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昨日は活性酸素が体の中で増えすぎると老化が進むので、抗酸化成分が含まれた食材を食べると良い、という話を書きました。

今日は、抗酸化サプリが危険であることをお知らせします。

抗酸化サプリで死亡リスクが高まる


東京大学非常勤講師の左巻健男さんは「ある臨床試験では、偽薬(プラセボ)のグループに比べて、抗酸化サプリを摂取するグループの死亡リスクが高まったので、試験そのものが打ち切られてしまった。サプリの多量摂取は健康増進どころか、リスクとなる恐れがある」という衝撃の話をされます。

「抗酸化」とは、活性酸素をなくす働きです。そのような働きをする物質を抗酸化物質といいます。

「お茶が体によい」と言われるのは、お茶の中のカテキンというポリフェノールが抗酸化物質であることが大きな理由です。ポリフェノール以外にも、ベータカロテン、ビタミンCやビタミンEなどが抗酸化物質の代表例です。ベータカロテンとは、ニンジンやカボチャなど緑黄色野菜に含まれる抗酸化物質で、体内で必要に応じてビタミンAになります。

活性酸素をなくすことができれば、老化防止になる


その活性酸素が、強い酸化力で細胞膜の脂質を変質したり、DNAを傷つけたりすることで病気や老化の重大な原因になっているという説があります。この活性酸素をなくす働きをする抗酸化物質をたくさん摂れば、老化を遅らせたり、病気を予防することが可能だということになります。

抗酸化サプリで死者増大!


フィンランドの研究の話です。肺がんリスクの高い3万人を無作為に4つのグループに分けて、それぞれにサプリメントを摂取してもらいました。

Aグループ=ベータカロテン
Bグループ=ビタミンE
Cグループ=ベータカロテン+ビタミンE
Dグループ=プラセボ(いわゆるニセモノ)

その結果、体に良いとされるサプリメントを摂り続けたABCグループの方が、プラセボを与えたDグループより、肺がんを発症した人が多く、また、肺がんと心臓病による合計死者数も多いという結果になりました。

死亡リスクが高くなる抗酸化サプリ


もうひとつの臨床試験は、もっと悲惨な結果になりました。肺がんリスクの高い1万8000人を、2つのグループに分けてサプリメントを摂取してもらいました。

Aグループ=ベータカロテンとビタミンA
Bグループ=プラセボ

この研究は6年間続けるはずだったのですが、予定よりも早く打ち切ることになりました。なぜならAグループの方が、プラセボを飲んだBグループより肺がんで死亡するリスクが46%と高く、そのほかの要因で亡くなるリスクも17%あることが分かったからです。

野菜などの自然食品から摂取しましょう!


他にも世界中から注意喚起する症例が報告されています。基礎疾患のない人とある人では、大きさ違いがあるようです。サプリメントは薬ではないから気軽に飲んでいる人がいます。それは、抗酸化サプリ以外でも、十分注意して摂取するよう心がけてください。

ベータカロテンの教訓としては、「野菜や果物からとるよりも、なんらかの単一成分を抽出してサプリメントの形態で多量摂取すると危険性がある」ということでしょう。

 とくに、ベータカロテンに関しては、サプリメントではなく、野菜などの自然食品から摂取するよう食卓に並べてください。健康で長生きするための、秘訣の一つです。つまらない所で病気にならないよう注意しましょう。

厚生労働省のホームページにも危険性を喚起する項目があります。

高用量の抗酸化サプリメントは、場合によっては、有害である可能性があります。たとえば、ある研究結果では、高用量のベータカロチンサプリメントを喫煙者が摂取すると、肺がんのリスクが高まるとしていますし、高用量のビタミンEサプリメントを摂取することは脳出血(脳内出血による脳卒中の一種)や前立腺がんのリスクを高めるとしています。
その他のサプリメントと同じように、抗酸化サプリメントもある種の医薬品と相互作用を引き起こす可能性があります。たとえばビタミンEサプリメントは、抗凝固剤(「血液希釈剤」)を服用している患者が摂取すると出血のリスクを高める可能性があります。また、がん治療中に抗酸化サプリメントを摂取する事についても、矛盾する結果が出ています。効果があるとする実験結果もあれば、ないとする結果もあります。国立がん研究所は、がん治療中の患者はサプリメントを摂取する前に、かかりつけの医療スタッフに相談することを勧めています。

厚生労働省より

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