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テレビの裏側

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テレビ制作・テレビ宣伝の裏側・思い出を綴ります。
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#上岡龍太郎

奇跡の芸人・マルセ太郎

奇跡の芸人・マルセ太郎



「タモリ、ビートたけしは『文明』だ。マルセ太郎は『文化』だ」と言ったのは、落語界の重鎮・立川談志。


「マルセ太郎が売れないのは『お笑いの芥川賞』で、『直木賞』じゃないからだ」と言ったのは、芸人・書評家の内藤陳。

これらの言葉をマルセ太郎(以下、敬称略)自身も気に入っていた。

「EXテレビ」お通夜

「EXテレビ」お通夜

「EXテレビosaka」で「お通夜」という番組をやった。数少ない僕の企画である。

元々の企画の発想のスタートは2つ。

1つは、黒澤明監督の映画「生きる」である。

この映画は確か志村喬扮する主人公の「胃のレントゲン写真」にナレーションが被り、続いて「主人公のお通夜」で市の職員たちがお酒を呑み、大騒ぎしているシーンに繋がったと思う。

そこから、「主人公が生きていた時の回想」が始まる。

2つ目

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元赤軍派議長・塩見孝也

元赤軍派議長・塩見孝也

僕は構成作家の疋田哲夫さんと東京・高田馬場にある塩見孝也(1941〜2017)さんの事務所に向かっていた。(以下、全て敬称略)


塩見孝也、元・共産同赤軍派議長。テロリスト。「日本のレーニン」と呼ばれる。


1970年3月逮捕、その半月後に起こった「よど号事件」他で起訴される。

入獄。


1989年、約20年の刑期を終え、府中刑務所から満期出所。

つまり、あの「赤軍派」を作った人と

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EXテレビosaka 棺桶トーク

EXテレビosaka 棺桶トーク

「今までのテレビをぶっ壊す」がコンセプトの「EXテレビosaka」のディレクターをやっていた事がある。

火曜日深夜の生放送中に「放送を終了していて、視聴率0%のNHK教育テレビにチャンネルを合わてみよう」と視聴者に呼びかけた。翌週、「NHK教育テレビの視聴率が0%から上がった事」を検証する企画は話題を呼んだ。

僕は朝ドラから異動して来て、木曜日を担当した。

木曜日は生放送ではなく収録。これも

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今のテレビの中の「笑い」とは❓

今のテレビの中の「笑い」とは❓

放送作家の疋田哲夫さんとは「EXテレビ」で「棺桶トーク」を一緒にやったが、「笑い」は「風刺」であるという意見には大賛成だ‼️

数日前、TBSで「8時だヨ!全員集合」の「ベストコント集」を放送していたが、「令和の子どもたち」も大笑いしていた。

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EXテレビosaka 最終回

EXテレビosaka 最終回

1994年3月「EXテレビosaka」は最終回を迎えた。

「火曜日」が生放送、「木曜日」が収録だった「EXテレビosaka」。

「木曜日」の「最終回」の収録が先で、「火曜日」の生放送が「上岡龍太郎さん」最後の出演となった。

「火曜日」は「EXテレビosaka 火曜」で放送して来た「様々な斬新な企画、他のテレビ局買いませんか❓」という番組を生放送。

この番組で買われた企画が今でも放送中のテレ

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上岡龍太郎さんがキレた‼️

上岡龍太郎さんが逝った。僕は上岡さんは「不老不死」だと勝手に思っていた。

58歳で芸能界を引退されてから81歳で亡くなるまで公言されていた通り、横山ノックさんの告別式など数少ない機会を除いて、公の場に出られる事は無かった。

「親族だけの密葬」で済ませ、「お別れの会」も開かないというのも上岡さんらしい。

僕は30年程前、「EXテレビosaka」で2年間、上岡龍太郎さんと仕事をした。

それまで

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EXテレビosaka 最終回

1994年3月31日(木)、「EXテレビosaka」は終わった。

実は、この日の放送は事前に収録したもの。

本当の最後は、3月29日(火)の「生放送」だった。内容は、「EXテレビosaka」の火曜日でやって来た様々な企画を買いませんか?というもの。

ここから生まれたのが、今もテレビ東京で放送している「開運!なんでも鑑定団」である。

僕は3月31日の「EXテレビosaka」の最終回のディレク

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花紀京さんとかしまし娘・正司花江さん

「花紀京兄さんは怒ってまへんか?」

間寛平さんは御自身で運転して来た車から飛び降りて来て、僕にそう言った。

大阪京橋・読売テレビ本社前での会話。

間寛平さんの入りが遅いので、僕は心配して待っていたのだ。

花紀京さんは、「吉本新喜劇」の「天皇」と称され、怖しい存在でもあり、尊敬される存在でもあった。

花紀京さんに「ギャグ」は無い。

いつもの「ニッカボッカ姿」で舞台に登場し、その「存在感」

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マルセ太郎さん

芸人・マルセ太郎さんが好きだった。あの落語家・立川談志に、「ビートたけしは文明だ。マルセ太郎は文化だ」と言わせた芸人。その事を「EXテレビ」の会議で話すと、やってみろという事になった。確たる自信がある訳では無かったが、企画は既に走り出していた。

マルセさんの神戸公演の後、時間をもらった。鮨屋のカウンターで横並びに座り、番組の企画を説明。すると、マルセさんは言った。「俺の芸はテレビの短い時間では表

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EXテレビ「国際反戦デー」

日本映画の名カメラマン、宮島義勇が監督した「怒りをうたえ」。70年安保闘争を題材にした5時間に及ぶ記録映画である。

この映画を使って、「EXテレビ」を作ろうという企画が出た。

キャスティングしたのは、映画監督の大島渚さん、作家の野坂昭如さん、脚本家の佐々木守さん(「ウルトラマン」「ウルトラセブン」等の脚本)、元赤軍派議長の塩見孝也さん、作家の小田実さん、そして、シンガーソングライターの高田渡さ

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EXテレビ「棺桶トーク」

「今までのテレビをぶっ壊す」がコンセプトの「EXテレビosaka」のディレクターをやっていた事がある。

火曜日深夜の生放送中に「放送を終了していて、視聴率0%のNHK教育テレビにチャンネルを合わてみよう」と視聴者に呼びかけた。翌週、「NHK教育テレビの視聴率が0%から上がった事」を検証する企画は話題を呼んだ。

僕は朝ドラから異動して来て、木曜日を担当した。木曜日は生放送ではなく収録。これも「1

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上岡龍太郎さんが言っていた‼️本を読もう‼️

僕は本が好きだ。小学生の頃は転校生でいじめられていたから、「本の世界」に逃げ込んでいた。中学高校の頃は、往復2時間、電車通学する時間を読書に当てた。

小説を中心に様々な分野の本を読んだ。年間100冊に達していただろうか。10冊読んで、当たりは1〜2冊と言ったところ。
当たったら、その作家の他の作品を手当たり次第に読んだ。

吉川英治、司馬遼太郎、北杜夫、畑正憲、筒井康隆、エラリー・クィーン、都筑

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