空を飛ぶ土竜

高校の教師をしています。人生を真剣に怠けることを日々に夢見ながら、定年退職後も現役を続けています。このnoteは、生徒に話す雑談メモ風に、自分が考えたこと、伝えたいことを気ままに書いています。よろしければお付き合いください。

空を飛ぶ土竜

高校の教師をしています。人生を真剣に怠けることを日々に夢見ながら、定年退職後も現役を続けています。このnoteは、生徒に話す雑談メモ風に、自分が考えたこと、伝えたいことを気ままに書いています。よろしければお付き合いください。

マガジン

  • 土竜のひとりごと

    エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。

  • 土竜のひとりごと:まとめ記事:カミさんに遺す僕の物語

    これまでに書き溜めたもの、このnoteの「土竜のひとりごと」に書いたものを2000字程度の文章に整理してここに集めてみたいと思います。

  • 短歌・詩・俳句

    短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。

  • わが家の拾い猫「レイ」

  • 高校国語の教材室

    受験生のための現代文・古典に関する教材(とりあえず私のブログへのインデックス)と、受験生へのメッセージを載せています。

最近の記事

秋の休日日記

期末テストのテスト週間で何にもない土日でした。 すっかり秋。 これは先日の写真ですが、富士山も雪化粧。 好天に恵まれ、いい休日でした。 二日間、一日中、庭仕事。 そんなに広い庭でもないのですが、木を切ったり、草を取ったり、野菜の面倒を見たり・・。 そんなわけで、ご迷惑でしょうが、以下、我が家の野菜たちの紹介です。 絹さやえんどう。 小かぶ。 ブロッコリー。 小松菜と両端はそら豆。 どういうわけかピーマンもまだ頑張っています。 あらん限りのスペースを使って頑張

    • おちこちぶらり①:太宰治とララ洋菓子店

      静岡県三島市 ララ洋菓子店と太宰治 太宰治は昭和9年夏のひと月を静岡県三島に滞在し、よくこの店を訪れ、レコードを楽しみながら、コーヒーを飲んだと言う。 下の写真は現在のもので、伊豆箱根鉄道の三島広小路駅を降りてすぐにある本店である。開業当時から場所は変わっていない。 (ララ洋菓子店は現在、三島の萩と駿東郡清水町に二つの支店がある。) ララ洋菓子店は昭和7年にカフェとしてオープン。 当時、2階が住居。1階12坪足らずの店舗で、「東側が売店であり、西側の喫茶店では、ボック

      • 第294話:エジプト旅行記

        前書きの前書き これは遥か昔(27歳の頃?)に書いた「新婚旅行記」です。データはすでに紛失していましたが、机の中に放置されていた原稿を発見し、スキャナーで起こしてみました。 甚だ私的なもので人様に読んでいただくものではないのですが、昨日カミさんとテレビを観ていたらエジプトの遺跡の発掘のドキュメンタリーをやっていて何だか懐かしく、「カミさんに遺す」というこのマガジンの主旨であれば、なくなってしまう前にここに載せておいてもいいかと思い、過去記事を置き換える形で、こっそりと忍ばせ

        • 第292話:富士山の初冠雪

          今週の11月7日木曜日に富士山に初冠雪の発表があった。 ニュースによると平年より36日、昨年より33日遅く、観測開始後130年で最も遅い初冠雪なのだそうだ。これまで最も遅かった初冠雪は10月26日だそうだから11月初旬までずれ込んだのは異例のこと。 富士山の初冠雪と言えば、3年前(2021)には9月7日に発表された初冠雪が取り消されたことがあった。 甲府観測所では富士山の初冠雪を富士山観測所の「日平均気温の最高値を観測した日以降に初めて冠雪を観測した日」としているそうで、

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        • 土竜のひとりごと
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          25本
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        記事

