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最初から離婚するつもりで結婚する人はいない。でも間違ったなら1年で離婚してもいい。
想像していなかった離婚という未来
あなたは不幸になるために結婚したのでしょうか。ほぼ全員がノーではないでしょうか。
昔は政略結婚とか、親が決めた結婚とか、本人が望まない結婚もあったかもしれません。でも、現代を生きるみなさんは違うはずです。ひとりでいるのが寂しかったからとか、親を安心させたかったからとか、何か消極的な理由かもしれませんが、少なくても今より幸せになるために結婚したはずです。
しかし、結婚した後、想像していなかった未来が待っていることもあります。それは、夫婦関係がうまくいかずに離婚するという未来です。その未知なる未来を上手に受け入れられるか、そんなことは想定外だとそっぽを向くか、その違いが大きく人生を分岐させることがあります。
婚活アプリで知り合った妻と結婚1年で離婚したAさん
Aさんは製薬会社のMRとして働いている。接待も多いし、転勤もある。バタバタと仕事をする中で、家庭を持って落ち着きたいという気持ちが出てきた。手っ取り早く結婚したいと思い、婚活アプリを始めた。
アプリを使い始めてすぐに、何人かの女性に会った。5人目に会ったその女性は、家庭的な雰囲気で、「この人とならいい家庭を築けるかも」と思い、短期間で結婚に至った。
妻の生活費は負担させられるが、妻らしいことは何もしてもらえない生活に疑問
しかし、実際の結婚生活は想像と違った。「家庭的」というワードは結構落とし穴であることを知る結果となった。結婚したとたん、妻は仕事を辞め、家庭に入った。その上、頻繁に実家に帰り、Aさんが仕事から帰宅しても家の中は真っ暗、ということも多かった。
一人暮らしに慣れているAさんは、自分のことは自分でできるが、気持ちはもやもやした。俺はいったい何のために結婚したのかと。
状況は少しずつ悪くなった。
妻は実家に帰るだけではなく、実家の周辺にいる友人たちともつながりが強かった。度々、「幼馴染と飲む」、「クラス会がある」と飲みに行っては実家に泊まって翌日帰ってくる。
そして、妻はAさんと寝室を別にしたいと言い出した。理由は、生活リズムの違いだ。確かに、妻は録画した連ドラを見たり、携帯ゲームをしたり、深夜遅くまで起きている。
Aさんは無理に同じ部屋に寝る必要はないと思い同意したが、それと同時に夫婦生活もなくなっていった。
結婚から1年が経つころ、Aさんの違和感はピークに達した。このまま夫婦らしさが何もないまま、妻の分も生活費を払い続けるのは納得がいかない。
離婚を躊躇させた要素は?
一方で、様々なブレーキ要素が頭をよぎった。結婚1年で破綻したとなると、友人や会社に言いづらい。次の交際でも「この人、何か難があるのかも」と勘繰られるかもしれない。結婚式や新婚旅行、新居を構えるための準備費用など、結構お金もかかっている。
何よりブレーキになったのは「こんなはずじゃなかった」という納得のいかなさだ。何だか自分の人生の汚点のような気がしたし、「バツイチ」という想像していなかった未来を受け入れたくなかった。
しかし、Aさんはもっともっと遠くの想像できない未来も考えてみた。子どもができれば、それこそ身動きが取れなくなる。再婚を目指すにも早い方がいいに決まっている。そうした未来を考えたとき、離婚を決意した。
離婚を切り出された妻は驚き、あなたのために仕事を辞めたのにと抵抗したが、Aさんから解決金を提示され、すんなり離婚に応じた。
出産に執着した結果、迷路にはまってしまった女性
Bさんの子どものころからの夢は「お母さんになること」だった。大人になっても結婚願望が強く、母親になることに対する気持ちは強くなる一方だった。
しかしBさんの職場は既婚男性しかおらず、なかなか出会いの場がない。焦ったBさんは、結婚相談所に入会し、半年で相手を見つけた。Bさんは短期間で結婚相手を見つけられたことに大満足だった。
婚前交渉禁止の妊活が招いた罠
Bさんは既に32歳。少なくても2人は子どもが欲しいと思っていたこともあり、ゆっくり構えていることはできない。
早速子作りに励んだ。ところが、夫が満足に応えてくれないのだ。仕事が忙しいとか、疲れたと言っては先に寝てしまう。
そもそも、結婚相談所は婚前交渉禁止であり、相性も未知だった。夫は「俺は淡白だから」のひとことで二人の違いを片付けようとした。
不妊治療で悪化する夫婦関係
結婚から半年、Bさんは我慢できなくなり、夫に不妊治療をしたいと切り出した。しかし、夫は反対。理由は「お金がかかる」だった。
Bさんはそんな夫の態度に憤慨したが、最優先は子どもである。不妊治療の費用は独身時代の蓄えから払うからと夫を説得し、治療を開始した。
治療が進むのと同時進行で、夫婦関係は悪化していった。既に夫婦として成り立っていなかったが、Bさんは妊娠することだけに集中した。
そんなある日、病院から採取した卵子の受精がうまくいったので、子宮に戻すことができるという連絡があった。Bさんは飛び上がるように嬉しかったが、その翌日にはどん底の気分を味わうことになった。
受け入れがたい現実と向き合えないとどうなるか
なんと、夫から「不妊治療は中止してほしい。離婚を考えている」と言われたのだ。
Bさんは頭の中が真っ白になって何も考えられなかった。これまで体外受精のためにどれだけの期間と費用を費やしてきたか。
もう夫婦関係なんてどうでもよかった。妊娠さえできれば、その後離婚でも構わなかった。でも、その希望は叶わなかった。
夫に泣いて懇願しても、人でなしとなじっても、夫は頑として「愛していない人との間に子どもをもうけることはできない」と至極まっとうなことをいうだけだった。
この時点で、Bさんは離婚するべきだった。しかし、妊娠をあきらめ、夫と離婚し、再度婚活・妊活にチャレンジするという気の遠くなるような未来を到底受け入れることができなかった。
人というのは、あまりに気持ちに反した現実を突きつけられると、現実逃避したくなる。Bさんは、結論を出さないまま実家に戻り、鬱々とした生活を続ける中で、本当にうつ病を患ってしまった。
間違いに気付くのは早い方がいい
私は仕事柄、多くの人の離婚相談を受けていますが、「人って結婚に縛られるものなんだなあ」と痛感することがあります。
私個人は、離婚推進派でも反対派でもありません。ただ、単純に、幸せでない離婚を無理に続けるのは不毛だと感じることがあります。
そもそも、何十年も同じ人を愛し、幸せに暮らせる方が奇跡ではないでしょうか。その奇跡が達成できなかったとしても、人生の失敗ではありません。
もちろん、お子さんがいればそう簡単じゃないことも重々承知です。でも、親の幸せがあってこその子どもの幸せであることもまた事実です。
結婚生活そのものが「予想のできない未来」だと考えることで、少しの緊張感と相手への尊重の気持ちをもって、お互いにうまくいく努力ができるといいなと思います。
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photo by メイプル楓様