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一度も妻を心から愛した瞬間はなかったかもしれません(第1話)

最近、夫婦ってなんだろうと思う相談が続いています。これはある50代後半の男性の相談。

「知人の紹介で出会いました。何となく、結婚して家庭を持つものだと思っていたので、交際後、数か月で彼女の妊娠を機に結婚しました。そこから25年、思えば、一度も心から妻を愛した瞬間はなかったかもしれません。

その夫婦は、結婚25年。子どもも2人いて、既に2人とも成人しています。夫が転勤族であったことから、単身赴任で別々に暮らすことも多かったそうです。

そんな生活の中でも、夫は妻子にせっせと生活費を送ることで夫の役割を果たしました。一方、妻は、そんな夫に対し、家族に「心」を向けてくれない寂しさを感じ、何かにつけて、「あなたは〇〇してくれない。」と不満ばかりをぶつけていました。

夫は、妻の口撃を受けつつも、「穏便に済ませたい」という気持ちが先立ち、何となく受け流す日々でした。しかし、子どもが巣立ち、単身赴任が解かれる日が近くになるにつけて、「もう同居はできない」という気持ちが高まったのです。

そんな夫は、単身赴任で離れているうちに妻と離婚協議をしたいとのことで、民間調停の制度であるADRに申立てをしました。夫としては、長年夫婦であった妻と徹底的に争いたいわけではなく、穏便に別れたいという気持ちが強かったのでした。

こういったケースは、実は少なくありません。3組に1組が離婚すると言わる今、離婚は珍しいことではありません。しかし、まだまだ「子どもが大きくなるまでは」と我慢されるご夫婦も少なくありません。特に、比較的年齢が高いご夫婦はその傾向が強いように思います。

さて、夫から離婚を申し立てれた妻の反応はどうだったでしょうか。次は、こうした夫婦の協議がどんな結末を迎えるのか、そんなことをお伝えしたいと思います。


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