人生初 精神疾患との闘い(その2)
この記事は、精神疾患との闘い(その1)の続きです。
まだ読まれていない方は、よければそちらからどうぞm(_ _)m
本当の闘いはここからだった
見えていなかった”敵”
休職してからの日々は、僕の予想していたものではありませんでした。
休職前は、「休んでも何したらいいんだろう」くらいに思っていました。
でも、自分が気づいていなかった”抑うつ状態”が表に出てきてからは、そんな呑気なことを考えることは一度もありませんでした。
まず休職になった途端、緊張の糸が切れたのか、今までには無かった感覚が襲ってきました。
まず1番最初に来たのは、本当に1日中何もやる気が起きない。
僕の場合は4日くらいずっと布団にくるまってました。
ですが、長い人はもっと長くなることもあるみたいです。
ずーっと布団の中にこもってたんですが、さすがにこれ以上はもっとヤバいことになりそうと思ったので、外に出かけました。
これまた偶然なのですが、僕の親友が近くでカフェをオープンしていたので、なるべく1人の時間を作らないように、日中はそこに居させてもらいました。
僕にとってこれは非常に幸運なことで、それが無かったら多分もっと酷くなっていたと思います。
家族よりも話を聞いてくれて、居場所を作ってくれたのは、本当に恩を感じています。
療養を始めて1ヶ月くらいは、1日1回食べるか、2日に1回ドカ食いするような食生活が続きました。
当時はまだ睡眠薬を使っていなかったので、ホントに眠れませんでした。
眠りにくい、あるいは夜中に何度も何度も目が覚めてしまう日々が1ヶ月続きました。
眠気を伴う薬は飲んでいましたが、やはり眠れなかったので、お医者さんと相談して睡眠薬を使うことになりました。
強めの睡眠薬を処方されてからは、今までとは打って変わって睡眠が取れるようになり、食欲も1日2食へと段々回復してきました。
「回復期」という名の強敵
先程までの期間は「急性期」と呼ばれますが、その後に来るのが「回復期」と呼ばれる期間です。
本当にキツいのはここからでした。
マジでしんどかったです笑
今は半分冗談で、こうやって文字を打っていられますが、やっぱり自分で言葉にしながら当時の感覚とかを話そうとすると、ゾゾッと背筋や手足が冷える感覚がやってきます。
やっぱりまだ不安感は完全には抜けていません。
回復期では、ドーンと落ちたメンタル状態が、アップ・ダウン・アップを繰り返して少しずつ元の状態に戻っていきます。
タチ悪いな〜って思うのが、アップからダウンに落ちるタイミングが予想できないことです。
初めの頃は、上がったり下がったりが激しくて、しかもそれを何回も繰り返すので、すごいキツいです。回復してるのに!笑
あ、なんか今日はめっちゃいい気分!なんか楽かも!
って思ってたら、ドーンって突き落とされて強烈な不安感を感じたり、何かにすごく焦ってる感覚になったり。
僕の場合は、1人の時間に、突然来ることが多かった気がします。
なので、できるだけその親友達と一緒にいるようにしていました。
ダウンは、とにかく訳もなく不安で、何かが怖くて、訳もなく涙が溢れてきます。
気付いたら勝手に泣いてます、無意識に。
コントロールできませんホントに。
アップで上がっていたところからいきなり落ちるので、なかなか身体がついていけないんです。
岸辺に打ち寄せてきた波が引いていくように、
指と指の隙間から砂がこぼれ落ちていくように、
スーッと、身体の中から生きている感覚が消えていくようでした。
あくまでも僕個人の感覚ですが、沈んでいる時の感覚は、生きていない、死んでないだけのような感じでした。
臓器は動いてるけど心ここに在らずというか、
消えているのか、消えていないのか、
もはや「消える」が主軸になってしまうくらい、自分が靄のように思えたのを覚えています。
メンタルに応じて体調も悪くなったりっていうのがやっぱりあって、その時は不安感がすごくて、自暴自棄になってしまうことも多々ありました。
ダウンの時は、とにかく強い衝動に駆られないようにと、踏ん張っていました。
10月中旬くらいからですが、アップの時はある程度余裕ができてきたので、うつ病や適応障害の特性のほか、今飲んでる薬や、脳の情報伝達物質に関する知識をできるだけ頭に詰め込みました。
だんだん精神疾患に対する理解が深まってくると、
あ、今落ち込む時期なんだな〜
ほっとけばまた上がるんだな〜
っていう感じで、ここ2、3週間は下げ幅が小さくなったこともあり、ダウン期も深刻に感じなくなってきました。
禁忌を破ってしまう
少し話が戻るんですが、療養開始と同時に僕は抗うつ薬を処方されています。
基本的なことなんですが、抗うつ薬及び睡眠薬と飲酒の組み合わせはNG(禁忌)とされています。
元々アルコールには抗うつ薬や睡眠薬と近しい働きがあり、処方された薬の効果が強く出過ぎたり、副作用の恐れが強まったりするためなんです。
※ホントに危険なのでやめてください。
また、僕の場合はかなり強い睡眠薬を飲んでいたので、余計にNGだったんです。
が、やってしまいました。
10月上旬のことでした。
「久しぶりに飲み行くか。」の連絡。
元々お酒が好きだったので、お誘いに甘え、今日くらいはいっかと家を出ました。
そろそろ帰る時間が近づいてきた時、うっかりグラスを落として割ってしまいました。
