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インテリアと人事の仕事  支えてくれた本や言葉

大きな目標も野心もなく自信もなく、でもどこか自分の居場所を探していた22歳のころから好奇心赴くまま少しずつ会いたい人に会いにいったり行きたいところにいったりしているうちに、少しずつ出会いが増えて、自然な流れでインテリアの仕事に就いた。
決まった日からチーフコーディネーターとして選ばれ、幅広くいろいろな仕事を任せていただき、そして、30代後半からカッシーナジャパンが上場する準備から役員になり経営陣として重責を背負うことになった。

タイミングや縁とは不思議だなと思う。

自分から望んでとった仕事や役職は一つもなかったが、自信も何もない自分に仕事を与えていただけることは単純に嬉しく、また出会った多くの恩師たちに、恩返ししたい気持ち、お客様や取引先のに気持ちに応えたい気持ちでいっぱいだった。今も変わらない。心からの、正直な気持ち。

30代後半、役員になったころ、経営とそれまでのリテール事業だけでなくWS営業や営業企画など多くを兼務し、当時全社で100億予算のうち私の予算は80億、事業部のスタッフは160人+代理店のスタッフ数十人となった。
 ー 経営予算はクリア 伸ばしました
( ’大は小を兼ねる’を信じて 他力にも頼って 信念を持って ’営業力’について結果を出す伸ばす考え方に関しては 追って書きます)

そして、人事部という部署がない会社だったので(創業者の方針)、人事管理、全体の新卒中途採用、面接、全社員300人考課など、人事の重積も背負った。正面から向き合えばむきあうほど苦労した。

会社や誰かのせいということではない。ただ小さな会社が様々な事情で短期間に上場を決めたこと大きな過渡期であった。混乱はでる。

自分には無理と自覚しながらも、やってみようとすべて引き受けた。自信などなかったが、対外的にそれを見せることはできないので、自信満々に見えたかもしれないが。こわかったが、やるしかなかった。右か左か、選択は一つ。

古い本
20代半ばから30代にかけてバッグに入れ持ち歩いていたバイブル本
「サイレント マイノリティ」塩野七生
特別なポジションを目指してたワケでなく時代の流れや仕事環境の変化ありまたは運命か役を得てやたら責任が増えてパワハラ多数あり 笑 政治的な争いの渦中でも忖度できないし抗い踏ん張っていた長い時期大切にすべき多くが塩野七生さんの本にあり力をもらった


数字の重責は当然きつかったが、人事の仕事が一番きつかった。

私も30代と若かったので、キャパがないのに、何度も個人面談を行なった。なんとか皆の要望を聞きいい方向に少しでも向けたかった。

個人面談をしながら、人の考え方がいかに異なるか、違うか、想像以上に人の心の中にある現実を目の当たりにした。

誰はいいとか悪いとかではなく、私の好き嫌いでもなく。
人事を経験した人には多くご理解いただけると思うが、好き嫌いの感情は起きない。

個人面談をすると、大半の人が、悪口、または昇給の交渉を言う。
どうすれば会社が良くなるかとか提案よりも、自分の要望だけをぶつけてくる。

「負けたくない」
「他の人と比べないでください。一緒にしないでください。私は他の人と違う。」
「雑誌などにはどうすれば出れるでしょうか。有名になりたい」
「あの人をクビにしてほしい」
「私の評価をあげてください。」
「昇給なければ辞めます」

人によっては、書類やペンを投げる、泣く、奇声をあげる..
信じ難い言動や行動が出る人が時々いた。

 例えば、仕事中に、鏡ばかり見て表情を作る練習?、業界のタレント?メディアに出たり有名になりたい願望のアピールや駆け引き。
もしそれが目標だとしても、目の前にある仕事に誠実に向き合うことが基本なのに。

私は、特に昇給に関しては、経営会議にかけて交渉してみるが、成果無くしてなかなか認められない、当たり前だが。
そして、スタッフは自分が訴えた要望通りにならない場合、不満をぶつけてくる。

もちろん、それは一部のスタッフであり、多くの有能なスタッフはそんな態度はとらず誠実に業務を進めてくれていたが。

平等な評価を精一杯出してきたが、誰もががんばっていると思っているから、高評価しか認められないということだろう。
ただ、自分が若く低い評価が続いたとき、他者と比較したり、
’負けたくない’とか、そんなことは全く思わなかったので、不思議で辛かった。
何に「負けたくない」のか?何者になりたいのか、イケてる人になりたいとは何を目指してるのか、人より優位に立つことが目的なのか、
何が優位で、人を見下すことで満足なのか、
人を故意に陥れて自分のポジションを得たいという野心、強いエゴ、自己主張、
何が欲しいのか..

ときに自分も経営になると誹謗中傷を受けることも増え、
真剣に取り組む自分には理不尽なこと、人に幻滅したり、あらあらゆる理解に苦しんだ。
でも、とにかくまず群れない。相手にしない。理解者は必ずいるもの。どうであれ信念はまげない。

自分のスタッフには平等に愛情がある。心から。それはほんとうのこと。
だからどうしたら皆にとって、組織にとって良くなるか、真剣に考えた。
全国の各拠点で、単価の低い雑貨を目立たない場所で業績を上げようとがんばっている人たちのことまでも同じように思い、深く考え、経営陣に問題提起しあらゆる方向から改善に努めた。

そんな小さな世界での競争心や争いを無くすこと、相手や周りを表面的ではなく心から思いやることが出来れば、社会は世界は良くなるはずなのに。

昔の経験話だけれど今の時代もさほど変わらない気がする。またはもっと人の心は競争心は悪化しているかもしれない。陰湿に。

そうあってはならないと切に願う。

『Enter through the narrow gate 狭き門から入れ』 
信仰はないが読書として読む新約聖書
特に人事の仕事で悩んだときとても励まされた言葉


私にとって、インテリアの仕事とは、華やかで自分が目立つことや表現することではなく、地味なにコツコツと経験積み重ね場数が大切で、使い手から教えていただく謙虚な気持ちで姿勢で、人がインテリアによって生活に喜びを得てしあわせになるために手助けをする仕事だと思う。最初からずっと変わらずそうありたいと思い続けている。


長いインテリアの仕事で実に多くの人と関わりました。
人の心は複雑で難しいけれども、でも、
仲間はもちろん、すてきなお客様や恩師と言える方々に多くの出会に恵まれました。外部でも支えてくださった人たちも。
逝ってしまった人も多いけれど、感謝ばかり。

インテリア業界での出会いについても、今後続きを書いていきたいと思います。


堅苦しい長文
読んでいただきありがとうございます。







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