青木隆介

17時過ぎには大体酔っ払って好きなことを書き散らします。

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最近の記事

個人の力から集団の力へ~映画『仁義なき戦い 代理戦争』~

『仁義なき戦い』シリーズの第3弾です。 とは言え、第2弾『広島死闘編』が「山中正治」という個人に焦点を当てた作品だったため、第1弾『仁義なき戦い』の続編、という意味ではこちらが正統と言えそうですね。 第1弾の『仁義なき戦い』も、組織としての極道の戦いや、自由と求めていたはずが極道という組織内のしがらみや人間関係でどんどん不自由になっていく姿を描いていましたが、この『代理戦争』はさらにその色が強くなっています。 広島だけでなく、神戸にまで話の範囲は広がり、そのなかで極道同士が

    • カーリングの魅力を知るには最適な映画かもしれない~映画『カーリングの神様』~

      初めて「カーリング」というスポーツを知ったのは、たぶん長野オリンピックくらいの時期かな、とあやふやな記憶を思い起こしています。 最初は正直に言って「変なスポーツ」という印象でした。 それまでに知識として持っていたウインタースポーツとは、ちょっと違う感じを受けたわけですね。 なんかウインタースポーツって、氷や雪の上をすべる、みたいな感じで「最小限の道具で競い合う」みたいなイメージがあったんです。 それがカーリングでは、変な丸い石やらモップみたいなものやら、いろいろ出てきて……

      • ちょっと設定が複雑すぎたかな~映画『劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ109』~

        シリーズ、発売開始から25年だそうです。 シアター内の座席は、半数程度は埋まっていたでしょうか。 サービスデーとは言え、平日の夕方スタートでこの客入りなら、上々と言えるでしょう。 邦画だと平日は、本当にお客さんが数えるほど、なことも少なくありませんから、根強いファンがいるシリーズですよね。 まあ、私もそんなファンのひとりであります。 こういう作品のファンだ,と言うと、ときどき「え、あんなの作り物じゃん」って言われるのですが。 わかってないですよね、フェイクドキュメンタリーの

        • 子ども向けかと思ったらかなり大人向けだった~映画『レッド・ワン』~

          11月のこの時期に、クリスマス映画の公開。 せめて12月……と思ったのですが、いろいろと事情もあるのでしょう。 12月だと、強力なライバル映画も増えそうですし(某ディズニー作品とか)。 ちなみに「去年もなんか、サンタの映画観たな」と思って調べてみたら、『バイオレント・ナイト』でした。 サンタが強盗団とガチで戦う、なかなかとんでもない作品でした。 ちなみに日本公開日は、2023年2月3日だったようです。 映画の内容と公開する季節って、あんまり関係ないんですね。 それはともか

        • 個人の力から集団の力へ~映画『仁義なき戦い 代理戦争』~

        • カーリングの魅力を知るには最適な映画かもしれない~映画『カーリングの神様』~

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        • 子ども向けかと思ったらかなり大人向けだった~映画『レッド・ワン』~

          本当にすべての人間に「イマジナリー」っていたんですかね?~映画『イマジナリー』~

          パンフレットがなかったってだけで、個人的にはちょっと評価を下げざるをえないんですが……。 そのあたりは仕方がないとして。 どうも「ホラー映画」としても、中途半端な感がする作品との印象が残りました。 大事な「怖さ」の点が、ほとんどないんですよね。 クマのぬいぐるみ「チョンシー」、これが幼い少女であるアリスの「イマジナリー」としての役割を果たしているわけですが、怖いかと言われると……。 やったことと言えば、アリスの姉と仲良くなった近所のチャラい男に襲い掛かるのと、アリスに「ゲー

          本当にすべての人間に「イマジナリー」っていたんですかね?~映画『イマジナリー』~

          事前の想像とはちょっと……いや、だいぶ違ったかな~映画『ルート29』~

          この作品を観る前はですね、車での旅を通じて綾瀬はるかさん演じる、のり子(トンボ)と大沢一菜さん演じる、ハルが絆を深めていく……的な作品だと想像していたんですよ。 でも実際に観てみたところ、「だいぶ想像とは違ったな」というのが素直な感想です。 なんかずっと、変な夢を見ているような気持ちになるんですよね。 現実と幻想の境目が曖昧な世界を描くのが狙いなのでしょうか。 悪い言い方をしてしますと「意味不明」「雰囲気だけ」の物語に感じてしまいました。 いや、世界観としてはけっして嫌い

