補助金を活用した新規事業のカフェは「シコメルありき」で開店。仕込み済み食材だからこそ成立した、本業とカフェ事業の両立。
カラフルな外観が個性的な「cafe Sugar Sol」は、バリ島の建築資材を活かして南国のイメージでつくられました。このカフェを設計したデザイン設計事務所の代表、奥村安廣氏がカフェの代表も務められています。2023年10月に兵庫県宝塚市でオープンしたこのカフェでは、オープン前からシコメル商品の導入が決まっていました。カフェ立ち上げの段階から、なぜシコメル商品の導入を決められていたのか。その理由について奥村氏に伺いました。
手間は掛けないけど手は抜きたくない。
新規事業のカフェ経営に、シコメルという選択肢。
デザイン設計事務所の経営を本業とする私がカフェ事業に乗り出したのは、アフターコロナに対応する企業向けの補助金制度がきっかけでした。設計事務所では店舗デザインをメインで手掛けています。ビーチフロントのデザインでチェーン展開を進める飲食企業様のデザイン・設計を行っている関係で、バリ島から輸入した建築資材をその企業様からご提供いただきました。このカフェに使用するカラフルな資材も含め、資材はほとんどバリ島で実際に使われていたものです。現在は1、2階にカフェが入る店舗ビルの3階に設計事務所を構えています。店舗デザインの展示場のような役割を期待してカフェ事業を始めました。
私は30代半ばから建築業に転身したのですが、それまでは飲食業に携わってきました。居酒屋、焼き肉店、鉄板焼き店、大型のファミリー居酒屋など、飲食業の経験があったからカフェ事業を思いついたのだと思います。カフェなら比較的手離れがいいので、本業と並行して経営していけると考えました。
カフェのインテリアはバリ島のデザインでいくと決めていたので、あとはメニューです。本業があるため調理に手間は掛けられません。手間は掛けないけど、決して手は抜きたくない。手間を掛けずにお客様に喜んでもらえるような、本格的で美味しいお料理を提供できないものかと考えていたときに知ったのがシコメルさんのサービスでした。
シコメルさんと出会ったのは、阪神間の小規模飲食店のオーナー様が定期的に集まって行われる勉強会です。そこで初めてシコメルのサービスを知りました。全国にある様々な店舗で実際に使われている仕込み済み食材を、アプリで簡単に購入できるというサービスです。実店舗で使われている商品なら信頼性もあり、実際に試食してみると味のクオリティも高い。盛り付けを少し工夫すればすぐカフェメニューになります。シコメルの導入を決めたのが2023年の夏、カフェがオープンする半年前のタイミングでした。
シコメル食材にあわせてメニューを展開。
セットメニューにすることで原価率を抑えた。
これまでの経験から、飲食店経営には何かわかりやすい個性をもたせることが大切だと考えていました。カフェであればコーヒーが美味しい、パンケーキが美味しいなど、メニューで何らかの「売り」を打ちだす必要性を感じていたんです。ですがうちの場合は本業があるため、メニュー開発や調理には手間をかけられません。アプリでシコメルストアの商品をチェックしながら、個性的なメニュー展開ができないかと考えていたときに目に飛び込んできたのがカレーでした。シコメルストアにあるカレーのラインナップがとても充実していることに気づいたんです。
カレーを提供しているお店で私がよく見かけるのは、トンカツやエビフライなどのトッピングでバリエーションを出すタイプで、カレーのルーは同じものを使うところがほとんど。それがシコメルストアだと「牛カレー」「エビカレー」「黒カレー」など、カレールーだけで5、6種類はあります。シコメルストアの豊富なラインナップを活用すれば、カフェの個性になるに違いありません。そこでカレーのバリエーションをカフェの「売り」にすることに決めました。
カレー以外のメニューもシコメルストアを見ながら組み立てていきました。カレーの他にも手間をかけずに提供できる商品を多数導入。今ではカレーと並んで人気があるのが「ローストビーフ」を使ったメニューです。切って提供するだけのローストビーフを野菜とあえてサラダに仕立て、ベーグルとセットにしました。カフェなのでスイーツも良くでますが、人気なのはシコメルストアの「バスクチーズケーキ」です。
シコメルストアの商品を導入する上で私がもっとも気を付けたのは原価率でした。当初、バスクチーズケーキの原価率が気になったのですが、ケーキセットにしてドリンクと一緒に提供することで原価率を抑えるように工夫。すべてのメニューを原価率30~35%に抑えるのは難しいので、そこはセットメニューにするなどして原価率を抑えるように考えることで、スムーズにメニューが組立っていきました。
今後もシコメルストアを活用して、
「飲食店+α」の多店舗展開へ。
いざカフェをオープンしてみると思っていたよりカレーの注文が多く、カレールーの湯せんだけでも時間がかなり掛かるとわかりました。そこで湯せん機をすぐに購入。一度に4つのカレールーを湯せんできるようにすると問題なく提供できるように。それ以外は想定どおりといったところです。オープンして半年が経ちましたが、茹でたり切ったりするだけのシコメルの商品は、店の従業員たちも扱いやすいようです。手の込んだ事前の仕込みもいっさい必要ありませんから。
気になるお客様の反応はというと、こちらも想定どおりでした。みなさん「おいしいね」と言いあって帰られていきます。本格的で美味しいカレールーだから当たり前なんですが、実際にお客様の感想を聞いたときはホッとしました。カフェは2階がメインの客席になっているのですが、先日「階段に手すりを付けてくれないと長くは来られないよ」とご年配の常連客からお声をいただき、本業を活かしてすぐに手すりを設置。近所のお客様が長く通いたいと考えてくださっているのは本当に有難いことです。
カフェは阪神競馬場の近くにあります。このあたりは閑静な住宅街になっていて、カフェをご利用されるお客様の年齢層は幅広く、高校生からご年配の方まで様々。この幅広い層のお客様にカレーは人気があり、徐々にお客様の数も増えてきました。
このカフェ事業を始めて改めて思ったのが、私は飲食業が好きだということ。本業は建築業ですが、カフェの現場には積極的に立つように意識しています。手を離れすぎるとお客様の顔が見えなくなるからです。お客様が何を求めてご来店されているのか、そこは私がくみ取って従業員たちに共有することで、カフェ経営もしっかり舵を取る。シコメルストアがあれば味がブレることはありませんから、運営面は私がきっちり見ていこうと思っています。
まだカフェをオープンして半年あまりですが、じつは早くも多店舗展開を考え始めています。このカフェのような業態もいいし、カフェとはまったく異なる業態でもいい。まだ構想段階ですが、フォトスタジオのような場所にカフェを併設することも考えています。または山奥でドッグランをつくってカフェを併設するのもいいですね。このカフェのように「デザイン・設計+飲食業」で何か始められたらと考えています。カフェが「デザイン・設計+α」の事業の集客のフックになるイメージです。もちろんそれを可能にするのはシコメルストアがあってこそ。もはやシコメルさんは手放せないビジネスパートナーです。
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