AI_未来

李開復《AI・未来》ー本書の背景「オススメ中国本002期」

著者の李開復について

1961年12月3日台湾に生まれる。1983年コロンビア大学のコンピューター学科を卒業、1988年カーネギーメロン大学の博士課程を卒業し、当年《プルームバーグ ビジネスウィーク》の“最重要科学創新賞”を受賞した。

1990年代、アップルのインタラクティブマルチメディア部門に入社し、ApplePinyinのプロジェクトを担当した。その後SGI社とCosmo社の社長としてそれぞれネットワーク3D画像、マルチメディアなどのソフトウェアを開発していた。

1998年7月、マイクロソフトに入社し、中国にマイクロソフト研究所を設立した。2000年にナチュラルインタラクティブソフトウェア部門の副社長に就任した。

2005年7月19日、グーグルは中国にソフトウェア開発センターを設立し、グーグルグローバル地域の副社長とグーグル中華圏社長を務めた。

2009年9月7日、“創新工場”の投資会社を設立した。ビジョンは、“若い人を手伝うことができる投資会社”。

2013年9月5日、癌のため治療を受け、2015年3月7日に復帰。“創新工場”に戻り仕事を再開する。

李開復とAI

李開復は学生時代AIを研究し、博士課程の研究テーマもAIに関することであった。また、卒業後はアップル、マイクロソフト、グーグルのアメリカ大手IT会社の重要なポジションで実際に研究した。中国においてAIの領域で李開復の右に出る者はあまりいないと思う。

またAIの研究は、現在世界ではとくにアメリカと中国の多くの研究家と会社が参加しており、技術を進化させていると共に、実際にビジネスまで応用している。

このようなAIを応用している時代において李開復の考え方はAIに興味にある方にとってとても参考になると思うので、今日はそれを紹介したい。

《AI・未来》について

多くの人はAI時代が近づいていることに気づいていると思う。自分の仕事を近い将来にAIマシンに取られて、リストラに遭うという心配はないのだろうか?

著者は斬新な発想で未来を予測し、この問題の解決策を提示している。

その解決策を知る前に、まずは、AIの現状をもう一回見てみよう。

AIの現在は?

ご存知の通り、AIはアメリカからの“古い技術”であり、最近20年でAIのある技術(深度学習)によって急に画期的に進化していた。

アメリカのIT企業たちはその技術を生かして中国人に恥をかかせた事件も起こしたこともある。でも、その事件のおかげで中国のAI事業はかなり進化している。

AIをうまく利用するためには“計算力、計算ロジック、ビッグデータ”の三大要素が必要である。

計算力はマシンなのでお金さえあればどの国でも簡単に手に入る。でも、それ以外に、アメリカの強みは計算ロジック、中国はビッグデータ。僕たちが知らないうちに、応用AIはすでにアメリカと中国の社会に少し浸透している。

優秀な企業はAI技術を生かしてビジネスをしていると同時に、将来AIから人間の仕事に影響が出る時にどうしたらいいかという研究も進んでいるが、なかなかベストの解決案がない状態である。

アメリカと中国の応用AIがビジネスまで進化した理由は、やはり、AI時代の“Sputnik時刻”がきっかけだ。“Sputnik時刻”とは何か、次回から見ていく。

北京の「Sputnik時刻」

つづく


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