#30 命にかわるものなんてない
(4歳の子どもが15歳になったときに渡す手紙です)
今年は例年より早く、海へ遊びに出かけました。
昨年の君は、波が怖くて、海に入っていくことができませんでした。しかし、今年は、自分から海に向かって走り出し、パシャパシャと音を立てて楽しんでいます。
ただ、ちょっと水位が深くなったと感じると、すぐに足を止め、全速力で浜辺に戻ってきます。楽しむ中でも、程よい恐怖心があるようで、私は少し安心しています。
何かにチャレンジするときは、リスクがあります。失敗するかもしれませんし、誰かに笑われるかもしれません。しかし、命を落とすことは少ないものです。だからこそ、命を落とす可能性のあることは、徹底的にリスクを回避することを考えるべきです。
海で足のつかないところまで行って遊ぶのは、命を落とす可能性があることですね。高層階のベランダで身を乗り出したりすることも同じです。
私は、基本的にどんどん新しいことにチャレンジをしていくことを応援します。しかし、命を落とす危険のあるものだけは、止めます。失敗したら終わりですからね。
そんなあたりまえのことだからこそ、あえて書き残しておきます。私自身が親として、不注意で君の命を危険にさらさないためにも。