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現在の東京の姿を記録する意味では貴重な映画かも~映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』~

あらかじめ書いておきますと、私はアイドルにはほとんど興味がありません。
そのため、この映画に出演している「日向坂46」の4期生の女の子たちがどんな子なのかも知りませんし、興味もありません。
その点はご容赦ください。

東京に就学旅行にやってきた女子高生たちが繰り広げる、ドタバタ青春群像劇、と言えばわかりやすいでしょうか。
メインの登場人物だけでも11人、全員に等しく見せ場を作らなければならない縛りがあったであろうなかで、さまざまな事件をうまく組み合わせて、しっかりと全員を出しながらシナリオをまとめあげてある、というテクニックの点では、高評価でした。
シナリオの内容自体は、そこまで大事件が起こるわけでもなく、平凡と言えば平凡なのですが……それも「イマドキの女子高生」感を出すという点では、成功しているかと。

そもそも「そこまで大事件が起こるわけではない」というのは、私のような「部外者のおじさん」の視点からの意見ですからね。
映画の中の彼女たちにとっては、起こっているすべてが思い出に残るような大事件であるわけで。
そんなキラキラした女の子たちの姿を見ていて、自分が年を取った事実に苦笑いせざるを得なくなりました。

というわけで、私にとってこの映画は、東京の観光名所案内映画的な位置づけに落ち着きそうです。
ただし観光案内映画と言うには、ひとつひとつの観光地がそこまで深堀りされているわけでもないので、物足りない部分があるのも確か。
コロナ後に撮影されていると思われますので、現在の東京の姿を細かく映像に残している、という意味で評価したいかな、というのが正直なところですね。

ちょっとクスっと来たのは、班行動からはぐれたときに言い訳みたいな感じで「パラレルワールド」とか「異世界転生」とかの言葉が普通に出てきた部分。
ありえないと思いつつ、なんとなく「そんなこともあるのかも?」と受け入れてしまうのは、現代の高校生っぽさなんですかね?

この辺のシーンが予告編にあって、「ひょっとしたらSF展開もあるのか?」とちょっとワクワクした私としては、見事に「釣られた!」て感じではありますが。

と、アイドルファンではないひとりのおじさんの感想としては、こんなところです。
もし自分が日向坂ファンだったとしたら、また違った楽しみ方が山ほどあったのでしょうね。
そういう意味では、やっぱり「ファン向けの映画」と考えておくのが、評価としては妥当なのかもしれません。

とは言え、ファンでなくても楽しめることは楽しめる映画ではあるので、映画としてのできはかなり良いと思えました。

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