そうちゃん@脊髄損傷の情報発信🏄♂️
脊髄損傷の国家試験問題の解説を通して、世の中の皆さんに少しでも「脊髄損傷とは?」を知ってもらえると嬉しいです。出来るだけ平日は毎日アップしていきますのでお楽しみに!
脊髄損傷の鉄板評価である”ISNCSCI” 【脊髄損傷リハ初学者へ向けたISNCSCI Worksheetを解説します】をテーマに、脊髄損傷者を初めて担当する理学療法士や作業療法士のお役に立ちたいと思い、ISNCSCIの解説noteを執筆しました。 これを読んで頂けることでISNCSCIを用いて脊髄損傷者を評価するハードルが下がるはずです。世界標準の脊髄損傷評価であるISNCSCI、ぜひ臨床でご活用ください。
”脊髄損傷”についての情報は不足しています。まずこのマガジンのnoteを読んでいただけることで現在の日本における脊髄損傷医療やリハビリテーションの流れ、社会的な課題を理解していただけると思います。 ボクの情報発信の理念として、地域生活に根ざした、地域在住脊髄損傷者の方々が本当に困っていること、もっと早く知っていれば良かった、知っていることで生活が前より少し楽になった、そんな情報発信が本当に重要な情報発信だと思っています。できるだけ皆さんのお役に立てるような情報発信を心がけて、細々と執筆を続けていきます。
脊髄損傷の評価といえば「これだっ!!」て言う鉄板評価の話をさせていただきます。脊髄損傷の患者さんを担当したら、これを評価しないと話になりません。ですのでこれからお話する鉄板評価を必ず実施してください。 今まで鉄板評価についてのnoteを6本執筆いたしました。今回は6本の内容を全て網羅し、さらにより詳しい内容を加筆いたしました。 とても長くなってしまったので目次からご興味のある章をご覧ください! さて、あなたはこんな悩みはありませんか? ・脊髄損傷者を担当したことがない
今回は第55回PT国家試験の午後:問題45を解説します。 今回は頸髄損傷者の呼吸障害についての問題です。頸髄損傷者であれば呼吸障害は必発します。それだけに非常に重要な知識となりますので、しっかりと学習していただけると臨床でも活かせるかと思います。では解説していきます。 まずは頸髄損傷者の呼吸障害の特徴を確認しましょう とその前に、健常者の肺気量分画を確認します👇 ここで確認しておいてもらいたいのが以下の4つです 全肺気量(TLC) 肺活量(VC) 予備呼気量(ERV
今回は第55回PT国家試験の午後:問題18を解説します。 今回は頸髄損傷の髄節とKey Muscleを問う問題です。 まずは復習をしましょう👇 Zancolli分類 ISNCSCIの上肢のキーマッスル ISNCSCIの下肢のキーマッスル 以上のKey Muscleを覚えていればなんとか解答できる問題ですね。 ではまず表を見ていきましょう! 表の上から順に 三角筋:C5 上腕二頭筋:C5 上腕三頭筋:C7 橈側手根屈筋:C6-7 長橈側手根伸筋:C6
今回は第55回PT国家試験の午前:問題66を解説します。 今回は排便についての問題です。問題文に随意的なと記載があるので見れば一発で分かる問題です。 まずは排便の神経機構について解説します。以前、排尿の神経機構について解説しました。リンクを貼りましたのでよろしければご覧ください。 排便の神経機構 排便反射中枢は排尿と同様にS2-4となります。 まず直腸まで来た便塊が直腸壁を伸展させます。伸展刺激は骨盤内臓神経(内臓求心性神経)によって仙髄排便反射中枢へと送られます。
今回は第55回PT国家試験の午前:問題14を解説します。 今回は変形性頚椎症の筋力低下の問題です。疾患は違いますが脊髄損傷の知識と同じですので頑張って解いてみてください。 この問題文からポイントとなる箇所ですが、「頸部伸展時に右手の母指にしびれが出現」のところです。 下の絵を見て見ましょう👇 これはISNCSCIのKey Sensory Pointsです。リンクを貼りましたので、こちらもぜひご確認ください。 この絵を見ると、右母指のしびれがあるとすると、おそらくC6
今回は第55回PT国家試験の午前:問題10を解説します。 今回は褥瘡についての問題です。 27歳男性のT5損傷。長時間のデスクワークで除圧機会が減っている。 デスクワークなので、もちろん「座位」ですよね。なので座位で圧が集中する場所を選びましょう! となると答えは3.仙骨部しかないわけです。 なので 答えは 3.仙骨部 となります では他の選択肢はどうか? 1.肩甲部 これは背臥位ですね。 2.膝窩部 膝窩部の褥瘡ってのはボクは見たことがないですね。敢え
今回は第47回PT国家試験の午後:問題72を解説します。 今回は呼吸筋に関する問題です。頸髄損傷者では呼吸機能障害は必発ですので必ず覚えておいた方が良いですね。 まずは呼吸に関わる筋肉を復習しましょう👇 この表を覚えておけば今回の問題は即答できます。つまり腹筋群が呼気に働くということさえ知っていれば良いのです。もちろん他の筋肉の作用も覚えておくほうが良いですよ。 と言うことで 正解は 1.腹横筋 でした せっかく呼吸の問題を取り上げましたので頸髄損傷者の呼吸機能に
