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2020年〜2021年度度版 美術館、企画展めぐり記録

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2020年〜2021年に行った美術館の感想などまとめています
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【美術館めぐり2021】東京国立近代美術館 柳宗悦没後60年記念展 「民藝の100年」

【美術館めぐり2021】東京国立近代美術館 柳宗悦没後60年記念展 「民藝の100年」

2021/11/05 東京国立近代美術館 柳宗悦没後60年記念 民藝の100年

柳宗悦氏の軌跡、民藝運動の紹介、そして今にどう繋がっているのかを展示を追いながら理解していく。所要時間2時間強。

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初期のエピソードは微笑ましく、ロダンが好きでロダン特集雑誌作ってファンレターともにロダンに送りつけたら、まさかのご本人から作品が送られてくるという話。
もう、どれだけ嬉しかっただろうか

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【美術館めぐり2021】水戸芸術館 ピピロッティ・リスト「Your Eye is My island  あなたの目は私の島」

【美術館めぐり2021】水戸芸術館 ピピロッティ・リスト「Your Eye is My island あなたの目は私の島」

10/5 水戸芸術館 ピピロッティ・リスト
「Your Eye is My island  あなたの目は私の島」

パイク氏が創生したビデオアートという時代の最後の方(言うならば後継者)、インスタレーションという言葉の初期の頃。プロジェクションマッピングという言葉の生まれるちょい前、の96年以降〜00年代初頭にその名を良く聞くようになったアーティスト、ピピロッティリスト。

色の印象で言うと蜷川実

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【美術館めぐり2021】東京オペラシティアートギャラリー「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展

【美術館めぐり2021】東京オペラシティアートギャラリー「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展

2021.4.24
イギリス チェスター出身のライアン・ガンダーがオペラシティアートギャラリーのコレクションをキュレーションする企画。
自身の個展が中止になり、何か出来ないか、ということで開催された展覧会。

オペラシティアートギャラリーのコレクションは寺田コレクションと言われ、近現代の作品が中心。

で、通常の常設展示かと思いきや、ライアンの選んだ作品群は暗い展示室に並べられている。
それを懐中

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【美術館めぐり2021】SOMPO美術館 生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて

【美術館めぐり2021】SOMPO美術館 生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて

3/25 金曜日 
SOMPO美術館 
生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて

モンドリアン、と言う名を知ったのは実は絵画ではなく服飾文化史からだった。
サンローランのモンドリアンルックというワンピースは服飾史の中でも外せないアイテムで、モンドリアン<サンローランだったのです、私の中では。98年の「身体の夢」展で京都服飾研究財団が展示していたものを見ているのだ。(2020年にオペ

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【美術館めぐり2021】東京オペラシティアートギャラリー 千葉正也個展

【美術館めぐり2021】東京オペラシティアートギャラリー 千葉正也個展

2021/1/29 金曜日
東京オペラシティアートギャラリー
千葉正也個展

「美術館の展示室に亀が歩いてる」ということで会期前から話題になっていた千葉正也氏の個展。(亀か…動いてる姿が観れる方が稀だろうな)との予感も持ちつつ会場入り。

展示室に延びゆく通路。所々に点在する絵画やオブジェを眺めつつ、心のどこかで亀を探している。
展示がそろそろ終わる、というところまで亀の姿がなかったことに爆笑した

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品川・原美術館の思い出

品川・原美術館の思い出

原美術館の閉館。
2021.1.11
品川 原美術館 最終日。
最後の展覧会には都合がつかず行けなかったので、自分が原美術館で最初に見た展示はなんだっただろう、と振り返りながら原美術館とお別れしたいと思う。

色々思い返してみるが、1番古い記憶は折本立身の「パン人間」の展示な気がする。折本立身氏はフルクサスの一員であり、パフォーマンスアートの人。多分、2000年ぐらいの展覧会て

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2020年行った美術館まとめ14 国立近代美術館「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」

2020年行った美術館まとめ14 国立近代美術館「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」

2020.12.25

国立近代美術館
「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」

2020年は国立近代美術館で美術館納めでした。

2020年、良い流れが来たなと思うのは所蔵品でテーマを決め企画展を作っていくやり方。様々な美術館で行われていた。

いつも企画展のおまけ、のようになってしまった常設展示の所蔵品をしっかりスポットライトを当てるとものすごく面

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2020年行った美術館まとめ12 「生誕100年石元泰博写真展 伝統と近代。」

