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子どもと美術

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子どもと一緒に見た美術館やら博物館やら。
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#美術展

【不在からの再配達】MOT コレクション開館30周年記念プレ企画 「イケムラレイコ Rising Light」「マーク・マンダース Frozen Moment」「小さな光」 東京都現代美術館

【不在からの再配達】MOT コレクション開館30周年記念プレ企画 「イケムラレイコ Rising Light」「マーク・マンダース Frozen Moment」「小さな光」 東京都現代美術館

私にとって東京都現代美術館と東京都写真美術館は開館当初から通ってきた、共に歩んできた美術館だ。
自分の人生を変える出会いもあった。
10代の頃からたくさんの刺激を受けた美術館が今年30周年を迎える。
存続を続けてくれてただ、ひたすらありがたい。
これからも一緒に歳をとりたい。

そんな感慨深い気持ちを持って、この美術館が集めてきたコレクション品を見る。
毎度のこと厳かな気持ちより「うぇぇ!すげぇえ

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【新規作成】MOTアニュアル2024 こうふくのしま 東京都現代美術館

【新規作成】MOTアニュアル2024 こうふくのしま 東京都現代美術館

東京都現代美術館が毎年開催している新進の作家によるグループ展示。
結構、見てきてはいる。
しかし数年前はテーマが重過ぎて見るのを避けてしまった展示もあった。(臆病者なので出来れば美術館であまり落ち込みたくないのだ)

今年は意を決してチャレンジ。
結果は「観てよかった」。

気になった作家さん。

臼井良平

展示室にカーブミラーを見た瞬間に「あ、路上だ、これは期待」と見始めたら、まぁ〜面白く。

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【レクイエム】DIC川村記念美術館「西川勝人 静寂の響き」

【レクイエム】DIC川村記念美術館「西川勝人 静寂の響き」

3月末で休館が決定しているDIC川村記念美術館へ行ってきた。

顛末が顛末なのであまり感慨には浸れず。

ただ「なくなってしまうの、残念だわぁ」と無責任に言い放ちたいけどそんな感想も素直に抱けず、言えず。
ああすればよかったのに。こうしたらよかったのではないの?というのも所詮、後出しにすぎず。
この事例を期にこういう顛末の再発を防げるのか?糧にできるんだろうか。
そもそも、美術品なんて流通品、諸行

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【森に浮かぶ魚】フィリップ・パレーノ:この場所、あの空 POLA美術館

【森に浮かぶ魚】フィリップ・パレーノ:この場所、あの空 POLA美術館

箱根の山中にあるPOLA美術館。ウン十億円のゲルハルト・リヒター作品があることでおなじみですが、今回、現代美術の企画展を開催していたので行ってきた。

自分の運転で初東名高速を走って到着。車から降りたら28度とかで快適すぎた。
都内が35度とかの日だったのでまぁ感激。夏の箱根、標高高いところは本当に避暑地だな、と。

さて企画展の概要

中略

作品ひとつひとつ、というより空間の演出、インスタレー

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【窓のない部屋で部屋を見る】アレック・ソス 部屋についての部屋 東京都写真美術館

【窓のない部屋で部屋を見る】アレック・ソス 部屋についての部屋 東京都写真美術館

アレック・ソスの展覧会が写真美術館で始まった。

何か代表的な一枚に惹かれた好きなアーティストだから、というのではなく「室内の写真」という展示テーマに惹かれて見に行った。

この前の期間に行われていた「見ることの重奏」でも室内の良い写真があった。
窓際のカーテンがはためく写真。
実際はミニチュアの室内を撮った作品だったが、あれも面白かった。

写真美術館独自企画というのにも俄然、期待感が高まる。

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【道路コア】SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット ワタリウム美術館

【道路コア】SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット ワタリウム美術館

東京都現代美術館で開催中の高橋龍太郎コレクションで見たSIDE COREの作品郡。

主張の強い作品に少しずつ疑問を持ち始めた高橋さんが次に気になったのが路上の作品だった、という。

自分も赤瀬川原平さんの路上観察学会の影響から路上にあるものが昔から気になるし、好きだった。面白かった。共感しかない。
最初は「路上観察学会が好き」なのだと思っていたが、どうもそこから路上的なもの、道端にある物、に惹か

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【魅せること】「竹林之七妍」「特集展示 野村和弘」「Eye to Eye—見ること」MOTコレクション 東京都現代美術館

【魅せること】「竹林之七妍」「特集展示 野村和弘」「Eye to Eye—見ること」MOTコレクション 東京都現代美術館

毎回、多彩な切り口を見せてくれる東京都現代美術館のコレクション展示室。
改めて、東京都現代美術館のコレクション展の成り立ちをご紹介。

こんな背景である。

なので都美館時代のコレクション品なのか、現代美術館になってからのコレクションなのか、ちょっと意識してみてもおもしろい。
作品リストには受入年度が書いてあるので1995年以前/以降を区切りに見ると結構楽しい。

