若者の市販薬OD(オーバードーズ)問題とその背後にある心理
若者の市販薬オーバードーズ問題が急増しており、その深刻な現状を探ります。なぜ若者たちは市販薬を大量に服用するのか、そしてこの問題の背後にはどのような心理が働いているのでしょうか。本記事では、オーバードーズ問題の実態とその背後に潜む複雑な要因を解明し、若者たちの健康と幸福に関わる重要なテーマに迫ります。
OD(オーバードーズ)をしてしまう人が悪いわけではありません。やりたくてやっているわけでもありません。その背景や背負っている状況に問題があり、悩みに悩んだ末、他の選択肢が見つからず行動してしまうものです。本人が悪いのではありません。だから、どうかこの記事を読んでくださった方も、本人たちを責めたり、「若者は頼りなくて貧弱」「自分の若い頃はそんなこと許されなかった、甘えるな」などと思ったりしないでください。それは相手を思った激励の言葉のつもりかもしれません。ですが言われた人にとっては逆効果で、その言葉に余計追い詰められて死にたくなってしまうこともあるのです。頭ごなしに否定するのではなく、まずはその心理について知っていただけたらと思います。
薬物の過剰摂取(オーバードーズ)とは?
過剰摂取、またはオーバードーズとは、通常よりも多くの薬物を摂取することで、身体に害を及ぼす状態を指します。
本来は、薬は用量・用法を守って使用するようにと決まっています。その決まりを破ると、薬を吸収した体に負担がかかってしまい、重篤な副作用が起こる場合もあり、命に関わるからです。つまり過剰摂取により薬物の効果が身体に過度に影響することで、健康に悪影響を及ぼすのです。これは誤った服用や意図的な過剰服用によって引き起こされることがあります。
違法薬物、だけではないことが重要です。市販に売っている合法的な薬でも過剰摂取になります。
若者のオーバードーズの増加
若者のオーバードーズの増加は社会的な問題であり、効果的な対策が求められています。今回は違法薬物ではなく、市販薬の乱用によるオーバードーズについて取り上げていきます。
例えば、風邪薬(感冒薬)として販売されているブロン錠やパブロンゴールドの大量服薬です。これらの市販薬を通常の用法や医師の指示に従わずに大量に摂取することにより過剰摂取となります。この行為は臓器の損傷や命にかかわる危険を伴います。ですがその一方で、多幸感を得られたり、集中力がましたり、ハイテンションになったり、ぼーっとしてきてふわふわ気分が良くなったり…不安やつらいことなどのストレスから一時的に離れることができ、現実を忘れることができます。つまりストレス緩和や快楽をもたらす手段としてみなされているのです。
「体が悪くなってもいい」「死にたいけど死ぬ勇気はないし」「これを服用している時だけが幸せ」「ストレス解消方法が他にない」「ふわふわ気持ちいい」といった理由があり、身体的かつ精神的な依存性もあり、止められないループに陥ります。
多くの若者がストレスや孤独感、社会的圧力に苦しんでおり、市販薬を利用して感情の安定を図ることがあります。このように、オーバードーズは薬物を通常よりも多く摂取することで、健康に害を及ぼす状態を指します。そして、覚醒剤や大麻のように違法薬物を使用して逮捕される、といったリスクのない市販薬のオーバードーズが若者だけでなく多くの人に蔓延しているのです。
若者たちのオーバードーズが増加する理由とは
市販薬を大量摂取する若者たちの増加は、社会的な圧力や情報の影響によるもので、その背後には若者たちの心理的な負担が存在します。
若者たちはストレス、孤独、不安といった心理的な負担を抱え、市販薬を通じてそれに対処しようとします。また、インターネット上の情報が過剰摂取を誘発することもあります。
一部の若者は、市販薬を大量に摂取して感情の変化を求め、この行為が違法とされて逮捕者が出ています。若者たちは自身の心の負担から逃れる手段として市販薬を選び、社会的なサポートが不足していることが問題です。
市販薬を大量摂取する若者たちの増加は、心理的な負担と情報の影響によるものです。その心理的な負担について見ていきます。
学業のプレッシャー
学業に対する高い期待と競争が、多くの若者に学業のプレッシャーをもたらします。成績の向上や進学への圧力は、ストレスや不安を引き起こす要因です。
