夫婦問題・離婚カウンセラー 小泉道子

家裁調査官として夫婦問題に取り組んだ後、現在は「家族のためのADRセンター」という民間の調停機関を運営しながら、自らもカウンセラーとして日々ご相談をお受けしています。夫婦の問題は簡単ではなく、人生を大きく左右することもあります。みなさんが自分らしく生きるお手伝いがしたいです。

夫婦問題・離婚カウンセラー 小泉道子

家裁調査官として夫婦問題に取り組んだ後、現在は「家族のためのADRセンター」という民間の調停機関を運営しながら、自らもカウンセラーとして日々ご相談をお受けしています。夫婦の問題は簡単ではなく、人生を大きく左右することもあります。みなさんが自分らしく生きるお手伝いがしたいです。

最近の記事

最初から離婚するつもりで結婚する人はいない。でも間違ったなら1年で離婚してもいい。

想像していなかった離婚という未来 あなたは不幸になるために結婚したのでしょうか。ほぼ全員がノーではないでしょうか。 昔は政略結婚とか、親が決めた結婚とか、本人が望まない結婚もあったかもしれません。でも、現代を生きるみなさんは違うはずです。ひとりでいるのが寂しかったからとか、親を安心させたかったからとか、何か消極的な理由かもしれませんが、少なくても今より幸せになるために結婚したはずです。 しかし、結婚した後、想像していなかった未来が待っていることもあります。それは、夫婦関

    • <虎に翼>梅子に学ぶ「死後離婚」

      朝ドラ「虎に翼」、ご覧になっていますか?私は今更ですが、オンデマンドで視聴を始めました。 主人公はもちろんですが、周辺の登場人物のキャラも素晴らしく、ついつい引き込まれてしまいますよね。私が特に好きなのは、梅子と花江なのですが、今日は、その梅子が選択したと思われる「死後離婚」の話をしたいと思います。 梅子さんの夫はモラハラ夫。そしてお妾さんもいます。そんな夫婦関係でも離婚できなかった梅子。夫の死後、ようやく関係を断つことができたのです。 死後離婚(姻族関係終了届) 死

      • ゴールありきの婚活は離婚を招く?

        ここ数年、結婚相談所や婚活アプリで出会った人と結婚する人の割合が増加しています。株式会社リクルートが運営するブライダル総研によると、結婚相談所や婚活アプリなどの婚活サービスを利用して結婚した人の割合は、2013年では4.7%でしたが、2022年には15.4%にまで上昇しています。結婚したい人にとって、結婚相談所や婚活アプリは、最短距離で結婚を手に入れることができる優れたシステムです。しかし、そうした性質故に、結婚後に問題を抱えやすいこともあります。 私は離婚を扱う民間の調停

        • 夫婦不和の意外な原因:教育虐待の深刻な影響

          教育虐待は、親が子どもに過度に学業を課し、過剰な成果を求めることによって子どもに心身の苦痛を与える行為を指します。この現象は、単に親子間の問題として捉えられがちですが、実は夫婦関係にも深刻な影響を及ぼすことがあります。 例えば、以下のような言動は教育虐待になる可能性があります。 朝5時に未就学児を起こして勉強させる 勉強が終わらないと深夜まで寝かさない テストの点数が悪いと子どもにダメージの大きな罰を与える 「どうして頭が悪いの」「こんな子どもを産んだのは失敗だった

          夫婦の言い分はなぜ食い違うか。1つの事実から2つのストーリーが生まれるわけ

          夫や妻と喧嘩をする際、「なぜこの人は私のことを分かってくれないのだろう」とか、「話にならない、通じない」という感覚を持つ人も多いのではないでしょうか。 そんな風に感じる原因は多様ですが、その一つが「事実は一つでも、見ている場所や感じていることが違う」という理由です。 ぜひ、カウンセラーになった気分で、夫婦カウンセリングの現場の様子をのぞいてみてください(あるあるを詰め込んだ架空の事例です。) 妻が嘘つきか、夫が嘘つきか先日、夫婦カウンセリングにAさん夫婦がやってきました

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          片付けられない妻とは離婚すべき?

          結婚の理想と現実 「結婚の理想と現実」なんてチープな小見出しを付けてしまいましたが、誰しもあるのではないかと思います。女性の場合、結婚したら甘い生活が待っているとか、経済的に恵まれた生活が待っているとか・・・。逆に、男性は「仕事から帰ったら、美味しい夕飯が待っている」とか、「これでもう掃除や洗濯をしなくてすむ」といったように、「結婚≒お世話係ができる」と思っている人もいます。しかし、現実はそう甘くない、ということもあります。 今日は、「結婚したら穏やかで明るい家庭が待って

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          良い謝罪は夫婦関係を救う⁈

          夫婦カウンセリングの場では、よく「謝罪」や「謝ってほしい」といった言葉が飛びかいます。 というのも、結婚は異文化のぶつかり合いであり、どうしたって誤解やけんかが生まれるからです(中には、結婚してから一度も喧嘩をしたことがないなんていう夫婦もいるかもしれませんが)。 そのため、謝罪の質によって、夫婦関係の質が変わるといっても過言ではないくらい、謝罪は重要な役割を担っているのです。 今日は、そんな「謝罪」について、4つのポイントをお伝えしたいと思います。 相手のための謝罪