主に戦後の作品を「コンテンポラリ

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【痛切にして痛快】開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ 東京都現代美術館

【痛切にして痛快】開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ 東京都現代美術館

「開発好明(かいはつ よしあき)氏が2024年夏に東京都現代美術館で個展を開催」

そのフライヤーを見た時、家族全員で「あ、あの人だ!」となった。

5年前の2019年の夏に同じく東京都現代美術館で開催された「あそびのじかん」という企画展の第一展示室に飾られていたのが開発さんの作品だった。

当時5歳と7歳の息子たちは開発さんからサインをもらっていた。
この辺りの毎年夏にやっている現美の展覧会は子

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【ボン埼玉】さいたま市大宮盆栽美術館

【ボン埼玉】さいたま市大宮盆栽美術館

さいたま市にある美術館は埼玉県立近代美術館だけではない。
なんと盆栽の町、盆栽村まで擁する大宮には盆栽美術館なるものがある、と福島に住む美大時代からの友人に教えてもらい、彼女の希望もあって私と次男の計3名で行ってきた。

いきなり盆栽をどーん!と展示するわけではなく、盆栽の見方や専門用語、ここ注目!というイントロダクションのコーナーがある。
様式なども一通りデモンストレーションしてくれる。

盆栽

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【これからは◯◯の時代!】三島喜美代―未来への記憶 練馬区立美術館

【これからは◯◯の時代!】三島喜美代―未来への記憶 練馬区立美術館

原美術館が品川にあった頃、その芝生の中庭にいつも大きな新聞紙が鎮座していた。
私が見た三島喜美代作品の最初は、それだと思う。
原美術館が閉館する時、作品はどうなってしまうのか?と思っていたら群馬県のハラミュージアムアークにちゃんと移設された。一安心。

あとは、現代美術館の常設展示室で見かけたりしていたと思う。
やっぱり、面白くてちょっとクスッと笑ってしまうことに惹かれる性分なせいか、作品は作品な

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【彫刻の上の散歩道】カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 DIC川村記念美術館

【彫刻の上の散歩道】カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 DIC川村記念美術館

千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館。
古典、印象派からミニマルアート、カラーフィールド等アメリカの60年〜80年代中心のコレクションが進み、非常に豊かな常設展を形成している。

今年、中学生になった長男が「ここ、行ったことあるよね?」美術資料集を見せてきた。
掲載されていた写真は川村記念美術館のロスコ・ルームの写真。
え、あの部屋が美術資料集に載るのか…?なかなか面白いチョイスだな?資料集とは

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【読めないモノを読もうとして】本阿弥光悦の大宇宙 東京国立博物館

【読めないモノを読もうとして】本阿弥光悦の大宇宙 東京国立博物館

東博の展覧会は長男がどこからか匂いを嗅ぎつけて行きたい!となるが、今回は夫がずっと楽しみにしていた。
書の展示でフォント的な視点で興味関心があり、気になると。
あと俵屋宗達とのコラボ鶴絵巻ももう一度見たい、と。

美術館と違うので予備知識が多少必要&東博の混雑怖いから綿密なスケジュール管理必須!の私は一瞬怯むのだが好奇心には抗えず行く。
鳥好きの次男に関しては「鶴がいるよ」で誘う。

今回やったス

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【いとしさとせつなさと素朴な心と】みちのくいとしい仏たち 東京ステーションギャラリー

【いとしさとせつなさと素朴な心と】みちのくいとしい仏たち 東京ステーションギャラリー

今回は次男がどこかでチラシを入手し「コレ、なんかかわいいから見たい」と言われていたので、行ってみようということになった。

長男はサッカーの試合だったので次男と二人で行く予定だったが、天候不良で試合は延期。お出かけ先で外食にありつけるかも?という下心も見えつつ「オレも!」となり「では僕も」と夫も一緒に行くことになった。
結局、家族総出で東京駅へ。

今回の趣旨はこちら。

場内、撮影禁止なので実物

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【子も歩けば美術に当る】「歩く、赴く、移動する 1923→2020」 MOTコレクション & 小学生と見る豊嶋康子展 東京都現代美術館

【子も歩けば美術に当る】「歩く、赴く、移動する 1923→2020」 MOTコレクション & 小学生と見る豊嶋康子展 東京都現代美術館

東京都現代美術館のコレクション展示室の入れ替えがあったので早速訪問。

そして先日鑑賞し、すごく満足度の高かった豊嶋康子展を息子二人と見てみたく、誘ったら快諾されたので見に行った。
現代美術は難解なのもあるが身近なもの、考現学に近い作品は楽しめる様子だ。

まずはコレクション展から今回の概要はこちら。

そしてこのコレクション展示室用のパンフレットが毎回大変凝っている。
コレクションしたくなるほど

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