足指は上げるべき。
足指はとても大事です!
足指の力の入れ方は全身に影響を与えます。
どうあるべきか?色々と検証してきましょう!
Ⅰ 足指は足止
足指は足の指です(笑) 漢字一文字で『趾(シ)』とも言います。足趾(そくし)。なかなか書かない字ですよね~。簡単な字なのに習わないし。まあ、使わないですからね(笑)
字の通りに「足」「止」なんです。足を止める場所が足の先端に付いています( ´_ゝ`)フーン ここからは足の指を「趾」と書かせてもらいます!
趾は大きく分けて3つの動かし方ができます。
皆さんは趾でジャンケンしたことありますか??下の図のような感じですね。
チョキの場合、逆(親指を曲げて他の4本の指は反る)もありますが今回はこのやり方で話を進めます。
Ⅱ 浮き指が嫌われる理由
まず、現在の日本人は『浮き指』を嫌います。浮き指は足の指が床に付いていない状態。
ジャンケンで言うとパーですね。でも子供も多くが浮き指だそうです。
違うサイトでは子供の8割は浮き指だ!というサイトもありました。浮き指を直す方法というのが沢山あります。なので世間的には浮指=悪という事です。しかしなぜ浮き指が嫌われるのか?何故ならそういう【理想】があったんです。浮世絵で以下のような絵があります。
日本人にとって趾を握れる事、グーに出来ることが理想だったのです。これは日本人の【腹(肚)の文化】とも深く関わりがあります。
今は細かい説明は避けますがざっくり言うとこの趾を握る力がないと腹(肚)ができないのです。だから趾は握るほうが推奨されるんです。
日本人は肚が据わっている(=落ち着いている)方が好かれますからね。
(因みに歌川国芳の浮世絵はほとんど趾を握っています。)
浮き指は悪なのか??
理想は趾がしっかりにぎれることだと上記しました。…しかし疑問にも思うんです。多くの人が浮指だとしたら浮き指って別に悪くないのでは??とも…。
誰に習ったわけでもなく(もちろん親などの影響を受けてますが)そういう姿勢になってしまうのは、その方が本人が楽だからです。見た目の話ではなく本人は自然な方を選びます。
という事で浮き指は悪なのか?何がいけないのか?ということです。実際、現実問題として生きて動いている身体的にダメな明確な理由がよく分からないのです。
ざっくりまとめると「3か所で支えるのが2か所になるからダメ」だそうです。たしかに物体的に見たら2か所より3ヵ所の方が重さは分散されます。それが原因で腰痛や肩こり、膝痛、肥満などの原因になるとかならないとか。。。
たしかに浮き指を直したら不調が治ったという人は多くいます。しかしどこがどういう原因で浮き指なのか?どの程度のものなのか?浮き指を直しても不調が治らなかった人は?など疑問が浮かんできます。
実は浮き指は一概にダメとは言えないのです。なぜなら多くの人が浮き指だからです。浮き指の人が全体の一割、二割なら話は分かります。しかし【Ⅰ 足指は足止】項でも述べたようにその割合があまりに多すぎるんです。
昔は下駄、草履(ぞうり)、草鞋(わらじ)など鼻緒が付いている履物が主流でした。靴(沓 くつ)は皇族などのごく一部の限られた人のみが履いていました。これを浅沓(あさくつ)と言います。
浅沓以外にも上記のように靴にも色々と種類があります。そして多くの靴の爪先を見てください。反っているんです。これって私たちが普通に履く靴(特にスニーカー系)も学校の上履きも皆、爪先は反っているんです。
これって浮き指ですよね?浮き指を反対しておいて身の回りの履物は浮き指を推奨しているのです。これって矛盾していますよね?
