相続を学ぶ【終活】Ⅱ
【相続】に関するおハナシの続きです。
以下、今回のテーマと重なるところもあり
ふたつお読みいただいて初めて
学習完了です。
あわせてお読みください。
ご自身の人生のなかで
獲得してきたすべてのものを
自分がいなくなった世界に
引き継いでいくこと
それが【相続】です。
そこには
生きてきた過程での
『想い』
『願い』
いろいろなものが集大成として遺っているもの。
ココロに描いた正しい形で
伝えていきましょうね。
相続の準備
相続人の確認
相続人を知るには
少し手間ですが
家系図を書いてみるとよいです。
家系図を書くときには
相続人の確認に必要な
戸籍謄本をすべて取り寄せて
正確に家族関係を
確認しておくことが大切です。
このときに取り寄せた
戸籍謄本類は
実際に
相続が発生したときの手続きでも
使えることもありますので
大切に保管しておきます。
このようにして
調べた家族や親族を
家系図に書き
相続人になる人には
印をつけておきます。
生前に
このような準備をしておくことで
相続人に関する
トラブルを防ぐことに役立ちます。
また
相続人が
本人より先に亡くなったときに
次に誰が相続人になるのかを
知ることもできます。
財産の調査
財産リストを作成しましょう。
遺産分割を考えるときには
財産リストに
財産の価値(金額)を
書いておくとよいでしょう。
また
所在に関して困らないように
財産関係の書類や
財産の保管場所も
書いておきましょう。
財産リストには
プラスの財産だけでなく
借金や債務保証に関する情報も
必ず書いておきます。
相続対策
相続人と相続財産が把握できたら
次に
相続財産の分け方を考え
必要な相続対策を行います。
相続対策には
▢ 遺族同士の
相続争いを避けるための対策
▢ 相続手続きの煩雑さを避けるための対策
▢ 相続税がかかる場合は税金対策
などがあります。
法律や税金を含め
具体的な分割手続きなどを
考慮しながら
希望する分け方を
考えることが望まれます。
財産の分け方を考える
自分の財産を
誰にどのように遺したいか
あるいは
誰に引き継いで欲しいかを
考えてみましょう。
たとえば
▢ 同居している子に
家を引き継がせたい
▢ 通院や介護などで
特に世話になっている子に
大目に財産を残したい
▢ 自分が応援している福祉団体に
財産を渡したい
などといった希望を
まず書き出してみます。
その希望を実現するために
様々な相続対策を行うわけですが
そのときに忘れてはいけないことが
▢ 財産の分け方のバランス
▢ 受け取る人への配慮
です。
子が複数いる場合
親が考えた遺産分割について
子たちが不公平感を
感じないようにすることも
大切でしょう。
目的別の相続対策
相続で遺族が困ることには
▢ 相続人同士で争いが起こること
▢ 分割や名義変更などの
手続きが難しいこと
▢ 納税資金が足りないこと
などがあります。
争いを避けるための対策
亡くなっていく人にとって
一番悲しいことは
自分の死後に大切な家族が
遺産を巡って揉めることです。
争いが起きないようにするために
最も大切なことは
遺産の分け方に関する
被相続人の希望や
その理由を
相続人に知らせて
納得してもらうことです。
遺産分割の希望を実現するためには
遺言書を残しておくことが
一番有効ですが
それに加えて
遺言書や
エンディングノートに
そのような分け方を希望する理由や
遺族への労い
感謝の言葉を
書いておくことで
その分け方に
不満のある者の気持ちを
和らげることができます。
可能であれば
生前に
自分の考えを相続人に伝えて
納得してもらうことが
望ましいでしょう。
この他
後々の処分で
トラブルになりやすい不動産の
共有名義を避けること
財産を分けやすい形にしておくこと
などの対策が考えられます。
相続での争いが長引くと
被相続人の財産処分が
できない期間も長くなります。
そのため
預貯金口座から
生活費がおろせないなど
亡くなった人と
一緒に生活していた人が
困ることがあります。
