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教育問題に関する私見と雑観

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私が書いた記事のうち、教育全般に関する個人的な意見などのものをまとめています。
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2024年5月の記事一覧

小学校の健康診断で脱衣を拒否するのならば、自費で診断を受けることを選択するべき


小学校の健康診断の脱衣問題数年前から小学校などにおける健康診断において、児童に脱衣をさせるべきか否かがたびたび議論となっています。

ここ最近も横浜市の小学校でトラブルが発生し、このネタがX上で話題になっています。

この問題について私見を述べたいと思います。

盗撮医師逮捕による不満の顕在化この手の話は私が子供のころからも存在し、不満を言う女子児童、生徒はいたように記憶しています。とはいえ医療

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生徒会選挙、教頭激怒事件の雑感と学校組織の「選挙」軽視問題

生徒会選挙、教頭激怒事件の雑感と学校組織の「選挙」軽視問題


大阪府和泉市の義務教育学校でのトラブル大阪府和泉市の義務教育学校において、生徒会選挙の演説を巡ってトラブルが発生したというニュースを見かけました。

こうした教員を揶揄するような言動自体に関しては言うまでもなく生徒の責任ですし、指導を受けて当然の内容だと言えます。しかし記事を読む限りにおいては教頭は冷静さを欠いており、明らかに個人的な怒りを子供相手に爆発させたような印象を受けます。正直なところ、

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学校の統廃合の反対の理由が「歴史」という違和感

学校の統廃合の反対の理由が「歴史」という違和感


小学校の統廃合学校統廃合に反対をする人たちというのは一定数存在します。福岡県の久留米市では以下のリンクのような問題が発生しているようです。

統廃合に関わる判断とはきわめて妥当でしょう。児童数減少と老朽化を考慮すれば、統廃合は避けられないでしょう。これに対して反発の声があるようです。

反発をする人たち反発をする人たちの意見を記事より引用します。

この意見に関して個人的に違和感を抱きました。

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【題未定】中等教育の本質は自身の限界という知的挫折を知ることにあるのかもしれない【エッセイ】

【題未定】中等教育の本質は自身の限界という知的挫折を知ることにあるのかもしれない【エッセイ】

 「七五三」という言葉がある。当然ながら子供の節句の話ではない。ここでの「七五三」は学校の授業についていけている、と答える小中高の生徒の割合だという。小学校ですら7割、中学では半数、高校になると三分の一しかついていけてないということだ。高校現場での指導者側から見ると「五三一」ぐらいに感じるときもあるが、どうにも語呂が悪いのが難点だ。

 この話においては日本人の自己評価の低さ、謙遜の前提を踏まえる

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銚子市、千葉科学大学の公立化問題、効率化が叶わなければ撤退止む無し

銚子市、千葉科学大学の公立化問題、効率化が叶わなければ撤退止む無し


銚子市、千葉科学大学の公立移行問題千葉県銚子市にある千葉科学大学が定員割れを原因とする経営難に陥っています。

その状況を打破するための公立化が議論されていますが、どうやら暗礁に乗り上げているようです。

検討委員会では誘致効果の検証が行われています。

検討委では想定よりも少ない経済効果しか得られていないことが問題となっています。

加えて財務状況データなどを公開せずに話が進んでいることも市側

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「お金の増やし方」や「資産形成」に寄り過ぎの金融教育への違和感

「お金の増やし方」や「資産形成」に寄り過ぎの金融教育への違和感


新課程における金融教育新NISAが盛り上がり、日本中で過去無かったレベルで投資熱が盛り上がっています。このこと自体は決して悪いことではありません。タンス預金や低金利で眠ったままの預金など、これまで一か所にとどまっていた資産が社会に還流されることは日本経済への大きな刺激となるでしょう。

そうした社会の流れを受けて、新学習指導要領においては金融教育がカリキュラムの中に組み込まれています。

教科と

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臨時講師不足が問題なのではなく、臨時講師を前提としたシステムそのものが問題

臨時講師不足が問題なのではなく、臨時講師を前提としたシステムそのものが問題


臨時講師不足で回らない教育現場教員不足に関してはこのnoteで何度も取り上げている話題ですが、AERAのネット記事にそのことに関する記事が上がっていました。

記事の内容としては以下のようなものになります。

不足しているのは教諭ではなく臨時講師

採用試験倍率低下による臨時講師「人材バンク」の枯渇

団塊世代の大量退職を想定しない採用計画

今後、数年で教員不足は解消される見込み

記事内では

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文科省が「教育」分野の専門性を否定するのならば、いっそのこと教員免許制度を廃止すべき

文科省が「教育」分野の専門性を否定するのならば、いっそのこと教員免許制度を廃止すべき


教員特別免許の新指針文部科学省がアスリートなどの各分野の専門性の高い人材に「特別免許」を与える制度のを都道府県の教育委員会に通知した、というニュースが話題になっています。

教員不足が全国的に問題になる中で、専門性の高い人材が教育業界に入りやすくなるように参入障壁を下げる目的のようです。

専門家=教育者?こうした政策の発想の大本は専門家、専門性の高い人間であればその分野の教育は可能である、とい

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都会からの一方的な視点でしか価値判断ができない人たちが地方高校の進路指導を「国公立至上主義」と揶揄する多様性の無さが目に付く

都会からの一方的な視点でしか価値判断ができない人たちが地方高校の進路指導を「国公立至上主義」と揶揄する多様性の無さが目に付く


プレジデント記事より少し前にプレジデントで地方高校の進路指導を「国公立至上主義」と揶揄する内容の記事が話題になっていました。

記事の内容としては以下のような進路指導が行われている、ということに対する批判と、それを鵜呑みにしてはいけないという保護者や受験生への警鐘という構成になっています。

総合型選抜入試で難関の私立大学を受験したいという子どもに、国公立大学受験を迫る。

「特進クラス」や「選

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