Ⅲ 安定(グー)と不安定(パーとチョキ)
結論から書くと握り趾(グー)は安定を生み、浮き指(パーやチョキ)は不安定を生みます。そして多くの人が大事なことを見落としていますが人は動いています。そうすると安定と不安定をうまく使い分ける必要があるのです。
ここで勘違いしないでほしいのは不安定=ダメではないという事です。
「立つだけ」だったら足裏の面積は大きい方が安定をするとは思います。しかし『動く』となると面積は狭い方が動きやすくなります。
安定すると緊張感がなくなります。
不安定だと緊張感が漲ります。
因みに浮世絵でも浮き指のものは多く存在します。
浮世絵はデフォルメしてる
念のための補足ですが、よく「絵なんて参考にならないよ」という人もいます。たしかに浮世絵も大和絵も西洋絵画のようなリアルでは書かれていません。しかしだからこそ裏を返せばだからこそ理想が描かれる場合も多いんですよね。
葛飾北斎の富士山だって本来はあんな急勾配じゃないですし、人の首の曲がり方とかもちょっとありえない!(笑)
でもだからからって全てを否定はできません。構図を含め「こういう形がいいなぁ、、、」「こっちがかっこいいなぁ、、、」と憧れがかなり入っているからその中に「こうあるべきである」という理想像が入ってます。
モデルとかタレント、俳優とかと一緒でしょうね。「現実とは違うって分かってるけど、こうだとかっこいいよね~…」っていつの時代も変わらないもんですから。
このデフォルメに関しては後の項で明記します。
Ⅳ 足の指はどうするのが良いのか?
握ることは結局のところ「No」でも「Yes」でもあります。目的によって使い分けることが大事ですね。
・動く時は足指は反った方が(背屈)した方が良い。
・動かなくていい時は握った方がいい。
でもこれは足裏のどこに重心をかけるかにもよって変わってきます。そして膝の感覚にもよって変わります。色々な繋がりがあるので一概には言えない部分もあります。
足の指は膝と大きく関わっていてそこから大腰筋・横隔膜へとエネルギーのルートが流れいます。裏を返せば大腰筋・横隔膜の使い方が足指の方向性の鍵を握っているとも言えます。
不安定と反る足指
動く時は反った方が良い!と上記しました。多くの人は足の指は握る方が良いと思っています。何故なら「浮き指は良くない」と習ってきたからです。
やられたらすぐにやり返す。これっていわゆる腹(肚)の据わっていない事ですよね?なのでこれは安定とは真逆の不安定の世界。不安定だからこそ安定させようという力が瞬時に働くとも言えます。
動く時は不安定な方が速いのです。足の裏の面積が狭ければ不安定さは増します。自転車も同じですね。タイヤが太ければ安定はしますが漕ぐのは大変になります。
時代と不安定
時代を背景にその安定・不安定という事を見ていこうと思います。平安時代はとても喧嘩っ早かったそうです。居酒屋とかでのちょっとしたいざこざがあっという間に殺し合いに!なんてことも頻繁にあったそうな…日本にもそういう時代もあったんです。実は戦うの大好きでした。
下の図は『春日権現験記』という鎌倉時代の絵巻物。
全員が足指反ってます。。
死んでる人も足指が反っています。もちろん指が反っていない人もいますけど…
そして少し時代は流れますが攻撃的な体勢は変わりません。どの国もそういう時代があるんです。
今では銃刀法のある我が日本が…(笑)
この状態だったら豊臣秀吉も刀狩をしますよね。治める方からしたら、こんな輩に銃や刀なんて持たせたくないです。
宮本武蔵
宮本武蔵は『五輪の書』で
と言っています。現代語訳すると…
爪先を少し浮かせろ、と言っています。
宮本武蔵は1582年?に生まれ1645年に亡くなっています。まさに江戸時代が始まった頃の剣豪です。
自筆と伝えられる肖像画ですが趾よりも指の腹(指の付け根の膨らんだところ)が地面に近いように書かれています。
江戸時代
戦乱の時代が終わり天下統一され江戸時代が始まると『戦う』ということあまり必要とされなくなりました。武士は有事に備えてに武芸は習っていました。しかし戦う事が重要でなくなってきた時代に、あからさまに『戦う姿勢』を見せていたらそれはそれで大変です。
よく「斬り捨て御免!」なんて侍は気に入らない庶民をバッサバッサと切っていたと思われがちですが、実際にはそんなことしなかったらしいですね。そんなことしたら刑罰もんです。だからあまり揉め事には巻き込まれたくなかった侍も多かったそうです。
『仇討ち』(敵討ち)とかも「親のかたきじゃ~~!!エイッ!!」とかそういうシーンがあるとなんか「かっこいい!!」とか思っちゃいますけど本当は『仇討ち』にもルールがあったらしくて、そもそも『届け出』をしなければいけなかったそうです。