また
相続税を軽減する
各種の特例や制度が
利用できないために
相続税の負担が
増えてしまう場合もあります。
そのようなことが起こらないように
遺された人同士の争いを
避けるための対策は重要です。
手続きの煩雑さを避けるための対策
相続手続きに必要な情報が
残されていると
相続人は
遺産分割や
名義変更または相続税の申告といった
相続手続きの煩雑さを
軽減できる可能性が高まります。
そこで
相続の準備として
相続人を確認し
自分の財産を調べて
記録を残しておくことが
役に立つことは先に述べました。
また
遺産分割協議の手間を省く方法として
遺言書の作成があります。
【 参照:相続を学ぶ【終活】Ⅰ】
法的に有効な遺言書があれば
遺産分割協議を行わなくても
相続の手続きができるためです。
さらに
遺言執行者を決めておくと
遺産分割手続きを
スムーズに進めることができます。
特に
相続人の中に
認知症や知的障がいなどにより
遺産分割協議に参加することが
難しい人がいる場合には
遺言書を遺し
遺言執行者を
指定しておくことで
相続における
その人たちの権利を
護ることができます。
さらに
あらかじめ
死亡保険金の受取人を
決めておくことができる生命保険や
財産の受取人を
指定しておく信託を
活用する方法もあります。
【参照:【お金】の整理から人生は始まるⅢ】
税金対策
税金関係で
困ることのひとつとして
不動産など
すぐに現金化しにくい
相続財産が多い場合
相続税の納税資金が
準備できないことがあります。
そのような場合は
▢ 被相続人が
生きているうちに
不動産をあらかじめ処分して
現金化しておく
▢ 生命保険に加入して
死亡時に相続人が
現金を受け取ることが
できるようにする
ことなどで
納税資金を確保できます。
また
支払う税金そのものを
減らす対策もあります。
贈与税の非課税制度を使って
相続人などに
生前に財産を贈与する方法や
不動産の財産評価を
下げておく方法などです。
遺言書の種類と作り方
【相続を学ぶ【終活】Ⅰ】に
記事がございます。
冒頭リンクより
お読みいただけます。
ここからは少しその復習です。
遺言書の目的
▢ 自分の希望する
遺産配分を行うことが可能
たとえば
配偶者と兄弟姉妹が相続人になる場合
兄弟姉妹には遺留分がないため
遺言書で指定することにより
配偶者に全財産を
相続させることができます。
▢ 相続人以外に
財産を残すことが可能
民法で定められた相続人以外の
お世話になった人や
団体に財産を送ることができます。
▢ 相続の手続きが早くでき
遺族の負担の大幅な軽減が可能
原則として
遺産分割協議が不要になるため
相続の手続きが早くできます。
また
相続税の面では
配偶者の相続税額の軽減や
小規模宅地等の評価額減の特例など
期限内に申告する必要のある制度を
適用しやすくなります。
代表的な2つの遺言書
遺言書には様々な方式がありますが
実際に活用されているものは
自筆証書遺言と
公正証書遺言の2つです。
▢ 自筆証書遺言
自筆証書遺言を作成するためには
厳格な方式が決められています。
まず
▢ 財産目録以外はすべて
自筆で書かなくてはならない
▢ 財産配分など遺言の内容
▢ 作成した年月日
▢ 遺言者の名前を書いて
押印(朱肉を使うもの)
また
遺言書の内容を
一部変更している場合
訂正の仕方が決められた
方式通りでないと
その訂正が
無効になることがあります。
後で争いを起こさないために
内容を変更するときは
一部の変更ではなく
全文書き直しをする
ほうが安心です。
なお
自筆証書遺言書は
原則として
家庭裁判所で
検認の手続きが必要です。
▢ 公正証書遺言
公正証書遺言は
法律に詳しい公証人が
作成するため
形式に関しては安心できます。
ただし
遺言書作成までには
▢ 財産目録
▢ 登記事項証明書
▢ 戸籍謄本
▢ 印鑑証明書など
様々な書類が必要になります。
相続人以外の人に
財産を遺贈する場合には
その人の住民票等も
用意しておく必要があります。
また
