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組織なのか否か

サッカーは集団のスポーツだ。選手同士の能力を足し算するより掛け算した方がいい。わかってるけど人間がやるスポーツなのでこれが難しい。

掛け算はマイナスがいると全部マイナスになる。足し算はマイナスがいても一方の数字がデカければ全体はマイナスにならない。だから能力の高い選手は単純な足し算を好むのかもしれない。

掛け算を成立させるために大切なことはアクションのタイミングを共有することだ。これは攻守において変わらない。

極端な話、チームとして目指すアクションが同じ絵になっていたとしても、発動するタイミングがバラバラではチグハグになってしまう。

いつ、そのアクションを起こすのかをチーム内の共通言語でわかりやすく揃えなければいけない。

攻撃で背後を取るタイミング、守備でボールを奪いに行くタイミング、ボールを奪いに行くのをやめるタイミング。

タイミングが揃っているということは、11人が同時にアクションを起こすということだ。どう考えても相手は対応に苦しむ。少なくとも11個のことが同時に起きるのだから。

タイミングを揃えるためには、練習の中で言葉を用いるのも一つだ。最善なのは、タイミングを揃えなければ成立しない練習を設計すること。しかも、サッカーから逸脱しないことだ。ボールを足で扱っていればサッカーなわけではない。同時並行で発生するさまざまな情報処理がサッカーの重要な要素である。

サッカーがサッカーである理由を外さずに、タイミングを揃えざるを得ないトレーニングを設計できれば、チームが足し算の集団ではなく、掛け算の集団になるだろう。

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