          事前の想像とはちょっと……いや、だいぶ違ったかな~映画『ルート29』~

          ちょっとした「リアルさ」を感じさせれば空想も現実味を帯びる~映画『あたしの!』~

          少女マンガを原作とした、イケメンと女の子の恋愛ストーリー映画。 言ってしまえば、よくあるパターンですよね。 内容的にもそうですが、観に来るお客さんはイケメン俳優目当てと思われる女性ばかり。 男性客はざっと見たところ、私のみでした。 いいんですけどね、映画に関しては完全に雑食性の私は、このタイプの映画も良く観ているので「男性客ひとり」のパターンにも慣れてますから。 内容としては、本当に「よくあるタイプの物語」ではあります。 学校で一番カッコいいイケメンと、主人公の女の子との恋

          ちょっとした「リアルさ」を感じさせれば空想も現実味を帯びる~映画『あたしの!』~

          「ハードボイルド探偵モノ」って、やっぱカッコイイよね~劇場版『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』~

          新しいアニメがスタートすると、可能な限りチェックできるものはチェックするようにしています。 『風都探偵』との出会いも、たまたま新しく始まったからとりあえず録画しておいた、というもの。 最初は「仮面ライダーモノ」であることすら知りませんでした(そもそも『仮面ライダーW』を見たことがなかった)。 で、見たところ「これは面白い」と。 そもそも仮面ライダー(というか特撮)が好きですし、キャラクターもひとりひとり魅力的で、絵もキレイで、アクションも良くて。 なによりも「探偵モノ」の雰

          「ハードボイルド探偵モノ」って、やっぱカッコイイよね~劇場版『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』~

          なんかドロドロした人間関係だけど、こういうのが流行りなんですかね?~映画『劇場版BanG Dream!It's MyGO!!!!! うたう、僕らになれるうた&FILM LIVE』~

          テレビシリーズを前後編、2本の劇場版にまとめたタイプの作品です。 最近はこういう、テレビアニメの総集編的な映画も増えましたね。 テレビシリーズを観なかった人間からすれば、ありがたいことです。 で、これは後編のほう。 一応前編も観ているんですが、正直言って細かい展開などは完全に忘れていました。 本編前の「鑑賞時の注意」のミニアニメがあるんですが、「このキャラ、どんな奴だっけ」と戸惑うレベルです。 もちろん、本編が始まってからなんとなく思い出してはきたんですが。 これは映画の

          なんかドロドロした人間関係だけど、こういうのが流行りなんですかね?~映画『劇場版BanG Dream!It's MyGO!!!!! うたう、僕らになれるうた&FILM LIVE』~

          戦場のヒーローでありながら、反戦思想の反映でもある~映画『ランボー/怒りの脱出』~

          『ランボ―』の続編、前作は街中で大暴れしたランボーが、因縁の地であるベトナムへ。 米国人捕虜を救出するために、大暴れします。 戦場で大暴れするランボー、この姿こそ、「ランボー」と聞いてイメージする姿ですよね。 ただ基本的には、敵から発見されないようにする隠密行動的な作戦のため、序盤から中盤くらいまではけっこう地味な感じ。 それはそれで、音が出ないように投げナイフや弓矢を活用した戦いを見せてくれて、見どころではありますが。 むしろ隠密行動のわりに、完全に「見つかったら殺せばい

          戦場のヒーローでありながら、反戦思想の反映でもある~映画『ランボー/怒りの脱出』~

          上にいいように使われる任侠道とは?~映画『仁義なき戦い 広島死闘編』~

          はっきり言って「極道の世界」に憧れはありませんが、それでもなんとなく「格好良さ」を感じさせられた、前作『仁義なき戦い』。 そんな前作が「任侠の世界を描いた群像劇」だったとすれば、続編の『仁義なき戦い 広島死闘編』は、どちらかと言えば北大路欣也演じる「山中正治」個人を中心に据えた内容だった、と言えるでしょう。 山中自体は度胸も座っていますし、狙った相手はほぼ確実に仕留める、ヤクザ的には評価される人間なのかもしれません。 しかし菅原文太演じる「広能昌三」のようなタイプと比べると