作成日当日は
証人が2人以上必要であるが
心当たりの人がいない場合
公証役場で紹介してもらえます。
公正証書遺言は
原則として
公証役場で作成しますが
病気などで外出できないときには
自宅や病院などに
公証人に来てもらって
作成することも可能です。
▢ 遺言書を書くときの注意点
遺言書には
自分が希望する分け方を
書くことができます。
しかし
兄弟姉妹以外の相続人に
保証されている遺留分には
充分に配慮することが必要です。
また
遺言書に誰かの悪口などは
書かないように。
生前贈与
子や孫の喜ぶ顔を
見たいときには
生前贈与をするのも
ひとつの方法です。
▢ 生前贈与
本人が生きている間に
贈りたい人に財産を渡すこと
配偶者や子・孫への
目的を絞った贈与であれば
一定額まで贈与税が
非課税になる制度や特例があります。
生前贈与の注意点
相続税対策として
生前贈与をするときは
法定相続分や遺留分に
配慮が必要です。
また
特定の人に
多く贈与している場合には
贈与分を考慮した
遺言書を作成しておくなどの
対策も必要になります。
なお
一度行われた贈与は
取り消すことはできません。
そのため
贈与を行うにあたっては
贈与する人(贈る側の人)の
今後の生活に
支障のない範囲で
行うことが大切です。
贈与にかかる税金と非課税制度
財産を贈与された人には
贈与税が課されるが
贈与税の基礎控除額までは
非課税です。
また
様々な非課税制度や
相続時精算課税制度を
利用することもできます。
基礎控除額を超える
贈与を受けた場合や
各種の非課税制度を利用した場合には
贈与を受けた人は
贈与の翌年に
贈与税の申告をしなくてはなりません。
贈与で使える控除や特例には
次のようなものがあります。
▢ 贈与税の基礎控除
贈与税の基礎控除額は
1年あたり110万円です。
贈与税は
贈与された人ごとに
1月から12月の1年間に
贈与された金額で計算し
合計額が110万円以内であれば
申告不要です。
複数の人から
贈与された場合には
その金額を
すべて合計して
申告することになります。
相続税対策として
毎年贈与して
相続財産を減らしていく方法もあります。
ただし
被相続人の死亡前3年以内に
相続人に贈与した財産は
他の相続財産と合算されて
相続税が計算されます。
▢ 相続時精算課税制度
60歳以上の父母や祖父母から
18歳以上の子や孫への贈与が対象で
父親と長男のように
一対一の関係で利用します。
この制度を利用すると
贈与財産の
累計2,500万円までは
贈与税は非課税となります。
2,500万円を超えた贈与に対しては
贈与時に20%の贈与税が課されるが
その贈与税は相続発生時に
精算されることになります。
配偶者の贈与の特例
婚姻期間が20年以上の夫婦間で
配偶者が住むための土地建物
あるいはそれを購入する資金を
贈与したときには
2,000万円まで
贈与税が非課税となります。
子や孫への贈与の特例
親や祖父母などの直系尊属から
子や孫などへの直系卑属への
贈与については
下記のような
非課税制度があります。
それぞれの特例には
細かい要件や資金の範囲
利用できる期限などが
決まっています。
その他の相続対策
生命保険の活用
契約者と被保険者が
ともに被相続人で
相続人等が
死亡保険金受取人と
なっている生命保険契約には
次のような特徴があります。
これらの特徴を生かして
生命保険は
相続対策に使われる場合があります。
▢ 死亡後すぐに現金が受け取り可能
死亡保険金は
保険金受取人の請求により
一般的には1週間ほどで
受け取ることができます。
▢ 受け取る人の指定可能
死亡保険金受取人に
指定することで
▢ 特定の相続人
▢ 相続人以外の親族
▢ 近親者
に現金を残すことができます。
▢ 遺産分割の対象ではなく
受取人固有の財産となる
生命保険の死亡保険金は
遺産分割の対象外なので
原則として
相続分の計算には入れません。
▢ 「500万円×法定相続人の数」まで
相続税が非課税になる
生命保険の死亡保険金には
