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みゆ
2024年8月23日 00:10
「穢れなき謹慎へ」唇に触れようとすると走馬灯が見えた睫毛が途端に、憂いを帯びる同じ性質しか愛せないのはどうしてだろうかわかっているのに、僕は問わずにいられない嗅覚が不快と共に堕ちていく君の唇の際から、桃のような香りと虚しい期待の温もりを感じた怪訝そうな目で睨みをきかせても無駄だってことに眩ませていっそ僕ごと、傷ついてほしい紙一枚以上に繋がった関係を破り捨てたい
2024年8月14日 23:04
「空白の廊下、殿下」 涙が出ないのにコーヒーを飲んだ(今日は何の日だったのか)錆びた王冠が無造作に置かれているが、何も思い出せないいつもの廊下は静まりかえり、愚者の笑い声だけが窓から聞こえてきたブロンズカラーを静かに飲むと、日付がめくれなかった日が続いたのを思い出す声が出ず、デコルテに無惨が滲み、支配され続けた廊下の夢を見た殿下は、未だに私を咎める貴方ほど声を出
2024年8月8日 21:25
みゆと申します。ご覧いただき、ありがとうございます。以前投稿した詩を、今回リメイクしました。原作は「2.5%」という詩で、リメイク作のタイトルは「課せられたパーセンテージ」です。元の記事は、こちらからご覧いただけます。↓この詩は、私にとって転機になった作品です。詩を本格的に書いたのがこの作品が初めてでした。私はとあるボカロP・歌手のファンで、当時もろに彼の影響を受けなが
2024年8月6日 22:59
「病み上がりの境界域」絵に描いたような入道雲が私の目線に飛び込んできたここから出られないことを察して光が眩しくてカーテンを閉じた現状との落差に両目は沈んでいた太陽の余韻が色濃く残った特有の空気に酔い、チョコレートやグミの溶けた大群がどこまでも粘ついた夢を見た寝る時くらい、夢らしい夢を見せてくれないものか何日も見て見ぬフリをした、弱りきった花のために予約をして固い椅子
2024年8月4日 00:09
「ページを戻す街」この街にも慣れ、羽を大いに伸ばしていた時煤けた彗星から王冠を借りて君は現れた無邪気に自我を際立たせてすぐに住人の一員となり、可愛い両耳を僕に傾けて「手のひらをみせて」と耳元でつぶやいた飄々と見られがちな僕は器量が小指の幅より狭すぎて利き手を開くのを恐れたのだ開けばたちまち 住処が崩れていくと握りしめた指の隙間から囚われの雫が 何度も落ちていった