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元赤軍派議長・塩見孝也
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僕は構成作家の疋田哲夫さんと東京・高田馬場にある塩見孝也(1941〜2017)さんの事務所に向かっていた。(以下、全て敬称略)
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塩見孝也、元・共産同赤軍派議長。テロリスト。「日本のレーニン」と呼ばれる。
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1970年3月逮捕、その半月後に起こった「よど号事件」他で起訴される。
入獄。
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1989年、約20年の刑期を終え、府中刑務所から満期出所。
つまり、あの「赤軍派」を作った人と言えば分かりやすいかも知れない。
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「EXテレビosaka」で「全共闘」をテーマにするにあたり、ゲストの1人として、出演交渉に行ったのだ。
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塩見は高田馬場の事務所で、僕と構成作家の疋田さんに「アジ(アジテーション)口調」で延々と話し続けた。
「アジ」とは「自分の唱える『主義主張』を大勢の人々を巻き込む形の喋り方」。
僕は20年間刑務所に入っていて、懲りもせず、「アジ口調」で僕らに「赤軍派の主義主張」について話し続ける塩見に大きな違和感を感じていたし、ウンザリもしていた。
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他のキャスティングは作家で「ベトナムに平和を!市民連合」(べ平連)を結成した小田実(おだまこと)(1932〜2007)。
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作家の野坂昭如(1930〜2015)。
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「自衛隊に入ろう」を歌ったシンガーソングライターの高田渡(1949〜2005)。
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脚本家の佐々木守(1936〜2006)。
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司会は上岡龍太郎(1942〜2023)
この番組の放送日は10月21日、「国際反戦デー」。
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今は全く見られなくなった、学生たちの政治へ向けたパワー。「平和ボケ」していると言われる日本人。
https://youtube.com/watch?v=jp21T6Yx1qQ&si=_0Fn-pLsHVtmG1J9
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ベトナム戦争後も地球上では悲惨な戦争はあとを絶たない。
1960年代後半から1970年にかけての日本人の政治に対するパワーは何だったのか?
そして、今の日本はこれからどの方向に向かって進んで行くのか?
ゲスト5人と上岡龍太郎でのトークが展開される。
1本分の放送予定だったのが、話が白熱しすぎて、1時間半を超えて、南中プロデューサーが慌てて、サブに飛んで来て、急遽2本分という事になった。
30年以上前に放送された「EXテレビosaka」という番組の事を書いていると、今の日本にも置き換えられる事が多々あって、ある意味ゾッとする。
番組本編で話された内容の大半は忘れてしまったが、未だに忘れられないエピソードがある。
一つ目は、小田実に出演交渉の電話をした時の事。
僕が自分の事を紹介して、番組内容を説明しようとしたところ、小田実が大声で怒った。
「番組出演を依頼するなら、まずギャラの額を提示するのが常識だろう!失礼も極まりない!」
小田が長く生活をしていたアメリカではそれが常識だと言う。
小田実が書いた旅行記「何でも見てやろう」に感銘を受けていた僕には、小田の現実的なキャラクターを知り、ある意味、ショックだった。
でも、人によって、価値観は違うのだから仕方が無い。
もう一つは、本番中、塩見孝也が「アジ口調」で「赤軍派」を肯定する事を言い始めた時、野坂昭如が強い口調で遮った。
「アナタは赤軍派が何をしたか認識していますか?それを一度も総括していない。総括を世の中に提示しないうちは、塩見さん、アナタに発言する権利など無い!」と。
痛快だった。野坂の言っている事が正しい。塩見は返す言葉も無く黙ってしまった。
塩見孝也は66歳になり、「老齢」を感じるまで、自らの組織からのカンパを生活費に充てていた。
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しかし、東京都清瀬市シルバー人材センターの紹介により、時給950円で清瀬市所有の駐車場のガードマンになる。
仕事が無かったのだろう。
「66歳にして労働の意義を知る」と公に発言。
体制側に付いたとの批判を浴びた。
そして76歳で、その生涯をひっそり閉じる。
「EXテレビosaka」、こんな番組が作れる環境があった事は「テレビ界」にとって、本当に素晴らしい事だと思う。
「今の日本を考える」
そんなテーマで、今、「テレビ番組」を作れないものか?
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日本から見たウクライナや北朝鮮では無く、ウクライナや北朝鮮から見た「日本」という地球上の特殊な国を。