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詩作、過去作品 公開保存用

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#現代詩

仮形成

りんかくが、尽きたところから、肺が、うまれたのかもしれず、まだ分裂の途中で、穀物袋を、抱えようとするから、宿命のように、咽にへばりつく痰が物語、かもしれないと思う間に唾液で、ながしこまれると身体の、中で子音だけがひびく気胸の、痛みにかわっていく。冷たい、と初めて感じた、記憶のことを、話したくて自分にも白骨が、あると自覚したそんな夜の、月の、感じで胎児、という個人的な、地図がいづれ刃物に、かわり力尽

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牧師のオルガン

これは、前奏。そっと鍵盤にそえる指。牧師の手の甲は、いとも簡単な月のようだった。毛筆のような遠視の伯母が訪ねてくる。脳裏によるしなやかな手紙をたずさえて。家族のなかだけの言葉をつかい、リッタイテキな本棚を何個もつくるように言った。伯母がねむるとき、夏の頸動脈が深淵な川に到着する。その先で白紙に並べられた数式は、水脈のようにみえた。一斉に、蝶々結び、できるだろうか。図工が苦手な人たちとともに高山植物

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植物の葬儀

鬼百合は、寓話になることに夢中だった

一本の植物は宇宙に虹が出るかを考えている。恋人のアキレス腱と同じ受動態で、それを描くことを想いながら。落書の臓器をもたない蛙が、手足を一本一本投げ棄てながら産卵する。その蛙の粗い呼吸の分だけひろがる湖面に、春になったら猛禽類を排泄したいと。

球根植物は、暴力のあと何が残るか知っていた

その後、美しく涙を流しました。静電気に触れるとよく記憶喪失に陥り、忘れ

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恋人の宗派

外の大雨をみながら、川魚を丁寧に食べる人のことを、恋人といった。それは記号であり、血より具体的だった。宗教のことは自分のほうが知っている、という恋人の話にうなずいて、お互い愛するようになった。肺呼吸が結晶化しはじめることがある。すると恋人の口癖は、酸素の色をした魚にかわり、このあたりの水域でみられなくなるのではないかと思った。

         葦は、戦争の数だけはえていると知った。恋人の通う大

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喘息の少年の世界

夕暮れの、三叉路の先に絵画教室が聳えていて、残光のような少年の姉が、感受性ってこの血管のことだと思うよ、と言いながら静脈の、蒼白さを反射させてみせた。少年は、理想の耽美派を間近にして、回想の中で川遊びの主語を省いていく。絵日記の宿題に、頓服薬の紙袋を描かなければならなかった記憶。少年の、喘息の喉と、まだ柔らかい耳の骨。絵筆は少年の鞄のなかで、孤独な森林であり続けた。そして瑞々しい木々は裸足で歩き、

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離島についてのディテール①

蜃気楼が、忘れ去られた沼の底で孤独に堪えて、渡鳥の脚に続いている頃に、直線的に排尿したあとの言葉が、水面を吹き抜けていく吃音の風になる。その島の広葉樹のたしかなにおいを、羊のように豊かな感受性が探すことがあった。砂浜に残した足跡から記憶の音が聞こえてくる。離島を書かなければならない深夜は、二つ以上の身体が必要となった後、汗ばんだ指先の感覚だけで、島民による絶え間ない営為をあらわしてみたくなる。小さ

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羊歯植物記

兄妹

妹の、遺骨を目指していた。かつて戦争を望み追放された兄は朽ち果てたのち、純粋な精神にまで分解されながらも、羊歯植物をとおして、その茎を伸ばした。読書をする妹のための、指の骨を探しながら植物の、地下でもおこなわれる呼気。殺人を犯そうとするものの側でも食事をとり、無関心に喪失した主格で、死に続ける喜びを、生きたまま知ることができるかわからなかった。もはや、幻想の妹よ。妹が亡びていたとしても兄は

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ある秋の重力

手紙に手紙を書きたくなる
秋に癒着する水の
この温度では
わたしから脱皮した皮膚はとけない
汽水にすむ二枚貝は
明け方の亡骸を咥えて肥るというのに
吐息がまだ散文とはほど遠い時間
自分の身体もこの土の
重力につづいているのだろうか
葉のこすれる音がしなければ
静けさがどこから来たのかすら
おもうことはなかった

林道をあるいた記憶を栞にして
野鳥が力尽きている様子が
物語の二連目から
書き出される

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過去作品集 ぱーと2

ぱーと1も、読んでね❤

ぱーと3は、来月あたりに公開予定です。5篇くらい?🐧