マガジンのカバー画像

絶望のキッズ携帯

26
全ての引きこもりに捧げる! 【あらすじ】 嫁の友達である神戸在住42歳のババアには春から中学生になる不登校児の息子がいる。癇癪持ちでゲーム廃人のクソガキ。何とかならないかと嫁に相…
運営しているクリエイター

#連載小説

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第1話 嫁の友達

嫁が遠方に住んでいる友達とビデオ通話をしている。神戸在住のその女は何やら悩んでいるようだ…

白瀬隆
3か月前
1

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第3話 翻訳家

まず俺について書く。翻訳家というとどのようなイメージを持つだろうか。良いイメージがあるな…

白瀬隆
3か月前

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第4話 研修医

もともと俺は歯医者だった。正確には免許が取り消しになった訳ではないので現在も歯医者なのだ…

白瀬隆
3か月前
4

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第5話 歯医者さん

町の歯医者さんに勤めることになった俺は、郊外の焼肉屋さんというアットホームな空間で歓迎会…

白瀬隆
3か月前

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第6話 心眼

院長はなかなかに物腰が柔らかな五十歳くらいの男だった。そしてクリニックもなかなかに繁盛し…

白瀬隆
3か月前

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第9話 出発

翌日、ガキは空港へと送られた。一応本人も興味を示していたようだから拉致や虐待の類には当て…

白瀬隆
3か月前

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第10話 長崎市内行き高速バス

俺とガキは並んで席に座った。出だしから立腹していたガキだったが、気分はすぐに持ち直したようで、外の景色に夢中だ。俺はそんなガキを見ながら、この間まで精液だったんだから仕方ないなと呆れていた。しかしせっかく来たのに会話がないようでは意味がない。バーで一人、ウイスキーをロックで飲みながら時間を潰している女を包み込むような声で、大人の余裕を感じさせる言葉をかけた。 「お前んちのババア、頭おかしいのか?」 ガキの空気が凍った。二杯目はフローズンダイキリだ。人の母親に何てことを言うんだ

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第11話 太麺皿うどん

長崎空港からの高速バスは繁華街から少し離れたところにある長崎バスターミナルとかいう建物に…

白瀬隆
3か月前
6

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第12話 愚痴

食事を済ませ、俺たちは家に帰った。さあ、聞こうじゃないか。お前が何をしに来たのかを。太麺…

白瀬隆
3か月前
5

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第13話 中学デビューのために

事態の深刻さに気付き始めたからには、策を用意しておいて損はない。このガキは今後も友達がで…

白瀬隆
3か月前
4

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第14話 スマホがない

ひとしきり笑ったガキは、長崎に辿り着いた時とは全く違う、子供の顔を見せ始めた。俺クラスの…

白瀬隆
3か月前
1

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第15話 一歩目

十円クソ野郎であるこのキッズは、一度親を泣かせる必要がある。それも今までのように自分が迷…

白瀬隆
3か月前
5

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第16話 自己紹介

自己紹介。その名の通り、自分を知ってもらう行為だ。陽気な自分を売り込んでもいいし、淡白に…

白瀬隆
3か月前
4

【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第17話 台本

台本ができた。俺たちはプリントアウトし、ガキに渡した。さあ、読んでみろ。 初めまして。〇〇小学校から来ました。●●です。 好きな食べ物は焼き枝豆とアサリの酒蒸しです。 僕はキッズ携帯しか持たされていないので、キッズと呼んでください。 キッズ携帯ではLINEができません。 だから皆さん、僕にはショートメッセージで連絡してください。 すみません、十円かかりますので、僕は十円クソ野郎です。 よろしくお願いします。 俺は満足した。ガキ一人の人生を救ってしまった。これほどタフで優し