2021年1月の記事一覧
▲親友の死に→29話
克彦が死んだ日
僕は妻と芝居を見に出掛けた
訃報を受け取った時泣きじゃくっていた妻は
芝居に行く道の車の中では
明るく
芝居の粗筋など僕に聞かせたりした
妻が僕の気持ちをどう考えているのか
僕にはよく解らなかったが
話題に克彦をのせない妻にすべてをまかせたまま
芝居を観てそれなりに笑い
それなりに拍手などして
帰る車の中でも
流行の歌など聞きながら
お互い
克彦のことには
一言も触れずにしま
🟢あしたを見に行く:短歌→286話
月の地図リュックサックに押し込んで僕と「あした」を見に行かないか
二人で月を見上げながら、こんな言葉で愛をささやいてみる・・。
「プロポーズに使いたければ、1000円でこの歌を貸してあげる」
という馬鹿な冗談を授業で言ってみたのですが、何の反応もありませんでした。
当然とは思いますが・・。
第225話🟡(詩)100円ショップ
なんとなく寂しくなってしまった日には
百円ショップに行くといい
いかにもちゃちで
いかにも安物なんだが
圧倒的な物の数
ごちゃごちゃと賑やかに
いかにも楽しそうに並んでいる
ほうきや洗濯バサミ
ペットフードに文房具
鼻めがねとかパンツとか
茶碗、スプーン、手品の道具
お菓子におもちゃ、植木鉢・・
「おお、こんなものがあったのか」とか
「おお、こんなものが百円か」とか
そんな些細な感動に
思