今回は第47回PT国家試験の午後:問題63を解説します。 今回は感覚の伝導路である後索路について問う問題です。 ではまずは伝導路の復習をしましょう👇 青が脊髄を上行する感覚の伝導路で、脊髄視床路(前と外側)・後索路 赤が脊髄を下行する運動の伝導路で、皮質脊髄路(前と外側)です。 今回は後索路が問われてますので、後索路を確認します。後索路は深部感覚と触覚(識別型)の伝導路でしたね。 では選択肢を見ていきます。 1.部位覚障害 調べてみたんですが、どういう感覚なの
今回は第47回PT国家試験の午後:問題40を解説します。 今回は家屋改造についての問題です。 車椅子の寸法と車椅子が快適に動ける空間寸法の知識を押さえておきましょう。選択肢を見ながら解説していきます👇 1.ドアの開口部は90cmとする ドアの開口部が90cmが快適なのかは車椅子の横幅と実際に車椅子を漕ぐ時の上肢・手の幅を含めたトータルの幅を知っておく必要があります。 今回はOXのカタログからSX👇という車種を例に挙げてご説明します。 まずは寸法です👇 黄色で囲っ
今回は第47回PT国家試験の午後:問題38を解説します。 今回は機能残存レベルと到達可能ADLの組み合わせを問うよくある問題です。 では見ていきましょう! 1.C3:下顎による電動車椅子の操作 こちらは以前の問題でも解説したチンコントロールってやつですね。チンコントロールはC4レベル以上から適応とされます。 2.C7:自助具なしでの書字 上の表の②字を書くを見てみると、C8から完全自立となっています。グリップができないC7では書字をするには自助具が必要となります。
今回は第47回PT国家試験の午後:問題10・11を解説します。 まずは画像から見ていきましょう👇 右の図を見ていただくとお分かりいただけるかと思います。第1腰椎が潰れてますよね。と言うことで問題10は3.第1腰椎です。 では次は受傷3ヶ月後のMMTの結果を見ていきましょう👇 右の足関節背屈(L4):2/足関節底屈(S1):1/足指伸展(L5):1となっており足関節周りの筋力低下を認めます。 問題11はこのような症例にはどのような装具が適応となるかを問われてますので、
今回は第47回PT国家試験の午前:問題67を解説します。 まずは排尿反射と排尿に関わる3つの神経の復習をしましょう。 排尿反射 まず大事なのが排尿反射中枢の場所です。排尿反射中枢は第2-4仙髄(S2-4)にあります。これは必ず覚えておきましょう。国家試験の排尿に関する問題では頻発する知識となります。 次に排尿反射の流れをおさらいします。 まず①膀胱に尿が溜まると膀胱壁が伸展します。その刺激は②骨盤内臓神経(内臓求心性線維)によって仙髄排尿反射中枢へと伝えられます。③
今回は第47回PT国家試験の午前:問題40を解説します。 今回は自律神経過反射の問題ですね。以前にも同様の問題がありましたので、よろしければご覧ください👇 YouTubeはこちらです👇 https://youtu.be/rNQ6PTTTJjQ ■自律神経過反射の特徴的な症状 発作性高血圧 徐脈 頭痛 発汗 顔面紅潮 鳥肌 吐き気 etc がありましたね。 この時点で 4.低血圧を呈する 5.頻脈を呈する は選択肢から省けますね。自律神経過反射は発作生高血圧と徐脈
今回は第47回PT国家試験の午前:問題39を解説します。 以前にも同じような問題がありましたね。C5レベルの到達可能ADLを問う問題が多いですね。国家試験の出題傾向としては①C5レベルは到達可能ADL、②C6レベルは絵問題が言えるかも知れないです。ご参考になさってください。 では選択肢を見ていきます👇 ⭕️ 1.歯磨き C5Bのレベルから自助具を用いて歯磨きができそうですね。 ❌ 2.自己導尿 自己導尿は自助具を使ってもC5レベルでは難しそうです。 ❌ 3.起き
今回は第48回PT国家試験の午後:問題54を解説します。 今回は脊柱を取り巻く靭帯についての問題です。 最初に解剖学の復習をします。 まずは脊髄を取り巻く”膜”について👇 ”膜”は脳とも同じなので外側から硬膜➡︎くも膜➡︎軟膜でしたね。 次は脊柱を取り巻く”靭帯”についてです👇 このような構造になってましたね。 では問題文です 背部正中で「皮膚と脊髄くも膜下腔との間にある組織」はどれか? 先ほどの絵にまずは皮膚と脊髄くも膜下腔を書き入れていきます👇 このよ
今回は第48回PT国家試験の午後:問題35を解説します。 今回は頸髄損傷者の可動域の問題ですね。 最初に言っておきますが、基本的に頸髄損傷者は健常者に比べてあらゆる関節で広い可動域が必要となります。 では選択肢を見ていきましょう! 1.肘関節伸展位での肩関節伸展(*肩伸展の参考可動域:50°) はい、これ正解!って思ったんですが、これは正解ではありませんでした。なぜだ笑????? 日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の肩関節伸展の参考可動域は50°です👇