『発達性協調運動症(DCD)』とは? 〜不器用さを抱える子の理解と効果的な支援〜
「ボタンをとめるのが苦手」
「縄跳が苦手」
「文字の形を整えるのが苦手」
「ボールをキャッチしたり投げたりするのが苦手」
私の息子の例です…
『不器用さ』によって、日常生活に困難を示す子は5〜6%いると言われています。
書字や運動など『不器用さ』ゆえに、できないという経験を積み重ねてしまうと、自尊感情や学習意欲の低下に繋がってしまう場合があります。
発達性協調運動症(DCD)等により、運動や書字ができないのは
決して本人の努力不足・子育ての問題ではありません
今回は、
より多くの方に『不器用さ』を抱える子について理解してもらい、適切な支援を行うことで
子どもの困難を克服し、自信をつけることができるように
という願いを込めて書きました。ぜひ最後までご覧ください。
【参考文献】
発達性協調運動症(DCD)とは?
DCD診断の要件が以下のように示されています。
つまり、
①『不器用』さによって、日常生活に支障をきたしていて
② 他の疾患や障害では説明できない
状態のことを言います。
困難を示す行動の具体例
DCDの子どもたちは、以下のような行動において困難を示すことがあります
手書きの文字や絵の描画が難しく、不自然な筆跡や図が見られる。
ボールを投げたりキャッチしたりする運動が苦手で、スポーツや運動競技が難しい。
ボタンを留めたりジッパーを引っ張ったりする動作が遅れたり難しかったりする。
歩行中につまずいたり転倒したりすることが頻繁に起こる。
細かい作業や手先の動作が難しく、ボタンを留めるなどの日常の動作が困難なことがある。
グループでの活動やゲームで他の子どもたちとの協力や競争が難しく、孤立してしまうことがある。
器物を落とす、ぶつける、こぼすなど、身の回りの動作がコントロールできないことがある。
私の息子(6歳)👦 は、ほぼ全てに当てはまります…
では、どのような支援をすると良いのか、一緒に考えていきましょう。
家庭や学校でできる手立てや支援
全てに教育活動に共通することですが、
『環境の調整』と『能力を高めるトレーニング』
の両輪で支援を行うことが大切です。
環境の調整
〈家庭〉
クリアなスペース確保:家の中に動線を確保し、床に障害物を置かないようにする。(転ぶことにより、頻繁にケガをしてしまう場合)
アダプティブツールの利用: 食事や自己ケアの際には特別なフォークやスプーン、ボタンフックを、学習活動では本人に使いやすい文房具を使用して補助する。
運動エリアの設定: 家の中に運動エリアを設けて、ボール遊びやバランス練習を行うスペースを確保する。
『不器用』なお子さんにも使いやすい文房具については、こちらで紹介しています↓
〈園・学校〉
座席の配慮: 教室内での座席配置を調整して、個々の生徒が動きやすい場所を確保する。
ICT機器の活用: タブレットやラップトップを使った学習を導入し、筆記や読書の際の困難を軽減する。
運動療法のサポート: 特別な運動プログラムを提供することで、運動スキルの向上を支援します。
効果的なトレーニング
粘土遊び: 手指の運動能力を向上させるために粘土遊びを取り入れる。
パズル: 小さなピースをはめ込むことで集中力と細かな動作を養う。
風船キャッチ・風船バレー: 軽い風船を投げたりキャッチしたりすることで目と手の協調を促進する。
トレーニングを行うポイントは↓
『トレーニングをしよう!』
と意気込みすぎると乗ってこないことがあるので、
『一緒に遊ぼう♪』
というスタンスで、遊びを通して楽しみながら、結果的に運動能力や協調性を高めるトレーニングに繋げることが大切です。
まとめ
発達性協調運動症(DCD)は、日常生活に影響を及ぼす課題ですが、適切な支援によって克服できる可能性があります。
家庭や学校が連携し、環境調整と効果的なトレーニングを行うことで、子どもたちのできることを増やし、自信を高めていくことを大切にしたいですね。
ポイントは、遊びを通して楽しみながら行うことです。
もっと詳しく知りたい方は、ぜひ手にとってご一読ください📖
【参考文献】
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