非課税枠があることから
税金対策に使うこともできます。
ただし
死亡保険金受取人が
相続人以外の場合や
相続放棄した場合には
非課税枠が適用されません。
不動産に関する対策
日本の場合
相続財産の大半を
不動産が占めています。
そのため
不動産に関する対策は
相続対策の中でも
特に重要です。
▢ 不動産の名義の確認
祖代々受け継いだ土地や
建物などの不動産は
何代も前から
名義が
変更されていないことが
あります。
名義変更をされていない不動産は
▢ 売却
▢ 建替え
▢ その不動産を担保にした貸付
などができません。
相続対策では
対象となる不動産の名義を
登記記録で確認し
現在の所有者に変更しておくとよいです。
▢ 不動産を分割しておく
広い土地を複数の相続人に相続させたい場合
事前に土地を分筆しておくことができます。
分筆した土地であれば
相続した人は
管理も処分も簡単になります。
さらには
売却や分割が難しい不動産を
ほかの不動産に
買い替えておく方法もあります。
また
相続した人に
納税資金が不足する場合
不動産を
慌てて売却しようとすると
適正な価格での売却は
難しくなります。
そのような場合には
生きているうちに
不動産を
あらかじめ売却して
現金化しておくとよいこともあります。
▢ 不動産の評価減を活用
この特例が適用されると
土地の相続税評価額は
一定の広さまで
50~80%軽減できます。
また
土地や建物を賃貸している場合も
その不動産に対する
相続税の評価額は低くなります。
▢ 代償分割
たとえば
不動産の共有名義を避けるために
不動産を特定の人に
単独で相続させることによって
遺産分割のバランスが
悪くなることがあります。
そういったケースにおいて
バランスをとるために
その不動産を相続した人が
他の相続人に対して
自分の財産から
現金などを支払うことがあります。
これを代償分割といいます。
代償分割に充てる資金を
確保するために
不動産などを相続する人に
生命保険の死亡保険金を
残す方法もあります。
養子縁組
▢ 子の配偶者
▢ 相続人ではない孫
など
相続人以外の人に
財産を残したいときや
子がいない人が
自分の面倒を見てもらう人に
財産を遺したいときには
養子縁組により
親子関係になる方法もあります。
相続対策は専門家の知恵が必要
相続対策は
方法を間違えると
正しい効果が期待できません。
また
ある人には
効果的な対策でも
別の人には
まったく向かない場合もあります。
相続対策を実行するときは
相続に詳しい専門家に
相談することが大切です。
たとえば
▢ 相続税に関する対策や
相続税の申告は税理士
▢ 法律上の問題が
生じたときには弁護士
▢ 戸籍謄本類の取得することが
難しいときには
司法書士や行政書士など
➠ こちらは委任状を頂戴できれば
僕も代行可能です。
それぞれ専門家に繋げることも
終活アドバイザーとしての
僕の役割です。
必要に応じて
それぞれの専門家を紹介します。
まとめ
なぜ僕が【終活】の分野で
士業を中心とした
各専門家のフィールドであるような
ハナシをするかというと
当然
最初から弁護士などの
各種専門家に依頼することを
否定するわけではございません。
ただ
ご自身や、ご家族のおハナシです。
自分である程度学び
理解したうえで
必要であれば
各種専門家を訪れる方が
依頼すべき内容や
依頼時のハナシの流れが
すぐ理解できます。
こわいのは
『なにがわからないのかがわからない』
ということ。
安全な暮らしを送るためには
『障害』でしかありません。
いろいろなことを
第三者に丸投げしてしまうことほど
こわいことはないと思いませんか?
それを少しでも
整理し
解決に向けて案内していくことが
終活アドバイザーとしての
僕の役割であり、使命と感じています。
少しでもお役に立てれば
本当に嬉しいです。
【️終活アドバイザーつよし】
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