          つわりのときに妻にしてはいけない言動5選:これをやると妻は一生覚えている

          産後クライシスという言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、「危機」は産前から始まっています。実は、離婚の現場では、「あの時、夫はこう言った」と何年も(ときに何十年も)前の言葉を引き合いに出し、だから離婚したいんだと主張する妻が少なくありません。 夫にしてみれば「そんなに前のことを言われても困るけど・・・。」という感じかもしれませんが、自分がしんどいときに掛けられた心無い言葉というのは、何年も何十年も消えることなく心の奥底に沈みこみ、何かのきっかけで表面に出てくるのです

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          だからあなたが嫌なのよー嫌いの上塗りをしてしまう哀しい夫ー

          夫婦カウンセリングをしていると、ときに辛辣な言葉が発せられることがあります。そんな事例(あるある架空事例)を今日はご紹介します。 ある妻は、夫のモラハラ行為に耐え兼ね、離婚を切り出しました。しかし、離婚したくない夫はそれに応じません。そんな二人が選択したのが夫婦カウンセリングです。 夫はモラハラ的な言動があったものの、現在は妻から離婚を切り出され意気消沈気味です。そのため、妻も「怖い」という気持ちを乗り越え、話し合いの場を持とうと考えたのです。 また、夫としても、「離婚を

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          あなたの家庭内別居度は??放置していると離婚リスクが高まるかも!

          家庭内別居とは、夫婦が同じ住居内で生活しながらも、実質的には別々の生活を送る状態を指します。先日は、10年以上家庭内別居が続いているご夫婦の話を紹介しました。 恐らく、多くの読者のみんさんは、「10年も口をきかないなんて信じられない!」と思うかもしれません。また、「我が家はただお互いに忙しくてすれ違っているだけだから、家庭内別居とは違うわ」と思うかもしれません。 しかし、多くの別居は突然にできあがるのではなく、何となくコミュニケーションが億劫というところから始まり、後戻り

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          10年間、口もきかずに同居しています。

          長年夫婦関係のご相談を受けていると、様々な家庭内別居の話を聞く機会があります。例えば、先日は、家庭内別居が長く続いていて、既に10年間、一言も会話をしたことがないという方からご相談がありました。 同じ家に居ながらにして、10年間口をきかないというのはどんな生活なのか、想像もつかないと思います。しかし、どんな長期間にわたる家庭内別居も、始めからそうなることが予想されていたのではなく、「結果的に」そうなっただけなのです。 そこで、今日は、夫婦不和から家庭内別居へと進行する過程

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          離婚を拒む心の謎:愛か依存か?

          先日、夫から「心から愛したことは一度もない」と言われた妻が、それでも離婚に応じなかった事例(架空)をご紹介しました。 このような事例は決して少なくはありません。ADR(民間調停)をしていると、一方は離婚したい、もう一方は離婚したくないというケースを多く担当することになります。 この点、みなさんならどう考えるでしょうか。多くの方は「嫌われている相手と一緒に住むなんて気まずい」、「離婚したいと言われているのにしがみつきたくない」といったような気持ちになるのではないでしょうか。

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          「ひとりで生きていくことを考えると寂しくて死にそう。」心が欲しかった妻の話(第3話)

          結婚25年で離婚協議を始めた2人ですが、どんな話合いになったのでしょうか。ここまでの経緯は、ぜひ第1話と第2話を見ていただければと思いますが、「一度も妻を心から愛した瞬間はない」と言い放った夫に対し、妻は、夫のいうような離婚理由は認めない、そんな態度でした。そんな二人の離婚協議はどう進んでいくのでしょうか。 「あなたいつもお金だけ」 夫から離婚理由を告げられても納得しなかった妻は、なぜ自分が離婚したくないかを話し始めました。妻曰く、夫は大変なときにいつもそばにいてくれず、

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          「そんな離婚理由は認めない!」いつまでも理解してもらえないのは相手の心理を分かっていないから⁈(第2話)

          前回、結婚25年目の妻との離婚を希望している男性の「一度を妻を愛した瞬間はなかったかもしれません」という言葉を紹介しました。 その後、妻の反応はどうだったのでしょうか。ADR(民間調停)でのやりとりを以下にご紹介します(ある特定の方のご紹介というより、こういったケースの特徴を事例にしてお伝えします。) 何度伝えても伝わらない離婚理由 ADRの冒頭、妻は夫に対して、「なぜ離婚したいのか理由を知りたい」と伝えました。すると夫は、「もう何度も説明したのに、まだ分かってくれない

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          一度も妻を心から愛した瞬間はなかったかもしれません(第1話)

          最近、夫婦ってなんだろうと思う相談が続いています。これはある50代後半の男性の相談。 「知人の紹介で出会いました。何となく、結婚して家庭を持つものだと思っていたので、交際後、数か月で彼女の妊娠を機に結婚しました。そこから25年、思えば、一度も心から妻を愛した瞬間はなかったかもしれません。」 その夫婦は、結婚25年。子どもも2人いて、既に2人とも成人しています。夫が転勤族であったことから、単身赴任で別々に暮らすことも多かったそうです。 そんな生活の中でも、夫は妻子にせっせ

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          人はなぜモラハラをするのか。その意外な真相は・・・。

          モラハラ(モラルハラスメント)を行う加害者の理由は多岐にわたりますが、みなさんはどんな理由を想像するでしょうか。 おそらく、「気が強いから」「自信過剰だから」「他人を見下しているから」といった「偉そう」なイメージを持つかと思います。もちろん、そういったイメージも間違いではありません。しかし、意外と知られていないのが、モラハラ加害者の「弱い」側面です。そして、過去の成育歴なんかも大きく影響を及ぼすと言われています。 モラハラの5大理由 今日は、「人はなぜモラハラをするのか」

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