Sally Dragon

不思議と伝説と神秘の薬剤師、魔法、魔術、神話、民話、時代を超えて伝え残る異世界の技術、漫ろに語ろう、皆様方に。知る者となる覚悟は宜しゅうございますか? 此処に来て、現世の出口をご覧くださいませ。

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不思議と伝説と神秘の薬剤師、魔法、魔術、神話、民話、時代を超えて伝え残る異世界の技術、漫ろに語ろう、皆様方に。知る者となる覚悟は宜しゅうございますか? 此処に来て、現世の出口をご覧くださいませ。

最近の記事

「不思議な薬箱を開く時・薬剤、薬種編」

人体という薬種生成場 時代が進むにつれ、 禁忌とされてしまった薬種が生成される場所として、 "人体内" がございます。 人間だけではございません。 諸動物の体内でも、薬種は生成されております。 人体内に於いても、 貴重にして、珍奇なる薬種が生成されます。 古来より、珍重される薬種、薬剤として、 記録に残されております。 採取の際に、 生成場所となった人間の生命を 奪うことなく、採取可能な薬種、薬剤もございます。 特殊な素材を飲食し続けた人体内に生じる結石や、 臓器内の

    • 「不思議な薬箱を開く時:薬種・薬剤編」

      「牛の尾と深山の茸」 "大荒の中に山あり、豊沮玉門と名付く、日月の入る所。 霊山あり、巫咸、巫即、巫盼、巫彭、巫姑、巫真、巫礼、巫抵、巫謝、巫羅の十巫、此処より昇降す、百薬此処に在り" 古代中国に記されました「山海經」には、 中国のみならず、星界にまで及ぶ、 天地宇宙森羅万象の事が記録されております。 その中に、「大荒西經」という一篇がございますが、 ここに登場致します十巫は、 西北の霊山に住まい、 男女共に、神事、新儀だけではなく、 医療、薬学に優れていたようでござい

      • 「不思議な薬箱を開く時・薬種、薬剤編」

        いらっしゃいませ。 歴史の片隅に息づく神秘の伝統薬をご紹介致します。 「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」へ、ようこそ。 今回は、どの様なお薬が登場致しますか。 ささ、薬店内へ、どうぞ、お入りくださいませ。 「薬種、薬材としての人魚種の取り扱い及び製剤方法について」一般的に、幻とされ、伝説上とされている海洋生物、 昔話でも、よく登場致します美しい人魚。 今回は、そんな人魚が、希少な薬効を持つ素晴らしい薬種の宝庫であることをご紹介いたします。 歴史的な人魚の説明をざて頂き

        • 「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          いらっしゃいませ。 歴史の片隅に息づく神秘の伝統薬をご紹介致します。 「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」へ、ようこそ。 今回は、どの様なお薬が登場致しますか。 ささ、薬店内へ、どうぞ、お入りくださいませ。 「”おんやどり”という腫瘍と、”おんやどりさま”いう風土病罹患者についての考察」 今回は、歴史の中に埋もれてしまったかもしれない、 「人面瘡」と、同じ症例を持つ奇病についてのお話です。 広い海域に点在する、 小島に約160人から200人ほどの人口で、 長い年月を

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          いらっしゃいませ。 歴史の片隅に息づく神秘の伝統薬をご紹介致します。 「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」へ、ようこそ。 今回は、どの様なお薬が登場致しますか。 ささ、薬店内へ、どうぞ、お入りくださいませ。 「人面瘡についての考察」 六十五年 飛騨國有一人 曰宿儺 其為人 壹體有兩面 面各相背 頂合無項 各有手足 其有膝而無膕踵 力多以輕捷 左右佩劒 四手並用弓矢 是以 不随皇命 掠略人民爲樂 於是 遣和珥臣祖難波根子武振熊而誅之 ー『日本書紀』仁徳天皇65年の条ー

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          いらっしゃいませ。 歴史の片隅に息づく神秘の伝統薬をご紹介致します。 「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」へ、ようこそ。 今回は、どの様なお薬が登場致しますか。 ささ、薬店内へ、どうぞ、お入りくださいませ。 「人面瘡治療薬法」について・5 さて、いよいよ、日本編に入らせていただきます。 「山城国小椋に、ある農夫が体調を崩しし末、半年後に左足に腫物がにきたり この腫物は人の顔のごとく目と口があり、いみじき痛みを伴ひき 試しにその口に酒を入るれば酔ひしやうに赤くなり、 な

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          いらっしゃいませ。 歴史の片隅に息づく神秘の伝統薬をご紹介致します。 「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」へ、ようこそ。 今回は、どの様なお薬が登場致しますか。 ささ、薬店内へ、どうぞ、お入りくださいませ。 「人面瘡治療薬法」について・4こんにちは、みなさん。 今回は、次回予告の通り、 中国での「人面瘡」に効果のある薬剤のご紹介です。 四夷、または夷狄という呼称をご存知ですか? 古代中国において四方に居住していた異民族に対する蔑称です。 異民族の支配を含め、中国大陸を

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          いらっしゃいませ。 歴史の片隅に息づく神秘の伝統薬をご紹介致します。 「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」へ、ようこそ。 今回は、どの様なお薬が登場致しますか。 ささ、薬店内へ、どうぞ、お入りくださいませ。 「人面瘡治療薬法」について・3前回は、中東方面における「人面瘡」の有効投薬剤の説明をさせていただきました。 今回は、北イタリアは、ヴェネチアで発見された医療記録書をご紹介しましょう。 その資料に記されておりました症例と有効薬剤のご紹介です。 たくさんの症例と対処の

