【美術館めぐり2021】東京オペラシティアートギャラリー 千葉正也個展
2021/1/29 金曜日
東京オペラシティアートギャラリー
千葉正也個展
「美術館の展示室に亀が歩いてる」ということで会期前から話題になっていた千葉正也氏の個展。(亀か…動いてる姿が観れる方が稀だろうな)との予感も持ちつつ会場入り。
展示室に延びゆく通路。所々に点在する絵画やオブジェを眺めつつ、心のどこかで亀を探している。
展示がそろそろ終わる、というところまで亀の姿がなかったことに爆笑した。
開幕から数日経っていたので、何かトラブルが起きて取り下げのかと思ったけれど、そうではなかった。
曰く、「展示通路の死角に入り込み、止まってしまった。ちょっと前まで活発にしていた」とのこと。
展示室の係員さんの困り顔と訪れていた子供の「亀さんいないの?」という声が会場に響くシュールな状況。
これもまた作品の一部なのかもしれない。
何となく、そうなるのかなぁと思っていた事が的中する時、乾いた笑いが生まれる。
ちょっと身をかがめると、確かに亀らしき物体が留まってるのは確認した。うむ。今はそこにいたいのだね。
ナンセンスな、シュールな雰囲気を纏いつつ、絵画一つ一つには丁寧な描写と観察眼がある。ただ上手な絵で終わらないのはこういう見せる側の仕掛けだとかジャンルに囚われないようにかわしているような、そういう場の作り方がセンスなのだろう。