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アマゾンジャパンは、どうして「合同会社」なの?

先日「株式会社」の英語表記についてnoteを書きました。

↑ こちらのnoteを書いているときに色々情報を調べていくと「合同会社」について、面白い内容などを色々見つけましたので、今日はそのことについてお話ししたいと思います。

いきなりですが、みなさん日本のアマゾンって「合同会社」ということを知っていましたか!?正式表記は、「アマゾンジャパン合同会社」。僕は、「アマゾンジャパン合同会社」ということは知っていたのですが、正直そこまで気に留めておりませんでした。しかも意外と大手企業なのに「合同会社」で活動している企業さんがたくさんありました。

・グーグル合同会社
・アップルジャパン合同会社
・アマゾンジャパン合同会社
・ソフトバンクグループジャパン合同会社
・ユニバーサルミュージック合同会社
・合同会社西友

なんとGAFA(フェイスブックを除く。)が「合同会社」なのは知りませんでした!日本では、「株式会社」の方が信頼があって上、「合同会社」は小さい企業とかスタートアップが作るイメージという暗黙の認識があります。でも、GAFAも「合同会社」を使っているので、これにはなにか大きな理由があるのだろうと思い、色々調べてみました。

その中で特に個人的に「アマゾンジャパン」が合同会社という点について興味を持ったので、「アマゾンジャパン」をベースにnoteにまとめさせていただきます!

まずそもそも「合同会社とはなんぞや!?」だと思いますので、簡単にまとめてみました。

合同会社とは。

・出資者と経営者が同じ人物。
・出資者全員が有限責任社員。
・アメリカのLLC(Limited Liability Company)がもと。

合同会社のメリット。

・出資者と経営者が同一人物かつ、株や株主というものがないので、
 経営が自由かつスピーディーに行える。
・「株」という概念はなく、「人」が主体のため、
 利益の配分は「人」に対して自由に分け与えられる。
・株式会社のような機関設計(監査役や会計参与)を置く必要がない。
・決算の公表義務がない。
・株式会社より設立コストが半分以下かつ、手続きが簡単。
・株主や機関設計などがないため、
 経営決済決済権や手続きがスムーズかつ柔軟性がある。

合同会社のデメリット。

・日本では、株式会社に比べて信用信頼が低く見られてしまう。
・上場することができない。
・「人」に重点を置いているので、人間関係が経営に影響しやすくなる。

さあ、やっとここから本題になるのですが、「アマゾンジャパン」がどうして合同会社なのかについて、まとめました。またこちらの情報は、あくまでネット上での情報となります。「アマゾンジャパン」から公式に理由などが公表されているわけではないので、参考程度までにお願いします。

機関設計が必要ないため。

これが考えられる理由の一番大きなところみたいです。日本の株式会社であれば、「株式総会」や「取締役会」また「監査役」や「会計監査人監査」など、色々手続きを都度しなくてはならず、日本の会計監査基準に合わせる必要があります。しかし「合同会社」であれば、そういったものを開催・設置する必要がなくなるので、かなり楽になります。また会計監査基準なども日本ではなく、母国のものに合わせられるのでそこも大きなメリットにあるのではと考えられています。母国ルールに合わせた会社運営ができるのは、外資企業にとってとても大事なことです。

利益配分が柔軟に行えるため。

通常「株式会社」では、「株主」が保有する「株」の数に応じて利益配分が行われます。一方「合同会社」では、出資比率や持ち株数などに応じて利益配分をする必要がありません。そのため、自由に自社にて設定が可能です。これも外資企業ならではのメリットになりますね。

※「合同会社」は、そもそも「株」という概念がありません。

決算の公表義務がないため。

こちらは、あまり大きな要因ではないのですが、「合同会社」のメリットにもなるところですので、もしかしたら理由にはいっているかもしれません。「アマゾン」自体がアメリカ親会社側にてしっかり決算公表などをしており、またその中に「アマゾンジャパン」の決算情報(IR)も入っているので、大きな理由には入っていないかと考えられます。

アメリカ親会社との一体課税(パス・スルー課税)対策のため。

パス・スルー課税とは。
「法人」の所得にではなく、「出資者」の所得に対して課税すること。
↑ ここでの「法人」と「出資者」は、下記の通りです。
法人 = アマゾンジャパン合同会社
出資者 = アマゾン親会社

日本で「株式会社」も「合同会社」も税金は同じになります。しかしアマゾンのように「アマゾンジャパン合同会社」の出資者が「アマゾン親会社(アメリカ)」である場合、アメリカの法人税法が適用され「アマゾン親会社」のみに課税されます。

つまり。合同会社がアメリカ会社の子会社の場合は、日本子会社(アマゾンジャパン合同会社)には課税されず、アメリカ会社(アマゾン親会社)に対してのみアメリカの税法が適用される形となります。これが「パス・スルー課税」といわれるものです。

こちらも合同会社にした理由になっているかと考えられています。

以上になります。

正直「合同会社」のデメリットは、信用や認知度によるものが大きく、エンドユーザーや取引先が日本中心の場合は、「株式会社」の方がよいかもしれません。しかし、エンドユーザーや取引先などが海外やまた対面での取引が多くない(IT関係や小規模事業など。)場合は、「合同会社」にする方が全体的によいかと。そのため、ほとんどの大手外資企業は「合同会社」にしているのかもしれないですね。

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りゅうた

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木村りゅうた @ 株式会社ニュークラウド
こんにちは。 株式会社ニュークラウドの代表「木村」です。 noteでは、主に「ビジネス」について書いています。 みなさんのサポートと応援により、クリエイティブな活動が続けられています。 本当にありがとうございます。 これからも応援のほど、よろしくお願いいたします😊