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宮下宗三(鍼灸師)
2019年12月18日 09:40
1.先天の気と後天の気植物の種子は、土や水があることで生長する。同じように、人間も飲食物なしには生きていけない。東洋医学には先天の気と後天の気という概念がある。先天の気とは、父母より授かった根源的な気である。後天の気は飲食物より得られるエネルギーになる。健康を維持しながら年をとっていくためには、この二つの気を養い保つことが重要であり、これが今回紹介する一節のテーマとなる。では以下に原文
2019年12月11日 16:10
1.養生の動機付け養生の要は、体に良い事を習慣化することだ。ただ、それには強い動機付けが必要となる。特に今現在健康な人は、健康になろうという動機が希薄になってしまうため、なかなか習慣化が難しいだろう。一方で、体が弱いという自覚のある人や、大病をした後には、養生に対するモチベーションは、すごく高くなる。そして、そういう人たちの方が、逆に体に気をつけ続けるので、一病息災というように、意外と
2019年7月31日 12:00
前回は胃をいたわる夏の食べ方について、江戸の養生書の『養生大意抄』から紹介した。今回も引き続き同書から、胃にやさしい食べる順序について紹介する。汁物を先に飲むべし【原文】空腹なる時驟(あわて)てすぐに物を食すべからず。先(まづ)湯茶の類にても羹汁(にもののしる)抔のたぐひにても飲て、腹内をよくうるおして後に物を食すべし。凡飢過て食するときは、必味噌汁をとくと飲て後に飯を喫(くら)へば病を生
2019年7月24日 11:11
昔の人は、人体に害を与えるほどの暑さのことを、暑邪と呼んでいた。暑邪に対処する身近な方法といえば、飲食によって体の熱をさますことが挙げられるだろう。ただ、やみくもに冷たいものばかりを取ると、かえって害になってしまう。では、夏は冷たいものとどう付き合えばよいだろうか。今回は江戸時代の『養生大意抄』という養生書から、そのヒントを紹介しよう。夏の飲食は冷たいものと温かいもののどちらがよいか?
2019年7月17日 11:59
灸点という、鍼灸師にとっては馴染みの言葉がある。ツボにつける目印のことで、この目印である点にお灸をすえていく。私が普段鍼灸師として仕事をする中で、灸点をつけるシーンといえば、患者さんへ自宅でのお灸指導をする時になる。灸点があると、ツボの場所が正確にとれなくても家でお灸ができる。この灸点について、鍼灸師だけでなく、家でお灸をすえる皆さまにとっても注意するとよいことがあるので、以下に紹介する。
2019年2月6日 15:59
リラックスするために深呼吸をするという経験は皆さんもあると思います。逆に、ストレスのある時や、集中して仕事をしている時に呼吸は浅くなるわけですが、浅い呼吸は頭の働きも悪くしますので、効率を考えると時々休憩して深呼吸をすることが必要です。ただ、深呼吸があまりにも簡単なことであるせいか、かえってどうすればよいのか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。呼吸法には色々なものがありますが、今回は
2019年2月6日 15:49
東洋医学にも小児科という分野があり、古い医学書にも独立した専門書がございます。今回は小児科の専門書である『小児衛生総微論方』から、現代にも通じる子育て論をいくつか紹介していきたいと思います。もくじ1.汗の処理をおろそかにすると体を冷やしてしまう ・油断している夏の方が冷えやすい2.子どもの薄着はどのようにして慣らしていけばよいか ・薄着は秋からだんだんと慣らしていく ・東洋