいです。。

大詩人曰く「投稿なんていますぐおやめなさい」

散々投稿先の話をしておいてなのですが、ここで詩人リルケ大先生による衝撃のお言葉をご紹介します。

ライナー・マリア・リルケは『若き詩人への手紙』の中で詩作についての助言を求める若者へこう述べています。

あなたは御自分の詩がいいかどうかをお尋ねになる。あなたは私にお尋ねになる。前にはほかの人にお尋ねになった。あなたは雑誌に詩をお送りになる。ほかの詩と比べてごらんになる、そしてどこかの編集部があなたの御試作を返してきたからといって、自信をぐらつかせられる。では(私に忠告をお許し下さったわけですから)私がお願いしましょう。そんなことは一切おやめなさい。あなたは外へ眼を向けていらっしゃる、だが何よりも今、あなたのなさってはいけないことがそれなのです。誰もあなたに助言したり手助けしたりすることはできません、誰も。ただ一つの手段があるきりです。自らの内へお入りなさい。あなたが書かずにいられない根拠を深く探ってください。

リルケ『若き詩人への手紙』高安国世・訳(新潮文庫)

……じーん。

その他にも詩を書く者として胸に刺さる言葉がたくさん出てきます。

全世界のクリエイターから愛されているこの本、初めて読んだ時は手紙文のあまりの美しさに全部リルケの創作だと思って読み進めていました。

けれども本物の往復書簡をまとめたものと知って二度びっくりでした。
創作をされる方にはぜひ!おすすめです。

それでも投稿する理由

そんな大詩人の言葉を胸に刻みつつ、なぜ私が(まだ)投稿を続けているのかというと、以下三点の要素が挙げられます。

・投稿欄で読める詩がある
・投稿欄で出会える詩人がいる
・投稿欄で出会える選者と選評の言葉がある

この三要素は時々(のメンタル)によってメリットにもデメリットにもなるのですが、同時代に詩の周辺で生きている人たちの言葉に触れられるのが面白いです。少なくとも今はそう思えています。

まだ数年の継続ですが細々とでも書き続けてこられたのは、そんな投稿欄に励まされている部分も大きいと感じています。

タイトルの「それでも投稿したい詩人」というのはつまり自分のことなのですが、投稿に対してモチベーションがあるうちは続けてみようと思います。

そして、投稿という方法をとらなくなっても詩は書き続けていきたいです。

投稿詩の入選作は全文掲載いただけることが多いので公開はしていないのですが、佳作をいただいた作品についてはnoteのweb詩集(公開終了しました)やInstagramなどで公開しています。

2022年の選出歴についてはこちらにまとめてあります。

noteで出会えるおすすめ詩人

投稿欄でも素敵な作品に出会えるのですが、このnoteでも、もちろん素晴らしいクリエイターさんがたくさんいらっしゃいます。

私の狭い知見の範囲で本当に勝手ながらのおすすめになりますが、noteで出会える詩人の方々をご紹介します。順不同で失礼します。

kesun4さん
雪柳あうこさん
大人Cさん
八尋由紀さん
妻咲邦香さん
柊月めぐみさん
●さんInstagram更新されてます
佐野豊さん
梁川梨里さん
佐々木蒼馬さん
重吉陽一郎さん
内海拓郎さん

その他にもたくさんいらっしゃるので挙げきれないのですが、、ぜひ一度ご覧いただきたい方々ばかりです。

(上記のみなさま勝手にご紹介をすみません)

自分なりの詩作をつづけていくために

ひとまず何よりも初心を大切に、ひとつの詩を書く愉しみを忘れずにいたいと思っています。

しかし日々の生活に追われて「今日はなんにも書けなかったな…」なんて日もしばしば。

そんな時、創作モチベーションを保つのに役立っている本をご紹介します。

『これから詩を読み、書くひとのための詩の教室』松下育男(思潮社)

分量のある本ですが、すっと染み渡るような言葉で読みやすいです。自分の詩と共に生きていくことに、読みながら向き合える本です。

『現代詩文庫 松下育男詩集』にも、後半部に「初心者のための詩の書き方」が100項目に及び"詩を書くという行為"について綴られていて、なんだか落ち込んだ時などによく読んでいます。

『天才による凡人のための短歌教室』木下龍也(ナナロク社)

歌人の木下龍也さんによる歌人のための本ですが、詩人でも同様に励まされる内容です。
「歌人と名乗れ」「投稿で負けまくれ」「群れるな」「心身ともに普通であれ」「自作と自分を切り離せ」等々、現代短歌の申し子にエールを送ってもらえる一冊です。


あとはもう、「お気に入りの詩を読む」のが個人的に効果的だと感じています。
(最近の私は吉原幸子さんの草稿集をめくるとモチベーションが上がります)

こうして熱く語ってきたのも、詩を啓蒙したいわけでも、詩の投稿人口を増やしたいわけでも…あるのですが(あるんか)

本屋さんにもっと詩集を並べて欲しいし、いろんな詩をたくさん読みたいと思っています。

もし少しでも「ほんとは詩…書いてみたいんだけどな…」や「詩を書くのが(苦しくても)たのしい」と感じている方のなにかの参考になれば嬉しいです。

…以上です。
長文になってしまいました。

途中の図を作成しながら「どんだけ暇なんや」と我ながらつっこみを入れつつ、好きなことに没頭できる時間が幸せでした。

今月はちょっと詩作の余裕がなくて、本記事の作成に至ったのですが(9ヶ月連続投稿してた現代詩手帖も投稿できずでした…)、現実逃避して好きなことについて書けたのでそろそろ詩作にも戻れそうです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

(追記)
2023年から詩誌La Vague(ラ・ヴァーグ)に書き手として参加しています。
Amazonにてもお求めいただけます。

投稿とはまた違う詩の行き先に、詩誌での発表もひとつの道だと思います。
といいつつ、詩誌に参加するのは初めてのことなので、準備号が発刊されたいまも今後の展開に(いい意味で)どきどきしています。

よろしければぜひご覧ください。


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