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          いらっしゃいませ。 歴史の片隅に息づく神秘の伝統薬をご紹介致します。 「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」へ、ようこそ。 今回は、どの様なお薬が登場致しますか。 ささ、薬店内へ、どうぞ、お入りくださいませ。 「人面瘡治療薬法」について・2さて、前回の予告通り、 奇病中の奇病、人面瘡の施療、投薬剤について。 今回は、主に中東方面においての薬剤をご紹介させていただきます。 アラビアは、古来より医療技術の優れた地域でありました。 十字軍のお粗末極まる負傷者の治療(主に切断

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          「不思議な薬箱を開く時 薬種・薬剤編」

          いらっしゃいませ。 歴史の片隅に息づく神秘の伝統薬をご紹介致します、 「不思議な薬箱を開く時」へ、ようこそ。 今回は、どの様なお薬が登場致しますか。 ささ、薬店内へ、どうぞ、お入りくださいませ。 「人面瘡治療薬法」について東洋に多いとされている奇病中の奇病がございます。 日本では、古くより「人面瘡」と呼ばれておりますが、 浅井了意著『伽婢子』九巻に、 このような記述がございます。 山城国小椋に、ある農夫が体調を崩しし末に、 半年後に左足に腫物がにきたり。 この腫物は人の

          「不思議な薬箱を開く時 薬種・薬剤編」

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          いらっしゃいませ。 不思議な薬ばかりを取り扱っております、 "不思議な薬箱を開く時"でございます。 あら、今回は、季節的にも、手に入りやすいかも? さあ、如何なものでございましょう。 バトラキテス・蟾蜍の宝石 (bufo inaurem) さても、珍しき哉。 身近な生物なのですが、 この蟾蜍の宝石、バトラキテスに至りましては、 まさに、珍宝と言えましょう。 ヨーロッパ、極東、中国と、 この宝石の採取に挑む者たちの記録が残されております。 ええ、もちろん蟾蜍の捕獲は、

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          こんにちは、みなさん。 「不思議な薬箱を開く時・薬種薬剤編」へ、ようこそ。 さて、今回も、手に入れるに困難極まりそうな、 薬種・薬剤のご紹介をさせていただきます。 イクネウモン(Ichuneumon)かくのごとく、われらの救主も、大蛇、 すなはち、埃及の河にゐるパロ、 そはすなわち悪魔を、いよいよ死に至らするまでは、 塵に属するものを身につけらるる 〔エゼキエル、第29章3-4〕 なぜならば、いかにして大蛇滅ぼし得むや?  おのづから基督が無体とせば大蛇は彼に向かひ

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」 バロメッツ(Barometz)

          黒海沿岸、中国、モンゴル、ヨーロッパ各地の荒野に分布する植物です。 かなり希少な為、伝説とされてしまったようですね。 確かに、非常に珍しい植物ですので、 知る者ぞ知ると言えましょう。 しかし、このバロメッツを身近に見ていた原住民たちにとっては、 まさに、当たり前の大自然でした。 伝説とされ、なかなかその存在を信用されない理由の一つに、 バロメッツの、通常では考えづらい植生として、 子羊の入った実がなることでしょう。 「スキタイの羊」「ダッタン人の羊」 「リコポデウム」と

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」 バロメッツ(Barometz)

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          アルラウネについて マンドレイクの亜種として、 ドイツにアルラウネ(Alraune)、 アルラウン、アララウン、アルリュネケン、 エルトメンヒェン(erdmännchen「大地の小人」)があります。 この呼称は、古高ドイツ語の語彙集において、 アルルーナ(Alrûna)、 アルルーン(Alrûn)という単語が当てられています。 ホルヘ・ルイス・ボルヘスによればもとは(Alruna)で、 「ささやき」または「ざわめき」を意味した(Rune)からで、「謎を書かれたもの」

          「不思議な薬箱を開く時・薬種・薬剤編」

          「不思議な薬箱を開く時」

          薬種・薬剤編「マンドラゴラについて・2」さて、みなさん。 前回の続きでございます。 採取に際し、 マンドレイクは、 地面から引き抜くことで、すさまじい悲鳴を上げます。 この凄まじくもおぞましい、苦悶の叫び声を聞きますと、 心身ともに著しい衝撃を受け、正気を失い狂気に憑り依かれます。 この性質からマンドレイクの収穫にはかなりの危険を伴います。 危険性は拭い去れませんが、 マンドレイクの採取方として知られている手法がありますので、 順を追って説明いたします。 用意するも

          「不思議な薬箱を開く時」

          「不思議な薬箱を開く時」

          こんにちは、みなさん。 さて、今回は、ちょっと趣向を変えまして。 歴史に残る薬種・薬剤料のご説明などを させていただこうかと思います。 今までにも、 「聞いたことないよ!」 「なんなの、それ!」 という、お声が聞こえてきそうな、 謎多き神秘の天然薬種・薬剤料が出てまいりました。 ファンタジー小説や、映画、オカルト業界の中でも、 なかなか、有名な薬種からです。 薬剤・薬種資料番号・1マンドレイク(Mandrake) 別名をマンドラゴラ(Mandragor

          「不思議な薬箱を開く時」