社会的圧力
若者は友人関係や恋愛関係などの社会的な関係でさまざまな圧力に直面します。人間関係の問題、友人間の競争、受け入れられることへの欲求などが、ストレスの原因になることがあります。
将来への不安
将来のキャリアや経済的な不安が、若者の心理的な負担を増大させることがあります。職業選択、就職、経済的な安定に関する不安は、不安やストレスを引き起こす可能性があります。
身体的外見への圧力
ソーシャルメディアやメディアの影響により、若者は身体的外見に関する圧力を感じることがあります。イメージに対する不安や自己評価の低下が、精神的な負担を増大させる要因となります。
精神的健康の問題
不安、うつ病、摂食障害、自傷行為などの精神的健康問題は、若者たちの心理的な負担を高める主要な要因です。これらの問題は、生活の質や日常の機能に大きな影響を及ぼすことがあります。
社会的孤立
ソーシャルメディアの普及や都市化の増加により、社会的孤立感が増えています。友人や家族とのコミュニケーション不足、孤独感は、若者たちの心理的な負担を増大させることがあります。
家庭環境のストレス
家庭内での問題、家庭環境の不安定さ、虐待、離婚など、家庭に関連するストレス要因は、若者たちに影響を及ぼすことがあります。
社会的不平等と差別
社会的な不平等、人種差別、性別差別、LGBTQ+に対する差別などは、若者たちのストレスや不安の原因となることがあります。
こういった理由があり、行き場のないつらい思いを解消するために大量服薬に依存してしまうのです。
オーバードーズが仲間とつながるツールに
若者たちはSNSやインターネットを通じてオーバードーズの情報を共有し、仲間とつながる手段として利用しています。SNSやインターネットは若者たちのコミュニケーション手段であり、そこでオーバードーズに関する情報や体験を共有することがあります。例えば、若者たちはSNSのサークルやコミュニティで自身のオーバードーズ体験を共有し、同じ問題に直面している仲間とつながることがあります。これは一部の若者にとって支えとなることもありますが、誤った情報が拡散されるリスクも存在します。それでも、ひとりではないという安心感は心の支えになります。SNSやインターネットは若者たちがオーバードーズについて情報を共有し、仲間とつながる手段として利用されています。
おまけ:飲酒とオーバードーズの問題
飲酒とオーバードーズは健康に悪影響を及ぼすリスクを伴う問題で、注意が必要です。飲酒により薬の作用がさらに強まってしまいます。
飲酒とオーバードーズは、多くの場合、身体や精神の健康に害を及ぼします。これにはいくつかの理由が考えられます。
身体への影響
飲酒やオーバードーズによって、肝臓や脳に重大なダメージを与える可能性があります。アルコール中毒や薬物中毒は、臓器の機能を損なうことがあります。
心理的な要因
ストレス、不安、うつ病などの精神的な問題は、飲酒や薬物の乱用につながることがあります。これらの問題を解消しようとするために、人々はアルコールや薬物を選択することがあります。
例えば、アルコール依存症の人々は、日常生活で大量のアルコールを摂取し、身体と心に深刻な損傷を負う可能性があります。また、薬物乱用者は、過剰な薬物摂取によって命の危険にさらされることがあります。
身も心もぼろぼろで…
生きることは、死ぬことよりもつらいのだと思っている人が多い…
そんな社会なのかと思うと心が痛いです。
まとめ
若者たちの市販薬オーバードーズ問題は深刻で、その背後にはさまざまな要因が影響しています。過剰摂取のリスクや心理的側面が明らかになりました。この問題に対処し、若者たちの健康を守るためには、社会的な支援や適切な医療へのアクセスが不可欠です。今回は若者に焦点を当てましたが、死にたいと思って行動してしまうのは、もちろん若者だけではありません。今後も議論が深まり、解決策を見つけ出すための取り組みが求められます。
綺麗事と言われるかもしれませんが
みんながより良い人生を送ることができますように…。
平和で穏やかな日々を送れますように…。
死にたくなるようなつらいことが、減りますように…。
読んでくださりありがとうございました。