#11 ちょっとだけ難しいが、楽しいはず
(4歳の娘が15歳になった時に渡す手紙です)
先日、君は久しぶりに自転車に乗りました。
私が、外出から帰ってきたタイミングで、一緒に川沿いの道に出かけました。帰ってくる時間が遅くなり、もうすぐ日が暮れる薄暗い時間。「帰ってくるのが遅いよ!」と君が全力で怒っている姿を見て、申し訳なかったことを覚えています。
久しぶりに乗った自転車、君は何を思ったかスッとお尻をサドルから離し、立ち漕ぎをし始めました。今までまっすぐ進むのも難しかった君が、スピードが出る立ち漕ぎをしている。私は驚きました。
誰に教わったわけでもないはずなのに、できるようになっている。日に日に成長して、できることが増えている姿を見ると、他人事ながら嬉しく思います。
さらに、君の観察を続けると、次は後ろを振り向き始めました。少し周りの様子を気にすることができているようです。自転車のベルも時々鳴らします。
道の真ん中に木が植えてある箇所は、8の字を描くように蛇行運転をしていました。
誕生日に自転車を買った時には、できなかったこと、やろうとも思わなかったことをするようになっています。
ここから言えることは、君が「ちょっと難しいことをやってみよう」という気持ちを持っていることです。普通に自転車をこぐだけでは満足できない。もう少し難しいことをやってみよう。工夫をしてみようと考えるところがあるようです。
今の君は、ちょっと難しいことをやってみようと思ったりしますか。4歳の時の君は間違いなく、無意識に向上心を持って、新しいこと、いつもとちょっと違うことを楽しんでやっていましたよ。
いつも同じことの繰り返しで嫌になることってあるけど、その中でも自分の頭で考えてちょっとした変化を生み出して、改善していくと面白さがわかってきたりするのではないでしょうか。
自転車の立ち漕ぎをして、登り坂を上りきった君は、これでもかというくらい満足気な顔をして、こちらを見ていました。
私も、昨日よりちょっと難しいことにチャレンジして満足して日々を過ごしてみます。