なので江戸時代にはいつの間にか喧嘩をしないことが理想になっていきました。もちろん平穏が良いんです。いつの時代も面倒事には巻き込まれたくないんですよ。
Ⅴ 安定と握る足指
争わないように、動かないように、と体を安定させる必要がありました。
趾を握ることは安定を生みます。足の裏の面積が増えている、支える部分が大きければ物体としては落ち着きます。これは安定の世界。
安定している=肚が据わっているということなのです。物事に動じず驚かない。みんな大好き「丹田」の世界(丹田にも種類があります。)で臍下丹田ってやつです。
なので日本人は足の指を握れることを美徳とするんです。
「これができないヤツは肚が据わってない」ってことなんです。日本人も肚が据わるようになったのは江戸時代ぐらいからですが、、、その前の時代があまりにも喧嘩っ早かったからでしょう。
でもこれはアクティブなことではありません。動かない体が理想の世界です。
その違い(成り立ち)を知らないと体を壊すんです。ブレーキかけたまま自転車を漕いでいたら自転車も漕いでる本人も大変な事になりますよね?
これは足指のどの指を反るか?どの指を握るか?も大事になってきます(^^♪
Ⅵ チョキ&パーの効用
グーは安定
チョキ&パーは不安定
基本的にアクションする時は安定していると動きは遅くなります。
なのでアクションする時はチョキやパーの形が理想です。
基本的に多くの競技、スポーツ、パフォーマンスはチョキ(或いはパー)の方が有利です。
黒田鉄山
https://www.youtube.com/embed/uAq9CK3Kp9A?rel=0
黒田鉄山という武術家の方がいます。その歩く時に親指が少し反っています。もちろん全部が全部がそうではないのですが。
金剛力士像
浅草寺の金剛力士像。【吽形】
吽形の足指は親指が反ってます。
阿形
阿形は握った、というか力強いですが何もしていない足指です。補足ですが…浅草寺の阿形と吽形の作者が違います。
作った人とかの身体感覚も大事なんですよね。
その人の体の感覚がそのまま反映される場合が多いんです。
因みに東大寺の金剛力士像
これも浅草寺と少し違いますが吽形の足指が反っています。阿形は、、ちょっと踏み締めているかな?何にせよ吽形とは明らかに違いますね。
この足の指の違いは恐らく『あ』と発音するか『う(うん)』と発音するかの違いでしょうね。
この発音の違いが体にとても影響を与えます。だから脇の閉じ方や肋骨の感覚も違ってきます。でもそうじゃない金剛力士もありますので一概には言えませんね。
葛飾北斎
次は葛飾北斎の絵から趾を見てみましょう。
分かり難いかもしれませんが親指が軽く反っていてチョキに近い形をしています。もちろんデフォルメしている部分もあったと思います。
しかし葛飾北斎は物を見る天才でもありました。
以下のサイトでは葛飾北斎が書いた『波の絵』の軌跡を辿ることができます。
https://mag.japaaan.com/archives/62662
波が見えていた葛飾北斎。その人が書いた身体描写が浮世絵になっています。
塩田剛三
黒田鉄山氏も取り上げましたが、合気道と言えば塩田剛三氏ですね。
『合気道の神様』と言われたお方です。
上記のように塩田剛三さんは仰られています。「ほほぅ…親指を…」と思いますよね~。しかも『床にかませます』なんて書いてある。だから普通は「よし!握るんだな!」と思うわけです。
しかし実際の映像を見たら…
これって握ってるの?って思っちゃいます。逆に力んでいないように見えますが… まぁ映像を切り抜いただけなので(笑) しかしどの映像を見ても掴んでいるようには見えないシーンがほとんどです。
何れにせよ足の指の強固さというものは大事なんです。
Ⅶ 骨の話
足の指の意識
握るか反るか、という話題とは少し脱線しますが…
足の指の意識って意外と難しいんです。
「え?指を反ればいいだけなんじゃないの?」って思うかもしれません。確かに半分正解、半分不正解。それは『指の始まりの感覚』というのが人によって違うからです。
多くの人が足の指は短いと思っていますが足の指の骨を見たら…
「え?意外と足の指って長いなぁ…?!」
と思うのではないでしょうか?そういう認識が出来るか、出来ないかで体の使い方は大きく変わります。『中足骨の意識』っていうのが大事になります。実はこれがもの凄く大事なんです。そう思っているだけで立ち姿が変わります。強さも変わります。
因みに同じような構造をした『手』でその違いを見てみましょう!
