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カーリングの魅力を知るには最適な映画かもしれない~映画『カーリングの神様』~

初めて「カーリング」というスポーツを知ったのは、たぶん長野オリンピックくらいの時期かな、とあやふやな記憶を思い起こしています。
最初は正直に言って「変なスポーツ」という印象でした。
それまでに知識として持っていたウインタースポーツとは、ちょっと違う感じを受けたわけですね。

なんかウインタースポーツって、氷や雪の上をすべる、みたいな感じで「最小限の道具で競い合う」みたいなイメージがあったんです。
それがカーリングでは、変な丸い石やらモップみたいなものやら、いろいろ出てきて……。
はっきり言って「なんかテレビでたまに見る、馴染みの薄い競技」なイメージだったんです。

実は私、長野県出身です。
しかもこの映画の舞台となった御代田町の隣、佐久市の生まれ。
「そもそもスポーツ全般に対する興味が薄い」「なぜわざわざ寒い思いをしてウインタースポーツをするのか理解できない」という性質を持つ人間ですので、カーリングに対しても興味が薄かったわけですね。

そんな私でも、この映画を観て「あ、カーリングってけっこう面白そう」と思えたのだから、大したものです。
自分でやろうとは思いませんが、少なくともテレビで放送していたら見てもいいかな、と思えるくらいには、カーリングの魅力が伝わりました。

たまにスポーツ映画、とくに全然知らないスポーツの映画を観ていると、あまりにも説明不足でそのスポーツについて理解ができない場合があります。
そうなると、スーパープレイの描写が出ても「なんかスゴかったんだな、よくわからんけど」となってしまって、100%楽しめたとは言い難い感じに。

その点、この映画は詳細なルール説明があるわけではないですが、ある程度のルール説明はしてくれます。
また試合でも、解説役と実況役が「どういう狙いで、どういうプレイをしようとしているのか」を説明してくれるので、実際にプレイを観てそのスゴさがわかりやすくなるわけですね。
そのため、カーリングが「ただ単に的に向かって石を滑らせる競技」ではなく、高い戦略性を持ったスポーツであることがしっかりと伝わってきました。
カーリングの楽しさを感じさせてくれた点では、高評価の映画です。

あとは高校生の青春物語としての評価ですね。
かつての仲間との対決、仲間同士の反目と関係性の修復、新しい仲間の加入など、基本的なポイントはしっかりと押さえてあり、丁寧な描かれ方はしているので、安心して観てはいられました。
ただ、派手な展開にはあまりならないので、途中で中弛み感がしたのは個人的には否めないか、とも。

あとカーリングの神様が龍なのは、御代田町では龍神まつりが開かれているからでしょうか。
池の石像とか、妙に「龍推し」なのはちょっと「町おこし映画感」が出てしまって、興ざめしてしまいます。

最終的に、御代田のチームを抜けて軽井沢で頑張っていたキャラが、御代田に戻ってきてしまうのも違和感が。
オリンピックにどうしても出たいなら、軽井沢のチームでそのままプレイを続けていたほうが良いのでは。
「友情は再構築できて、今後は良き友人かつライバルとして競い合う」未来を見せてくれたほうが、個人的には好みでした。

一番の問題は、突然エンドロールでコンサートシーンを披露してくれたSTU48の存在なんですよね……。
全然知らないので「長野のローカルアイドルかな?」なんて思っていたのですが、なんで瀬戸内のアイドルグループがエンディング担当なのか。
しかもまるでメイン出演していたかのように、ライブシーンがエンドロールで流されるのか。
意味がわからなすぎて、混乱しましたよ。

彼女たちが悪いのではないことは理解していますが……もうちょっとなんとかならなかったのでしょうか。

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