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🟢なくしちまったこと:短歌


飛行機雲まっすぐに引く空があり なくしちまったことがいっぱい



空にまっすぐ尾を引く飛行機雲。

美しいものは悲しく、
まっすぐであることは寂しく感じられたりします。

空を見ると、
ふと、「あのころ」がよみがえり、
どこかに何か忘れ物をしてきてしまったように思うのです。


傘もなく濡れそぼちゆく少年の姿 なにかが妬くてならず


でもそれは、
「なくしてしまった」のではなく、ひょっとしたら、それ自体が「幻影」や「虚構」であったのではないか?
そんな疑念に突き当たらなければならない
寂しさなのかもしれません。



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