マガジンのカバー画像

あたりまえの日常を手紙に

55
わが子が15歳になったときに渡す手紙です。
運営しているクリエイター

#子育て

#39 いつか思い出させる身体の記憶

#39 いつか思い出させる身体の記憶

(4歳のわが子が15歳になったときに渡す手紙です)

君は最近、ボディボードや浮き輪を楽しむようになりました。ついこの前まで、波を怖がって、水に顔をつけるのも戸惑っていたのが、嘘のようです。

水位の深いところは怖がり、浅瀬でずっと遊んでいるあたりは、しっかり者の君らしいです。大自然を全身で感じつつ、その怖さも知る。そんな経験になっているようです。

今の君は、海や山に行くことはありますか。どんな

もっとみる
#36 自分の名前をつけ直す

#36 自分の名前をつけ直す

(4歳の娘が15歳になったときに渡す手紙です)

最近、君はお手紙を書くようになりました。お手本がないとうまく書けない文字もありますが、自分が言いたいことを書いています。

その中で、君は必ず友達の名前をフルネームで書きます。友達と遊んだことを話すときも、必ず苗字と名前の両方を言います。私は「あいちゃん(仮名)と遊んだの?」と言うと、君は「違う!田中あいちゃんと遊んだの!」と訂正をします。

なか

もっとみる
心が動けば、記録はいらない

心が動けば、記録はいらない

幼稚園の先生から、幼稚園での様子を描いた手紙をもらってくることがあります。一人に対して、5人の先生から手書きのコメントが入っているんです。すごい手間がかかっていますね。受け取るたびに、全員にコメントを書くのは大変だろうな、と思いを馳せてしまいます。

自分が書く側だった時は、こんなコメントで本当に喜んでもらえるのだろうか、と思ったことがあります。しかし、実際親の立場になると、具体的に、何をしている

もっとみる
#30 命にかわるものなんてない

#30 命にかわるものなんてない

(4歳の子どもが15歳になったときに渡す手紙です)

今年は例年より早く、海へ遊びに出かけました。

昨年の君は、波が怖くて、海に入っていくことができませんでした。しかし、今年は、自分から海に向かって走り出し、パシャパシャと音を立てて楽しんでいます。

ただ、ちょっと水位が深くなったと感じると、すぐに足を止め、全速力で浜辺に戻ってきます。楽しむ中でも、程よい恐怖心があるようで、私は少し安心していま

もっとみる
#17 その花を咲かせることに一生懸命になればいい

#17 その花を咲かせることに一生懸命になればいい

(4歳の娘が15歳になったときに渡す手紙です)

「なんで、パパの足にはこれがあるの?」

一緒にお風呂に入ったとき、私のすね毛を指差して、君は私に聞きました。

あまりにも、唐突に、そしてストレートに質問されたので、思わず一緒に考えこんでしまいました。15歳になった君にとって、こんな話を聞かされるのは嫌なのかもしれませんね。まあ、昔の話です。

「これ(すね毛)はね、ホコリとか汚れとかそういった

もっとみる
NO.1 おやすみなさい

NO.1 おやすみなさい

人形を大切に抱えて寝ている、我が息子。
普段はいたずらばかりしているが、そういう場面になるとやたらとかわいく見える。

にくいな、この野郎。

ふと、考えてみると、長女(4歳)のことばかりを文章に残しており、長男(2歳)に関しては、何も書いていないことに気づく。

どこの家も、一番目の子が優先され(丁寧に扱われ)、下の子は放置気味ではないか、と勝手に思っている。そんなことばかりではないのはわかって

もっとみる
#12 出るのも入るのも自由

#12 出るのも入るのも自由

(4歳の娘が15歳になった時に渡す手紙です)

君は、公園においてある遊具で全力で遊んでいる。

さっきはここから登ったから、今度はこちらから。
ちゃんとどこから登ったのか、どこから降りたのかを覚えている。そもそも、すべり台の部分、階段の部分、ロープの部分と遊具には、決まったルートがない。

ここからスタートしてください、といった場所はない。ここから降りてくださいといったものもない。

とにかく自

もっとみる
#11 ちょっとだけ難しいが、楽しいはず

#11 ちょっとだけ難しいが、楽しいはず

(4歳の娘が15歳になった時に渡す手紙です)

先日、君は久しぶりに自転車に乗りました。

私が、外出から帰ってきたタイミングで、一緒に川沿いの道に出かけました。帰ってくる時間が遅くなり、もうすぐ日が暮れる薄暗い時間。「帰ってくるのが遅いよ!」と君が全力で怒っている姿を見て、申し訳なかったことを覚えています。

久しぶりに乗った自転車、君は何を思ったかスッとお尻をサドルから離し、立ち漕ぎをし始めま

もっとみる
#10 新しい世界へのドアを手に入れて

#10 新しい世界へのドアを手に入れて

(4歳の娘が15歳になったときに渡す手紙です)

「パパ、いりくちって書いてあるよ。こっちから入ろう」

君は、最近ひらがな読めるようになってきました。まだ、「わ」と「ね」や「め」と「ぬ」みたいに、形が似ているものが難しいようで、読めないものもあるけどね。

ひらがなが読める、と自信を持った君は、街にある看板やお店の中で字を見つけると、大きな声で読もうとしています。多少の間違いなんて気にしてません

もっとみる
#4 純粋な楽しみとまっすぐな心

#4 純粋な楽しみとまっすぐな心

最近の君は、新しく買った粘土にハマっています。

弟が邪魔をしないように、粘土で遊ぶときは部屋の仕切りを占めて、誰にも邪魔をされず、自分だけの世界で遊んでいるようです。

両親の目も届かないところでおとなしく、遊んでいまよ。(なんとも手のかからない良い子です)

きっと、自分の好きなものを作り
作っては、また壊し
あーしろ、こーしろと言われない環境で
好き勝手にやるのが、楽しいんだと思います。

もっとみる