内藤礼「生まれておいで 生きておいで」が怖かった
内藤さんの作品への違和感について、考えてみたいと思う。色々と気になるポイントはあるのだけれど、まず一つは、歴史に対する考え方が自分とは違うのだろうと感じた。たとえば縄文土器を扱うにしても、内藤さんはその文脈を全て剥ぎ取って、自分の作品の一部に取り込んでしまう。土器が土器でありながら、その多様な側面や歴史を含んだまま作品の一部を形成しているのではなくて、完全に内藤さんの「作品」に収斂してしまう。ここで縄文土器は、布やガラスと完全に同一化している。それこそが内藤さんの作品らしさ、