          お弁当と鬱の歌

          先週の金曜日のことでありました。 家に帰って弁当箱をカミさんに手渡そうとしてバックから出したとき、その重さに「オレは今日、昼飯を食べなかったんだ」と気づいたのであります。 教員にとって昼休みはあってなきようなものであって、以前にもそんなことはあったのですが、その日は別に何も忙しいこともなく、ただただ昼飯を食べなかったことに夜になって気づいたのでありました。 「お弁当を食べなかったみたい。ごめん」 と言うと、カミさんは 「忙しかったんだね」 と慰めてくれたのですが、 「い

          お弁当と鬱の歌

          第177話:身辺整理と僕とゴミと1円

          何年か前の暮れにどういうわけか突然にもう人生も残り少ないことを感じ、死んだ後にカミさんが困らぬよう身辺整理などしてみる気になった。 まず、棚の2、3段分を占めていたかつて担任したときの登板日誌や文集の類。 そんなものを処分するのは教員としてあるまじき行為ではないかと非難されそうだが、4年に一回開いてくれているあるクラスの同窓会に、思いついて持って行ったところ、すでに大人になっている彼らにとって、やんちゃだった高校時代の自分の書いたやんちゃな文章は耐えられなかったらしく、

          第177話:身辺整理と僕とゴミと1円

          第168話:捨てられないもの

          定時制に勤めていた時、生徒と話すのは新鮮だった。 僕の常識にはない新鮮な感覚を彼らが持っていたからである。荒くれから引きこもりまで彼らの生き方は千差万別、多種多様、波乱万丈に満ちていて、思わず「そんな生き方もあるのか」と思わされたことも少なくない。 例えばほんの一例、ある生徒がこんなことを言ったことがあった。彼は朝の5時から午後の4時まで、毎日コンビニのバイトをし、夕方から定時制に通ってくる生徒だったが、ゴミ箱に捨てられているゴミを片付ける時、ゴミを捨てる人の身勝手さに腹立

          第168話:捨てられないもの

          第291話:松井と大谷

          昔々の話であるが、昔は「巨人・大鵬・卵焼き」の時代。テレビでは毎晩のように巨人の試合が放映されていて、王とか長嶋とかの活躍を父親と一緒に観ていた。 別に巨人が好きなわけでもなかったが、テレビで中継されるのは巨人だったから、自然に巨人の選手は頭に入り何となく巨人ファンだった。 そうそう「巨人の星」がアニメで放映されて根性の時代だったせいもあった。 金にものを言わせて選手を集めてという時代を経て野球を観ることから離れたが、松井が出現してからまた火がついた。「スター」というのは

          第291話:松井と大谷

          第290話:今日を終わらせる

          PREMIUM MALT'Sを買って帰る日は なんにもしない  グーダラしたい これは戯れ歌に過ぎないが、一日の終わりに何か自分へのご褒美があるのは大事なことだと思う。「ああ、今日はもういい。終わりだ」って酔っ払って寝てしまうのは快感である。 僕らは直線的な時間を生きていると言われる。 今日は明日につながり、明日を追いかけ、明日に追われる。1ヶ月後にはあれがあり、来年はこれがある。 高校生ならば、明日提出しないといけない課題があり、数日後にはテストがあり、大学受験があ

          第290話:今日を終わらせる

          第293話:🟢秋とカミさんの誕生日:短歌

          いい季節になりました。 秋を擬人化した歌と秋の風景を集めてみました。 秋はいつか僕の隣に腰をかけ白く光を揺らしていたり 秋が奏でるヴィオラの音の寂しさに木々の葉は揺れるしかない これは八木重吉の詩ですが、平明な言葉、繊細でつぶやくように慎み深く、でも秋の清明な空気や美しさを見事に表現しています。 いい詩だなあと思い、趣向を真似て歌を作ってみました。 もう一首。 柿ひとつゆわんと熟るる青空を 頬杖をつき秋が見ている 昨日はカミさんの誕生日でした。 「一つ上の女房」

