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football中毒

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「疲労」か「疲労感」か

「疲労」か「疲労感」か

疲労のコントロールはサッカー選手にとってとても大切だ。継続的に試合が訪れる中で、試合の日に疲労が残っていては元も子もない。

重要なのは試合で最大限のパフォーマンスを発揮することだ。でなければ、トレーニングをしている意味がない。

若い選手達は「疲労」を「疲労感」だと思っている。疲労を感覚で測定している。「疲れが取れてないな」と感じるか。「あ、全然疲れてない!サッカーできる!」と感じるかで疲労を決

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無能は「意識」する。有能は

無能は「意識」する。有能は

何かをより良くしたい、改善したいと思った時に何を変えるかはとても大切だ。

例えば、サッカーに取り組んでいて、大切な試合で負けたとする。選手達は良くなりたいと考える。そんな選手達に問う。「何を変える?」聞くと返ってくる答えは「意識を変える」

「意識を変える」は何もしていないのと同じだ。意識して良くなるなら皆んな意識していればいい。変えなければいけないのは行動だ。

行動を変えなければ何も変わらな

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サッカー好きとサッカー選手の違い

サッカー好きとサッカー選手の違い

はじめにサッカー選手のレベルを分ける時に、いろんな観点があると思う。ここ最近重要視している観点がある。オフザボールで把握している要素の数。各レベルは以下のように定義する。

レベル1:自分とボール
レベル2:自分とボールと相手
レベル3:自分とボールと相手とゴール

レベル1

自分とボールのことだけを把握している状態。相手がどこにいるか、相手が自分に何をしようとしているか、は把握できていない。ワ

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やっぱり、これが大事。

やっぱり、これが大事。

はじめにサッカーの攻撃で裏抜けはやっぱり重要だな。ボール扱いが上手いのに勝てないチームがある。ボール扱いが下手なのに勝てるチームがある。これは裏抜けの頻度(と質)によるところが大きい。

ちなみに裏抜けはDFラインとGKの間のスペースでボールを受けるためにするアクションのこと。成功すれば決定機を作れる確率が一番高い。ゴールの近くでGKとボールホルダーだけの状態を作れるから。成功しなくても守備の陣形

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シャビ・アロンソは顔に風格もあるのに老けてなくて、やってるサッカーもかっこいいってなんかずるい

シャビ・アロンソは顔に風格もあるのに老けてなくて、やってるサッカーもかっこいいってなんかずるい

はじめに中央を経由して前進する事は重要だと改めて確認した。

先日のチャンピオンズリーグMATCH DAY6レヴァークーゼン対インテルの試合をもとに、監督シャビ・アロンソの思考を分析・考察する

攻撃攻撃の原則は以下の3つだ。

①3-2-5の配置
②背後→中央→外の優先順位
③ボールサイドに数的優位を作って侵入する

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マンチェスターユナイテッド アモリム 旅の始まり

マンチェスターユナイテッド アモリム 旅の始まり

はじめにアトリムが就任したマンチェスターユナイテッド。明確な原則のもとにサッカーを展開する監督。

先日のアーセナル対マンチェスターユナイテッドを教材に、アモリムユナイテッドの原則を考察する。図も用意したので参考にして欲しい。

守備守備時の原則を以下に示す。

ハイプレス
①5-2-3の配置
②中盤と前線の5枚で中央封鎖
③バックパスに合わせて方向付け開始
④後方の5枚はどっしり構える
⑤降りる

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練習の無駄を省く工夫

練習の無駄を省く工夫

はじめに練習は低強度・低密度・長時間で行われるよりも、高強度・高密度・短時間で行われるべきだ。(高強度・高密度・長時間は不可能だと科学的に証明されている)

そのためには、練習の中にある無駄をいかに削るかが重要だ。指導者はこれを指示や言葉で解決しようとしてはいけない。

指示や言葉が与える影響よりも、環境や状況が与える影響の方が大きい。

つまり「気づいたら無駄が削られている環境を作る」が大事にな

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ミドルサード 守備原則

ミドルサード 守備原則

ミドルサードでの守備は、ゴールを守るのか、ボールを奪うのか、絶妙なバランスを維持してプレーしなければいけない。

この局面における幾つかの原則がある。

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裏抜けの原則

裏抜けの原則

はじめにサッカーで「裏抜け」は大事なオフザボールのアクションだ。ディフェンスラインとゴールの間のスペースに走り込む動き。

裏抜けの成功率を高める原則は以下の二つだ

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とある強豪校の練習を見学した記録

とある強豪校の練習を見学した記録

はじめに昨日、尊敬している指導者がいるチームの練習を見た。自分は試合よりも練習が見たい。それも日常も日常。日常をどう過ごしているかの結果が試合だ。日常に触れなければそのチームのことは知れない。

その記録をまとめる。

場所は校外の人工芝グラウンド。選手たちも使い慣れているようで、ゴール設営も手早い。

帯同メンバーはトップチームの25人のみ。

監督が30分かけてオーガナイズを設定する。

⓪身

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インテルとシティで勉強

インテルとシティで勉強

インテル対マンチェスターシティの試合を見た。学びを記録しておく。

試合の構図は
撤退守備からのスピーディーなロングカウンターを狙うインテル

押し込んで得点を取りに行く、ボールを奪われたら即時奪回を狙うシティ

相反するチームの見応えのある試合

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練習を作る、ある側面について

練習を作る、ある側面について

はじめにサッカーのトレーニングはいろんな分類の仕方があると思う。例えば「攻撃・守備・トランジション・セットプレー」とか「オンザボール・オフザボール」とか。色んな分類が重なり合って練習を分けられる。

最近、新しいトレーニングの分類が思いついていて。

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最適な練習への介入

最適な練習への介入

練習中の介入は主に3種類です。
①シンクロ
プレーと同時進行で声をかける。
②フリーズ
プレーを静止して声をかける
③ショートミーティング
選手を完全に集めて短く話す

それぞれの方法に長所と短所はあると思うが

今回はこれらの量と頻度について考える。実はとても繊細なテーマだと思う。

ゴール型競技の指導者をやっている人は、どの程度練習に介入することが最適だと考えているだろうか。

絶えず練習に介

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組織なのか否か

組織なのか否か

サッカーは集団のスポーツだ。選手同士の能力を足し算するより掛け算した方がいい。わかってるけど人間がやるスポーツなのでこれが難しい。

掛け算はマイナスがいると全部マイナスになる。足し算はマイナスがいても一方の数字がデカければ全体はマイナスにならない。だから能力の高い選手は単純な足し算を好むのかもしれない。

掛け算を成立させるために大切なことはアクションのタイミングを共有することだ。これは攻守にお

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