          上にいいように使われる任侠道とは?~映画『仁義なき戦い 広島死闘編』~

          相手が知らない力を使って勝つのは「頭脳戦」と言えるのか?~映画『劇場版ACMA:GAME 最後の鍵』~

          あらかじめ言っておきますと、私、ドラマは観ていません。 なのになぜ観ようと思ったのかと言えば、番宣映像で「なんかでっかい怪獣みたいなのが、街の中をのし歩いているシーンを観た」ためです。 なんかそういう怪獣映画っぽいシーンがあると、とりあえず観てみようかなって思ってしまうんですよね。 これはもう、怪獣好きの身にかけられた呪いみたいなものです。 ……で、『ACMA:GAME』の話ですが。 悪魔の鍵を99本集めるために、鍵の持ち主たちがさまざまなゲームで頭脳戦を繰り広げる、てこと

          相手が知らない力を使って勝つのは「頭脳戦」と言えるのか?~映画『劇場版ACMA:GAME 最後の鍵』~

          構造上仕方がないけれど、ちょっと長いね~映画『八犬伝』~

          タイトルだけは知っているけれど、意外とちゃんと読んだことがない人が多い『南総里見八犬伝』。 ちなみに私の場合、世代的に1983年の映画『里見八犬伝』の印象が強いです。 あの映画も、タイトルと設定を借りて中身は全然別物の二次創作みたいなものですが。 それはともかく。 『八犬伝』です。 作者である曲亭馬琴のライフワークと言える作品が『南総里見八犬伝』ですから、その書き始めから書き終わるまでを描けば、馬琴の後半生はほぼすべて描かれることになります。 そんな「実」の世界だけでなく、

          構造上仕方がないけれど、ちょっと長いね~映画『八犬伝』~

          主人公の行動にイラつくことがしばしば~映画『十一人の賊軍』~

          圧倒的に不利な少人数の集団が、大人数の敵に立ち向かう物語には、人間の心を燃えさせる何かがあるのでしょうか。 このシチュエーションを取り入れた映画は、かなりの数が制作されています。 考えてみれば「大人数で少人数の敵をあっさり捻り潰す」なんてシチュエーション、単なる弱い者いじめになってしまって映画化はされないでしょうから、逆シチュエーションが映画化されるのは当然ではあるんでしょうが。 『十一人の賊軍』も、このシチュエーションを踏襲した映画です。 題材は戊辰戦争、奥羽越列藩同盟と

          主人公の行動にイラつくことがしばしば~映画『十一人の賊軍』~

          現在の東京の姿を記録する意味では貴重な映画かも~映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』~

          あらかじめ書いておきますと、私はアイドルにはほとんど興味がありません。 そのため、この映画に出演している「日向坂46」の4期生の女の子たちがどんな子なのかも知りませんし、興味もありません。 その点はご容赦ください。 東京に就学旅行にやってきた女子高生たちが繰り広げる、ドタバタ青春群像劇、と言えばわかりやすいでしょうか。 メインの登場人物だけでも11人、全員に等しく見せ場を作らなければならない縛りがあったであろうなかで、さまざまな事件をうまく組み合わせて、しっかりと全員を出し

          現在の東京の姿を記録する意味では貴重な映画かも~映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』~

          1回観たらしばらくは観なくて良いかな……~映画『MIND GAME マインド・ゲーム』~

          アニメ業界を知る人間なら、湯浅政明監督のことを知らない人はいないでしょう。 そんな湯浅監督の初長編アニメ映画作品が、この『MIND GAME マインド・ゲーム』です。 はっきり言って、観る人を選びます。 楽しめる人は楽しめるでしょうが、楽しめない人は楽しめないでしょう。 もちろん、どの作品でもそれはあるのですが、この作品はあまりにもアクが強すぎるためです。 もともと湯浅監督の作画自体、アクが強いのですが、この作品は演出もまさにやりたい放題。 登場人物の顔が突然声優を務めて

          1回観たらしばらくは観なくて良いかな……~映画『MIND GAME マインド・ゲーム』~