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だからあなたが嫌なのよー嫌いの上塗りをしてしまう哀しい夫ー
夫婦カウンセリングをしていると、ときに辛辣な言葉が発せられることがあります。そんな事例(あるある架空事例)を今日はご紹介します。
ある妻は、夫のモラハラ行為に耐え兼ね、離婚を切り出しました。しかし、離婚したくない夫はそれに応じません。そんな二人が選択したのが夫婦カウンセリングです。
夫はモラハラ的な言動があったものの、現在は妻から離婚を切り出され意気消沈気味です。そのため、妻も「怖い」という気持ちを乗り越え、話し合いの場を持とうと考えたのです。
また、夫としても、「離婚を回避できるなら」と夫婦カウンセリングに希望を見い出し、応じることにしました。
夫を説得できると勘違いしている妻
カウンセリング中、妻は、夫のどんな言動に対し、どんな気持ちになり、だからもう離婚しかない、とうこと徹底的に説明します。
それでも夫が理解を示さないと、「夫婦論」を語ります。本来、夫婦は互いに思いやり、一緒にいたいと思うからこそ婚姻を継続するのであり、どちらか一方でもその感情を失ってしまったら、もはや夫婦でいるのは「おかしい」という夫婦論です。
しかし、いくら語っても、夫は「離婚したくない」の一点張りです。夫が離婚したくない理由として挙げたのが以下の3点です。
子どもたちと離れたくない
夫婦は山あり谷ありで互いに我慢するもの
お金の援助だけ求められるのは理不尽
多くの男性は、離婚によって家族と財産を失うと考えがちです(あながち、はずれてもいないのですが・・・。)。
特に、ある程度子どもとのかかわりを持ちたい夫や、離婚をしても子どもたちの生活費については責任を持ってやりたいという場合はそうなります。
子どもたちの生活を考えると、現在の家は妻子にゆずり、自分が家を出ていくことになります。また、子どもの生活や学費を困らない程度に払ってやろうと考えると、法定通りの金額以上に支払うことになります。
そうなると、まさに「のけ者」にされているのに、お金だけは支払い続ける、そんな感覚になるからです。
しかし、妻はそんな夫の気持ちを知る由もありません。なぜなら、自分が夫と愛していない以上、離婚に応じるのが夫のあるべき姿だと思っているからです。
だからあなたが嫌なのよ!
そこで、タイトルにあった妻の言葉が出てきます。妻としては、自分がこんなに嫌いだと言っているのに、自分がこんなに離婚してとお願いしているのに、その気持ちを理解せず、自分の気持ちだけを優先する夫の態度を見て、日々のモラハラを思い出すのです。
夫は、夫婦カウンセリングに関係修復の光を見出していたわけですが、結果的に「嫌いの上塗り」をしてしまっているのです。だからといって、別居や離婚に応じると言えるわけではなく、夫は八方ふさがりなのです。まさに「行くも地獄、戻るも地獄」です。
「変えられるのは自分だけ」というけれど・・・
一方は離婚したい、もう一方は離婚したくない、そんな夫婦のカウンセリングを担当して思うことは、「だから夫婦関係がうまくいかないんだな」ということです。
こうしたやり取りの根本にあるのは、「相手を変えよう」という気持ちです。もちろん、夫婦生活を送る上で、互いに譲歩したり、相手の様子を見て自分の言動を変えられるのが一番です。
しかし、人はそう簡単には変わりません。「相手は変わらないもの」とあきらめた上で夫婦生活を送ると、意外とうまくいったりするのです。
この事例にしても、妻は相手が離婚に応じて家を出て行ってくれることに期待せず、自分の行動だけで実現する将来を考えなければいけない時期にきているのです。例えば、「子どもを連れて別居すること」は自分ひとりの決断(もちろん、子どもの気持ちも大切です)で実行できます。
しかし、大抵の場合、子どものためにも自分と子どもが家に住み続けたいという自分の中の理想を捨てられず、身動きが取れないのです。
多くのご夫婦のカウンセリングを通して実感するのは、「手放すこと」の大切さです。離婚を推奨しているつもりはないけれど、手放すことで新たな幸せが入り込む余地が出てくると思うです・・・。