中の骨を意識する
足は『中足骨』ですが、手は『中手骨』になります。
この『中の骨』の意識の帰るだけでも体は強くなります。
https://www.youtube.com/watch?v=BQOyqXsi3Kc
1'00ぐらいの場面で手を握るシーンがあります。その握る場所の違いだけで体は強くなります。(握り方は色々とあります…)分かってくれば握っていなくても意識をするだけで同等の体になります。ツボで言うと『労宮(ろうきゅう)』という場所です。
https://www.wakasa.jp/articles/entry/he_26からの画像
同じく足にも『湧泉(ゆうせん)』というツボがあります。
https://www.sennenq.co.jp/knowledge/tubo13.htmlからの画像
手の指と同じように始点が大事になります。なので反るにしても(握るにしてもそうですが)始点を意識すること。それが大事です。しかし意識することが一番大変なんですけどね…
因みに裸足の部族でも外反母趾にはなります。靴が原因というよりもそういう体の使い方の原因があるんです。
Ⅷ 足の指はブレーキである
地形の力~草鞋と脚絆~
一番最初の話に戻ります。
足の指は「趾」と書くのでブレーキの役割をしています。
なので足の指に握る力が入ると勝手にブレーキが体にかかります。
日本の場合は坂道が多く実はこれが趾の使い方に大きく関わっています。
圧倒的に平野が少ないんです。
でも「趾」に力を入れてブレーキをかけたまま歩くとなるととても大変。
そこで草鞋であったり、脚絆であったり趾に力が入り難いような物を身に付けるのが昔からの習わしでした。
草鞋は草履とは違い紐で足首まで巻き付けます。
脚絆とはざっくり書くと脹脛に巻き付ける布です。平安時代には脛巾と呼ばれていました。
近年ではもちろん草鞋も脚絆も使いませんね。
そうなると体のバランスは大きく変わってしまいます。
昔の人が築き上げた知恵がなくなってしまうと体は大きく変化します。
実は食べ物の変化よりもこのような変化が身体にとってはダメージになる気がします。
嘆いていても仕方ないのですが(笑)
なので身の回りの物に頼らず「どのようにに使うか?」というのが大事になってきます。
Ⅸ 踵を鍛える
弥生人の足
趾を反らせる力を付けるには踵が大事です。
日本には弥生人の足跡というものが残っています。
踵がとてもシャープでしっかりしています。
今よりも圧倒的に身体を使う機会が多かった時の足跡。
では実際に足や踵を負担なく鍛えるにはどうしたらいいのか?
踵歩き
答えは踵歩きをする!です。
たまに他のサイトでも紹介されていますがここでやって欲しい踵歩きの特徴は…
1、踵だけで歩く
2、膝を極力曲げない
3、股関節は外旋させる
ということに気を付けてください。
踵だけで歩くと脛が痛くなってしまう方もいると思います。
それは「衰え」です。
本当に大事な筋肉はないといけません。
でも本当に必要な筋肉は意外と早く付いてくれます。
「2、膝を極力曲げない」というのは強制的に股関節より上を使う事になります。
「3、股関節は外旋させる」というのは上半身、肩甲骨に大きく影響を及ぼします。
これだけでも体の中の筋トレになります。
そして勝手に姿勢が良くなり、パフォーマンス力もアップします。
自らの足の力で身体を強くしなやかに!
SokuRyoku lab
石川雄蔵
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