          第293話:🟢秋とカミさんの誕生日:短歌

          第288話:かわいい

          家の周りは田んぼと畑ばかりだからいろんな鳥がやってくるので庭の木陰に餌台を作って置いてみたことがあった。 最初はスズメがやってきた。時にはたくさん餌台にムクムクと群れてチュンチュンしている様子がかわいらしかった。メジロもやってきて木にとまりながらミカンを啄んだり、ムクドリがツガイで来たりもした。 休日に昼ご飯を食べながらカミさんとそんな様子を暫くほのぼのと楽しんだ。 ところが段々に来る鳥が大きくなる。 ムクドリがやってきて小鳥を追い払うようになり、餌台に餌がないとサッシの

          第288話:かわいい

          第169話:自分への信頼が崩壊する日

          最近、同じ職場の同僚を呼ぼうとしてその名が出てこないことが多くなった。 同僚にも親しい人もいれば、それほど親しくない人もいるのだが、同じ教科で、いつも話をしている人であるにもかかわらず、教材の打ち合わせやらテストの採点基準やら、ふっと相談しようとして声をかけようとして、よく知っているはずのその人の名前がどうしても浮かんでこない。その人を目の前にして、呼びかけようとして呼べないのである。 「うわー、この人誰だっけ」 と必死で記憶の糸を手繰っている自分が、まったくもって嘆かわしい

          第169話:自分への信頼が崩壊する日

          第147話:沈黙の艦隊

          僕は漫画が苦手である。 別に気取っているのではなく、漫画を読み出すと「文字」を読むのが面倒になって「絵」だけを追いかけてしまい、そのうちに話の内容が分からなくなってホッぽり出してしまう。 というわけで、僕が読み通した漫画は二つしかない。 ひとつは、井上雄彦の「スラムダンク」。 桜木花道の人間がおもしろい。たぐいまれな才能を持っているだけではない。欠点だらけで鈍くさく、バカみたいに努力する。何よりセリフが少ない。最終巻はほとんどセリフもなく展開していくが、涙が止まらないほど

          第147話:沈黙の艦隊

          第141話:人が山に登る理由

          僕がまだ学生の時、友人と飲んだくれて終電もなくなり、近くの後輩の下宿に転がり込もうとした夜のことだった。 近くといっても歩いて1時間以上もあったのだが、酔っ払っているから距離は気にならない。深夜、いい気持ちで歩いていると道端に大売り出しの大きな赤いノボリバタが立てかけてあった。見渡すが、近くに商店もない。 「こいつはいい」と僕はその赤いハタを担ぎながら、時々は振り回したりなどして気分良く歩いていたのであった。 すると、向こうから警察官が二人歩いて来て僕を見とがめ「何かね、

          第141話:人が山に登る理由

          第287話:🟢プロポーズ:短歌

          プロポーズの歌を作ってみた。 月の地図リュックサックに押し込んで僕と「あした」を見に行かないか 二人で月を見上げながら、こんな言葉で愛をささやいてみる。  「君たちがプロポーズに使いたければ、1000円でこの歌を貸してあげる」 という馬鹿な冗談を授業で言ってみたが、何の反応もなかった。 まあ、当然だろう・・。 もう一首。 悲しみの鞄をいつも持ち歩く こんな僕でもついてくるかい 本音かもしれない、でもカミさんには言わなかったプロポーズの歌。 でも、たぶん不幸にしてしま

          第287話:🟢プロポーズ:短歌

          第286話:エアコン

          この夏は酷暑だった。 僕が御殿場に越してきたのは26歳の時。もうかれこれ35年以上ここに住んでいることになる。 ここに越してきた頃は、御殿場は湿気が強く、梅雨の時期はよく霧が出て水の中にいるようだった。何でもカビてしまうような湿気と暑さに悩まされたが、それを過ぎると、日差しはそれなりに熱いが、空気は冷たく澄んで高原にいるような爽快さがあった。部活でテニスコートにいると鳥肌が立つことさえあった。 勤務は静岡だったり沼津だったり伊豆だったりして、それなりに昼間は下界?の暑さに

          第286話:エアコン