あ〜やっちゃった〜。と思って拾おうとした時、酔っていたこともあり、バスッと親指を切ってしまいました。
指の根本からドバドバ出る血は止まらず、止血に必死でした。
そんな時に、来たんです。落ち込みのダウンが。
楽しさも、喜びも、全て身体からスーーっと引いていきました。
さっきまで楽しさで埋まったていたのに、突然空っぽになりました。
そんなすっからかんの心身は、楽しさに代わって、不安・焦燥・恐怖・自責感で満たされました。
血も、涙も、止まらない。帰り道も溢れました。
周りの視線なんて何も気になりませんでした。
ただただ、自分がわからなくなっていってしまう感覚が怖くて怖くて、仕方ありませんでした。
日付も超えていた時間でしたが、たまらず親友に電話したところ起きてくれていたので、近くのコンビニまで来てもらい、少し話を聞いてもらいました。
時折心がどうしようもなく落ち込んでしまうこと。
その落ち込みになかなかついていけないこと。
生きている実感が全く無くなってしまうこと。
そして自分がわからなくなってしまうこと。
”明日” なんてもう要らないと考えてしまうこと。
普通なら、いきなり言われても困るヘビーな内容なのに、親友の彼は何も言わず、「そっか。」って頷いてくれていました。
僕はただただ身体に任せて泣き疲れるまで泣いていました。
この時が、僕が経験した中で1番辛かった夜でした。
自分では気付かず溜まっていたSOSが、爆発して溢れ出た夜でした。
でも同時に、自分の中でグッと改善するきっかけになった夜でもありました。
改善の詳しいことは、次からの投稿に書いています。
とにかく、人に恵まれているなって、つくづく実感した夜でした。
本当に幸せなことです。
※繰り返しですが、抗うつ剤・睡眠薬と飲酒を併せるのはやめましょう。
まぁそんなこんなで。
回復期については、どれくらいで安定へ向かうのかは個人差が大きく、しかも僕がここから問題なく安定していくかどうかはわかりません。
もうすぐ療養開始から3ヶ月が経ちますが、アップ・ダウンを繰り返しながら、少しずつ「仕事戻れそうかも」っていう状態に近づいてきたかなとは感じています。
復職への道
現在は、お医者さんと相談しながら、職場復帰も視野に入れてぼちぼち動いています。
再発のリスクもあるので、復職してもしばらくは投薬を続けます。
実際に復職して、少しずつ体を慣らしていく。
今までとは違った視点・考え方を持って仕事・自分と向き合ってみる。
職場に復帰したとしても、自分が体調を崩した職場・部署へ戻るだけなので、もしかしたらまた体調を崩してしまう可能性は全然あります。
ですが、休職してから希望が見えたのも事実です。
想像以上にたくさんの職場の方がご連絡してくださったり、前例の少ない人事があったりもしました。
僕自身、休養することに決めた時には「休み切る」という方向に吹っ切れていたので、同僚の方々からの連絡は全然苦でもプレッシャーでもなく、素直にありがたいことだなって思えました。
1人で頑張らなくて良いんだ。
ちゃんと周りの人は見てくれてるんだな。
周りに助けを求めて良いんだ。
何となくだけど、もう少し頑張ってみようかな。
でも気持ち的には、
「また休むくらいだったらしっかり休んで回復した方が良いよね〜。」
「復帰できる時にすればいいや〜。」
ってくらいにしか思ってません。良い意味で笑
そうやって少しずつ、遠回りしてもいいので、普通の暮らしに戻れるようになればいいなって思ってます。
結論:「回復期は寝れるだけ寝て回復しろ!」
後からお医者さんから聞いた話ですが、適応障害は「基本的に、寝て、食べて、ストレスから離れたら、回復する」そうです。
最後に
自分が精神疾患と向き合って感じたのは、なってみないと気持ちはわからないなっていうことです。
どんなことでもそうなんですけど。
これまで”抑うつ”とか、”うつ病”・”適応障害”って聞いてもあんまりイメージのつかないものでした。
気力なくなるってどんな感じなんだろ。
とか思っていました。
でも実際になってみると、本当に、人のこと気にかける余裕が一切無くなりました。
マジで自分のことで精一杯。
っていうか自分のこともどうでもいいってなってしまう。
これが、アレなのかと。
「休みの期間何しよ〜(・ω・)」とか思ってたのがアホみたいです笑
治療の方法も人それぞれなんですけど、回復していく中で、精神疾患の回復経過や、脳の情報伝達の仕組みについて勉強できたのはひとつの収穫でした。
もちろん他の誰かが同じ様にして困っていた時に、何か役に立つかもしれないというのはあります。
それ以上に、より客観的に自分のことを見れるようになりましたし、自分が持っている感情を優しく受け止めることにつながる部分でした。
でもやっぱり自分の中で、前に進めたなって感じる時は、少しずつ自分が直面している問題を解きほぐしていけた瞬間なんですよね。
自分って弱い人間なのかな?
メンタルの強さって何?
なんで自衛隊では大丈夫だったんだろう?
そんな自分自身に対する問いを解きほぐして、自分なりに答えを得ていく過程を、「精神疾患の世界で見つけたもの」(前編)および(後編)にまとめています。
長くなりましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました!