saki

好奇心のままに生きる日々。 好き嫌いはハッキリしてる方だけど圧倒的に好きなものの方が多…

saki

好奇心のままに生きる日々。 好き嫌いはハッキリしてる方だけど圧倒的に好きなものの方が多い人生。

マガジン

  • 🎥ブラック・ドーナツ・シネマクラブ

    考察なんて高度なことはできません。 映画にまつわる"好き"をただひたすら語る。

  • 喫茶店載録

    訪れた喫茶店について綴ってます。

  • エッセイ

記事一覧

喫茶店載録 vol.2 / 元町サントス

神戸駅と元町駅をつなぐ元町商店街。 賑わいの中にも神戸らしいハイカラな雰囲気と昔ながらの情緒が残るその商店街に、私の好きな喫茶店がいくつかある。 そのうちのひとつ…

saki
3か月前
2

慣れない春

もう何十回も経験しているのに 毎年この季節を迎える度に なんとも形容しがたい感情が漂う。 ほかで味わう“それ”とは少し異なる この季節ならではの感情。 周りは今じ…

saki
6か月前

これぞジム・ジャームッシュのなせる技

"映画"に求めるものは人それぞれだろう。 劇的な展開やドラマティックな出会い、ダイナミックなアクションや大どんでん返しのミステリーなど。 そして誰もが祝福するよう…

saki
7か月前
3

ウェス・アンダーソン流 家族の在り方

前回に宣言してしまったので、私が愛してやまない映画監督のひとり、ウェス・アンダーソン監督の作品について語ろうと思う。 彼自身や彼が生み出す作品の魅力は挙げ出した…

saki
8か月前
4

ブラックドーナツシネマクラブ

私が自宅で映画を観るときに手元に置いておきたいものがブラックコーヒーとドーナツ。 あとは時々、紙とペン。(観てるときに覚えておきたい言葉や後で調べたい単語とか出…

saki
1年前
1

喫茶店載録 vol.1/喫茶アゾレス

その店は工場地帯に突然現れた。 トラックが多く出入りすることが予想される開けた駐車場。その奥に佇む定食屋と喫茶店が合体した横長の建物。 開店直後の入店。 恐らく普…

saki
1年前
2

ティム・バートンに招かれた世界

「これ好き!」と衝撃が走り、理屈抜きでその映画の虜になった幼い頃の私。(たしか小学4年生ぐらい) ちゃんと観たと言える映画はジブリ作品かディズニー映画、ポケモン…

saki
1年前
3

喫茶店載録 vol.0/翡翠

私が喫茶店に通うようになったのは たぶんここからだったと思う。 数年前の誕生日に1人旅で京都へ。 気になっていた喫茶店を目掛けてバスを乗り継ぐ。 スマホで地図を見る…

saki
1年前
2

わかっているのに、夏

梅雨の湿気との戦いが冷戦に入ったと思えば 間髪入れずに 突き刺さるような攻撃をしてくる太陽。 明らかにそれは夏のもので その季節が来たことを文字通り肌で感じ取る。 …

saki
2年前
3
喫茶店載録 vol.2 / 元町サントス

喫茶店載録 vol.2 / 元町サントス

神戸駅と元町駅をつなぐ元町商店街。
賑わいの中にも神戸らしいハイカラな雰囲気と昔ながらの情緒が残るその商店街に、私の好きな喫茶店がいくつかある。
そのうちのひとつが元町サントス。

何度か訪れたことはあるけれど、中でも記憶に残っているのはコロナ禍のタイミングで立ち寄ったときのこと。

まだ距離をとるための空席が目立つ中、常連らしき人やサラリーマンの2人組、マダムたちがおしゃべりしていた。

私は2

もっとみる
慣れない春

慣れない春

もう何十回も経験しているのに
毎年この季節を迎える度に
なんとも形容しがたい感情が漂う。

ほかで味わう“それ”とは少し異なる
この季節ならではの感情。

周りは今じゃない何処かを見つめ始める。
私はここにずっと浸かっていたいだけなのに。

何度この季節を通り過ぎていても
やっぱり私はまだ慣れない。

これぞジム・ジャームッシュのなせる技

これぞジム・ジャームッシュのなせる技

"映画"に求めるものは人それぞれだろう。

劇的な展開やドラマティックな出会い、ダイナミックなアクションや大どんでん返しのミステリーなど。
そして誰もが祝福するようなハッピーエンドや、あたたかな結末が待ち受けている。たまに観る側に問いかけるような含みを持たせたラストシーンがあったりなんかして。

大抵の作品が物語という形式をとっている以上そうなることが多いし、観る立場の我々も心のどこかでそれを期待

もっとみる
ウェス・アンダーソン流 家族の在り方

ウェス・アンダーソン流 家族の在り方

前回に宣言してしまったので、私が愛してやまない映画監督のひとり、ウェス・アンダーソン監督の作品について語ろうと思う。
彼自身や彼が生み出す作品の魅力は挙げ出したらキリがないのだけれど、今日はその中でも家族の在り方について取り上げたい。

と、ここまで書いておきながら筆が進まないこと数ヶ月。そして2023年から2024年へと年を跨ぎ、すでに飽き性の性格が浮上してきている。
軽い気持ちで書くつもりだっ

もっとみる
ブラックドーナツシネマクラブ

ブラックドーナツシネマクラブ

私が自宅で映画を観るときに手元に置いておきたいものがブラックコーヒーとドーナツ。
あとは時々、紙とペン。(観てるときに覚えておきたい言葉や後で調べたい単語とか出てきたときにメモする為)
余談だが、私は基本的に映画は映画館で観たい派。
そして何かを始めるときは形から入るタイプ。

ということで、映画にまつわる"好き"を勝手に語るだけの場所として、ひとまず名前をつけてみた。
形から入るタイプなので!

もっとみる
喫茶店載録 vol.1/喫茶アゾレス

喫茶店載録 vol.1/喫茶アゾレス

その店は工場地帯に突然現れた。
トラックが多く出入りすることが予想される開けた駐車場。その奥に佇む定食屋と喫茶店が合体した横長の建物。

開店直後の入店。
恐らく普段の客層に当てはまらない私に、入るやいなや店員さんから「Instagram見て来られたんですか?」と声をかけられる。
私は「はい。地元の者なんですけど、ここに喫茶店があるの知らなくて。」と答えた。

そこから店員さんは優しい声のトーンで

もっとみる
ティム・バートンに招かれた世界

ティム・バートンに招かれた世界

「これ好き!」と衝撃が走り、理屈抜きでその映画の虜になった幼い頃の私。(たしか小学4年生ぐらい)

ちゃんと観たと言える映画はジブリ作品かディズニー映画、ポケモンの劇場版ぐらいだった当時。
そんな中、世間ではハリーポッターやロード・オブ・ザ・リングといったファンタジー大作映画が盛り上がっていて私の母も映画雑誌を買い込むぐらいには洋画にハマっていたようだった。

その影響かもあってか、アニメーション

もっとみる
喫茶店載録 vol.0/翡翠

喫茶店載録 vol.0/翡翠

私が喫茶店に通うようになったのは
たぶんここからだったと思う。

数年前の誕生日に1人旅で京都へ。
気になっていた喫茶店を目掛けてバスを乗り継ぐ。
スマホで地図を見るため
12月の夕方前の冷たい空気に
素手を晒しながら歩くと
道の角に大きな白い外壁に青の3本線。

入口から歴史を感じる趣きで、
中に入ればさらにその味が増す。
初めて来たにもかかわらず
昔の思い出があるかのような懐かしい気持ち。

もっとみる
わかっているのに、夏

わかっているのに、夏

梅雨の湿気との戦いが冷戦に入ったと思えば
間髪入れずに
突き刺さるような攻撃をしてくる太陽。
明らかにそれは夏のもので
その季節が来たことを文字通り肌で感じ取る。

容赦なく刺さる陽射しは
私から色んな養分を奪っていく。
毎年少しずつ上がっていく気温や
息をするのも億劫になる熱気にも辟易する。

それなのに
それをも超える根拠のない期待が
"夏"という言葉の背景には存在する。

今回もきっと
これ

もっとみる