2020年行った美術館まとめ12 「生誕100年石元泰博写真展 伝統と近代。」

2020.11.13
東京オペラシティアートギャラリー「生誕100年石元泰博写真展 伝統と近代。」

1960年代後半の新宿西口の写真が忘れられない。京王百貨店に「開店3周年」の垂れ幕がかかり、小田急百貨店に「祝!全館開店」の垂れ幕がかかる。
写真こそモノクロだが、今もこの写真と同じ建物が2つ並んでいる。毎日見ている風景だ。
石元さんは、何に気づいてこの風景をシャッターを切

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2020年行った美術館まとめ10 国立近代美術館「ピータードイク展」

2020年行った美術館まとめ10 国立近代美術館「ピータードイク展」

夜の近代美術館は良い。
ずっしりとした時間が流れる。展示室全体に、「良い空気感」があった。

単純に絵の鮮やかさと迫力に圧倒されたのもあるのだけど、なんていうか、金曜の夜間開館狙って観に行った展示室の様子そのものがなんか不思議で、見に来てる人がドイクの絵の世界にいる人みたいだった。
自分もその中に溶け込んでいた気がする。

どことなく、エドワードホッパーの既視感、ヘ

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2020年行った美術館まとめ11 千葉市美術館 「宮島達男クロニクル19952020」

2020年行った美術館まとめ11 千葉市美術館 「宮島達男クロニクル19952020」

2020.10.24
千葉市美術館 「宮島達男クロニクル19952020」

心待ちにしていた宮島達男さんの個展。しかも1995〜という数字がニクイ。

1995年。ちょうど私が宮島さんの作品と出会った頃だ。現代美術が開館したころ。

現代美術館の常設展示室の最後の部屋に真っ赤な発光ダイオードが光っていて、「あぁ現代美術だなぁ」と、「現代美術というのは自由なんだ」という思い込み

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2020年行った美術館まとめ9 サントリー美術館「ART in LIFE, LIFE and BEAUTY」

2020年行った美術館まとめ9 サントリー美術館「ART in LIFE, LIFE and BEAUTY」

2020.8.23
サントリー美術館
ART in LIFE, LIFE and BEAUTY

アートin○○というのは今年のテーマなのかなと、いうくらい耳にする様になってきた。
美術って特別なことでは無いのですよね。
身近から見出せる(路上観察学会なんかもこの辺と繋がっている気がする)

世田谷美術館の建築家、内井昭蔵氏の言葉にも「美術とは生活の中にあって初めて生きるのではあるまいか

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2020年行った美術館まとめ8 千葉市美術館「帰ってきた!どうぶつ大行進」

2020年行った美術館まとめ8 千葉市美術館「帰ってきた!どうぶつ大行進」

2020.8.19
千葉市美術館
拡張リニューアルオープン・開館25周年記念「帰ってきた!どうぶつ大行進」
所蔵作品展「千葉市を中心とした房総ゆかりの作品」

この時久々に千葉市美術館へ行きました。赤瀬川さんの個展以来かな。ここ数年話題になる展示をしていて頼もしい公立美術館である。

この夏はビジュチューン(Eテレの番組)の展示と所蔵品の中から動物の絵だけ揃えた企画展と常設展。

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2020年行った美術館まとめ6 府中市美術館「開いてみよう美術のとびら」

2020年行った美術館まとめ6 府中市美術館「開いてみよう美術のとびら」

2020.7.19
府中市美術館「開いてみよう美術のとびら」

自治体が管理する公立美術館の中では、所属学芸員が著書を出版(主に日本古典美術)していたり、なかなかキャラの立った美術館です。
なんか、あの、財政の豊かさを感じるんですよね、府中市美術館。あれかな、某G1開催できるお馬さんの競技場持ってるからかな。
日本古典美術(ユルい系)&現、近代の油絵版画中心のコレクションを持ってま

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2020年行った美術館まとめ5 世田谷美術館「作品のない展示室」

2020年行った美術館まとめ5 世田谷美術館「作品のない展示室」

2020.7.12
世田谷美術館「作品のない展示室」
夏草がわさわさと茂るこの感じ、地元だなぁ、と。
1番身近な美術館、世田谷美術館の不思議な企画展。
「作品のない展示室」。

セタビは緊急事態宣言中に会期が被っていた企画展が中止になってしまったという非常に悔しい思いをしている美術館である。延期もできず、やむを得ずだとは思うけれど、やはり辛い。

その逆境を逆手に取ったよう

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