"「書く力」の教室"は「書く力」版"嫌われる勇気”でした
最近、読みたい本が渋滞して困っている。
そのなかでも、優先的に読んだ本。
というのも、「読みたいことを、書けば良い。」
以来、田中泰延さんの文章が、楽しくて。
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本書を読み進めて行く中で、この部分にドキッとした。
なぜなら「以前の記事」の中で、こう書いたからだ。
「憶測」だと明言しているので、
「ぎりぎりセーフ」だと願うばかりである。
ライターを目指す方「以外」にもおすすめ
過去の記事でも本書には触れたが、
「書く力」にとどまらず、大事なことが詰まった一冊だった。
どういうことかというと、
本書は、名前通り「書くこと」「ライターの仕事」について、具体的かつ実践的に教えてくれる。
一方で、一般的な「仕事に対する姿勢」や、
人とのコミュニケーションにおける「心の配り方」の要素も多分に含まれているため、
対象者はライターを目指す方に限らない、と感じた。
”「書く力」の教室"と"嫌われる勇気"の共通点
読了後、本から得た学びを振り返っている中で、
ふとキャッチコピー的なものが思い浮かんだ。
「嫌われる勇気」といえば、刊行10年を超えているにも関わらず、今でもAmazonの検索上位に出てくるほどのベスト&ロングセラー。
「アドラー心理学」がスッと理解できて、
しかも勇気をくれる本。
私が勝手に2つの本を並べてしまうのは、ナンセンスかもしれない。
ただ、田中泰延さんと古賀史建さんは、
お知り合いのようなので問題ないと信じたい。
…
"「書く力」の教室"と"嫌われる勇気"の
わかりやすい共通点は「対話形式で読みやすい」こと。
「田中泰延さん、関西弁なんだ〜。どおりで面白いわけだ(偏見)」と思った。
そして、なによりここで言いたいのは、
どちらも「承認欲求」を否定していたことだ。(と解釈した)
最も大事な心構え
「書く力」の教室の中で、田中泰延さんは
「対象に誠実に向き合い、素直に書くこと」が最も大事だと仰っている。
こう書くと、一見当たり前のように感じるかもしれないが、
「誠実に向き合い、素直に書く」のが一番むずかしい。
理由は2つある。
1つは、素直に書くというのは、ある意味
「ごまかしが効かない」ということだから。
究極に素直に書いても面白い文章というのは、書き手が「心から面白い」と思うまで準備をしないと成立しない。
もう1つは「人からよく見られたいという気持ち」が邪魔をするから。
他人の目線を気にして、無駄に言葉をこねくり回したり、思っていもないことを書いても、読者には響かない。
上記をまとめたのが、この部分だと思った。
書く仕事は大変。だけど、その分楽しい。
書くのはしんどい側面も多い。
本書なんて、実際に1年間かけて
田中泰延さんが、ライター志望の直塚大成さんに「書く力」を教える過程がまとめている。
これだけの「準備」を行う姿勢からも、書くことの大変さが分かる。
しかし、大変さの分だけ、楽しさも伝わってきた。
幸福は「マイナスとプラスの”絶対値”の総量」だと聞いたことがある。
そういうことかもしれない。
少なくとも私は、読了後に
「書く仕事」って楽しそうだな…と思っていた。
最後に、感想
今回、教え子であった直塚大成さんの最終課題の文章(豆腐と納豆)が、まるで専門家のような情報量なのに、とっても頭に入りやすくて、驚いた。
実は、平均よりも豆腐と納豆を消費している自負があるので、
「この課題なら、私にも書けるかな」なんて思ったが、とても叶う気がしない(笑)
田中泰延さんに、気になったことを
すごく素直に質問されている様子も印象的だった。